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第149話 募る想い
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翌朝――
僕はエディットが来るのをエントランスの前で待っていた。
「そろそろ来る頃かな……」
すると門をくぐり抜けて、エディットを乗せた真っ白な馬車がこちらへ向かって来る姿が確認できた。ほぼ時間通りだ。エディットはいつも時間に正確だった。
やがて馬車は目の前までやってくると停車した。
「おはようございます、アドルフ様」
すっかり顔なじみになった男性御者、ギルバートさんが挨拶をしてきた。
「おはようございます、ギルバートさん。僕が扉を開けますよ」
「ありがとうございます」
帽子を外してお礼を言うギルバートさんに会釈すると、馬車の扉を開けた。
「おはよう、エディット」
扉を開けると、青いワンピース姿のエディットが椅子に腰掛けて僕に笑顔を向けてきた。
「おはようございます。アドルフ様」
「降りておいで、エディット」
エスコートするべく、エディットに左手を差し出す。
「ありがとうございます」
はにかみながらも、エディットは僕の手を掴むと馬車から降りてきた。
「ギルバートさん、迎えの馬車は……」
エディットがギルバートさんに話しかけた時、僕はエディットに声を掛けた。
「帰りの馬車ならいいよ。僕がエディットを送るから」
「え?でもそれでは……」
「いいよね?僕がエディットを見送りたいんだ」
じっとエディットの青い目を覗き込む。
「は、はい……」
エディットは少しだけ頬を赤くして頷く。
「では帰りはアドルフ様にエディット様をお願い致しますね。失礼します」
ギルバートさんは僕達に笑顔で挨拶すると、再び馬車を走らせて去っていった。
「それじゃ、行こうか?エディット」
エディットの手を握りしめたまま声を掛けた。
「はい」
こぼれそうな笑顔で返事をするエディットは、本当に綺麗だった……。
2人で手を繋いで廊下を歩きながら僕達は会話をしていた。
「アドルフ様、今日はどちらで勉強されるのですか?」
「うん、サンルームでやろうかと思っているんだ。あそこは明るいし、日差しもあって明るいからね」
サンルームでは僕が大怪我をしてエディットを泣かせてしまった場所ではあるけれども……少なくとも、3人で仲良く過ごした場所に違いは無かったのだから。
「そうですね。あそこは温かいですし、きれいなお庭を見ながら勉強できますよね」
そう言えばエディットは花が好きだったはずだ。そして僕は隣を歩くエディットをチラリと横目で見た。
今日のエディットの青いワンピースは彼女の青い瞳によく映えた。
「エディット。今日の青いワンピース……すごく素敵だよ。その青い瞳に良く似合っている」
「え?!あ、ありがとう……ございます」
エディットは耳まで顔を真っ赤に染める。
本当に何て可愛らしいんだろう。今は彼女の全てが愛しくてたまらない。記念式典パーティーが待ち遠しかった。
そうすれば自分がどれだけエディットのことを好きなのか思いを告げることが出来るのに。
サチからは、何故今すぐ告白しないのだと責められたけれども僕には僕なりの考えがあった。
『コイカナ』の原作の世界で、噴水の見える園庭で主人公のセドリックとエディットは大きな満月を背にダンスをし……互いのことを初めて意識しあったあのシーン。
そのシーンを僕がエディットと演じたかった。
ダンスを踊りながら自分の気持ちを告げたいと、エディットに恋心を抱いたときから決めていたからだ。
「あの、アドルフ様」
不意に声を掛けられ、自分が物思いにふけっていたことに気付いた。
「な、何?エディット」
「いえ、もうサンルームに到着しましたけど?」
「え?あ」
見ると、僕達の前にはサンルームの扉がある。
「そ、それじゃ中に入ろうか?」
「はい」
扉を開けて部屋の中へ入ると、明るい日差しに照らされたサンルームが現れた。窓際には丸テーブルに2脚の椅子が置かれている。
「それじゃ、座ろう?」
「そうですね」
椅子を引いてエディットを座らせてあげた。
「どうぞ?」
「あ、ありがとうございます」
頬をうっすら赤く染めてエディットは椅子に腰掛けた。僕も彼女の向かい側に座ると、不意にエディットが口を開いた。
「アドルフ様……この青いワンピースのことですけど……」
「うん、何?」
「アドルフ様が青い色をお好きだったので、私も青が好きなんです……」
「へ~そうだったんだね」
返事をしながら僕は思った。
青い色が好き……?
確かに今も昔も僕は青い色が好きだった。
けれど、その話をエディットにしたことが何処かであったのだろうか――?
僕はエディットが来るのをエントランスの前で待っていた。
「そろそろ来る頃かな……」
すると門をくぐり抜けて、エディットを乗せた真っ白な馬車がこちらへ向かって来る姿が確認できた。ほぼ時間通りだ。エディットはいつも時間に正確だった。
やがて馬車は目の前までやってくると停車した。
「おはようございます、アドルフ様」
すっかり顔なじみになった男性御者、ギルバートさんが挨拶をしてきた。
「おはようございます、ギルバートさん。僕が扉を開けますよ」
「ありがとうございます」
帽子を外してお礼を言うギルバートさんに会釈すると、馬車の扉を開けた。
「おはよう、エディット」
扉を開けると、青いワンピース姿のエディットが椅子に腰掛けて僕に笑顔を向けてきた。
「おはようございます。アドルフ様」
「降りておいで、エディット」
エスコートするべく、エディットに左手を差し出す。
「ありがとうございます」
はにかみながらも、エディットは僕の手を掴むと馬車から降りてきた。
「ギルバートさん、迎えの馬車は……」
エディットがギルバートさんに話しかけた時、僕はエディットに声を掛けた。
「帰りの馬車ならいいよ。僕がエディットを送るから」
「え?でもそれでは……」
「いいよね?僕がエディットを見送りたいんだ」
じっとエディットの青い目を覗き込む。
「は、はい……」
エディットは少しだけ頬を赤くして頷く。
「では帰りはアドルフ様にエディット様をお願い致しますね。失礼します」
ギルバートさんは僕達に笑顔で挨拶すると、再び馬車を走らせて去っていった。
「それじゃ、行こうか?エディット」
エディットの手を握りしめたまま声を掛けた。
「はい」
こぼれそうな笑顔で返事をするエディットは、本当に綺麗だった……。
2人で手を繋いで廊下を歩きながら僕達は会話をしていた。
「アドルフ様、今日はどちらで勉強されるのですか?」
「うん、サンルームでやろうかと思っているんだ。あそこは明るいし、日差しもあって明るいからね」
サンルームでは僕が大怪我をしてエディットを泣かせてしまった場所ではあるけれども……少なくとも、3人で仲良く過ごした場所に違いは無かったのだから。
「そうですね。あそこは温かいですし、きれいなお庭を見ながら勉強できますよね」
そう言えばエディットは花が好きだったはずだ。そして僕は隣を歩くエディットをチラリと横目で見た。
今日のエディットの青いワンピースは彼女の青い瞳によく映えた。
「エディット。今日の青いワンピース……すごく素敵だよ。その青い瞳に良く似合っている」
「え?!あ、ありがとう……ございます」
エディットは耳まで顔を真っ赤に染める。
本当に何て可愛らしいんだろう。今は彼女の全てが愛しくてたまらない。記念式典パーティーが待ち遠しかった。
そうすれば自分がどれだけエディットのことを好きなのか思いを告げることが出来るのに。
サチからは、何故今すぐ告白しないのだと責められたけれども僕には僕なりの考えがあった。
『コイカナ』の原作の世界で、噴水の見える園庭で主人公のセドリックとエディットは大きな満月を背にダンスをし……互いのことを初めて意識しあったあのシーン。
そのシーンを僕がエディットと演じたかった。
ダンスを踊りながら自分の気持ちを告げたいと、エディットに恋心を抱いたときから決めていたからだ。
「あの、アドルフ様」
不意に声を掛けられ、自分が物思いにふけっていたことに気付いた。
「な、何?エディット」
「いえ、もうサンルームに到着しましたけど?」
「え?あ」
見ると、僕達の前にはサンルームの扉がある。
「そ、それじゃ中に入ろうか?」
「はい」
扉を開けて部屋の中へ入ると、明るい日差しに照らされたサンルームが現れた。窓際には丸テーブルに2脚の椅子が置かれている。
「それじゃ、座ろう?」
「そうですね」
椅子を引いてエディットを座らせてあげた。
「どうぞ?」
「あ、ありがとうございます」
頬をうっすら赤く染めてエディットは椅子に腰掛けた。僕も彼女の向かい側に座ると、不意にエディットが口を開いた。
「アドルフ様……この青いワンピースのことですけど……」
「うん、何?」
「アドルフ様が青い色をお好きだったので、私も青が好きなんです……」
「へ~そうだったんだね」
返事をしながら僕は思った。
青い色が好き……?
確かに今も昔も僕は青い色が好きだった。
けれど、その話をエディットにしたことが何処かであったのだろうか――?
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