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第173話 明日への期待
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帰りの辻馬車の中――。
「いよいよ明日、記念式典パーティーですね」
向かい側に座るエディットが明日の話をしてきた。
「うん、そうだね。エディットのドレス姿を見るのが今から楽しみだよ」
そう。いよいよ明日……僕はエディットに気持ちを告げるんだ。
「私もアドルフ様のスーツ姿を見るのが楽しみです。き、きっと……素敵でしょうね」
少しだけ、頬を染めながらエディットが僕を見つめる。
「そうかな?でも男のスーツ姿よりも、やっぱり綺麗に着飾った女性たちのほうがずっと素敵だと思うけどな」
「い、いいえ!ぜ、絶対アドルフ様のスーツ姿は素敵に決まっています!」
いつになく、力を込めて話すエディット。
「ありがとう。エディットにそう言って貰えると嬉しいよ」
すると不意にエディットがうつむき加減で言いにくそうに口を開いた。
「あ、あの……アドルフ様。ありがとう……ございます」
「え?何故お礼を?」
「私を記念式典パーティーのパートナーにして頂いた……ことです」
「あ……」
そうだ、最初の頃……僕はエディットから記念式典パーティーに誘われた時、断ってしまったのだっけ。そして彼女を泣かせてしまって……。
「あのときはごめん。エディット。どうかしていたんだよ。 馬に蹴られたショックで記憶が曖昧になっていて……そ、その距離感が分からなくて……本当にごめん」
まさかここが漫画の世界で、僕はエディットを苦しめる悪役令息だったから側にいないほうが良いと思った……。なんて言えるはずもない。
いつか……本当のことが話せるといいのに。
エディットに真実を話せないのが心苦しくてならなかった。
「い、いえ。そのことではありません。ただアドルフ様が私と記念式典パーティーに参加してくれることが嬉しかったのでお礼を言いたかっただけです。つまり、明日は私とダンスを踊っていただけるということですよね?」
「うん、勿論そうだよ。あまり自信は無いけどね」
と言うか、僕はダンスが踊れるのだろうか?ダンスと言えばフォークダンス位しか踊ったことがないのに……。
「いえ、アドルフ様と踊れるだけで十分です。何しろ……6年ぶりですから……」
「大丈夫、今度こそ一緒に踊ろう?」
もう、ブラッドリーはいない。彼に遠慮する必要など、何処にもないのだから。
そして僕達はその後も明日の記念式典パーティーの話を続けた。
馬車がエディットの屋敷に到着するまで……。
****
「まぁ、アドルフ様。わざわざエディットを送って頂き、ありがとうございます。どうですか?我が家に寄っていかれませんか?」
エントランスまで出迎えてくれた夫人が笑顔を僕に向けてきた。
「いえ、これから用事がありますから」
僕の言葉にエディットが怪訝そうな顔つきになる。
「え……?もしかして、アドルフ様。本当は今日用事があったのですか?」
「そ、そうじゃないよ。これから明日の記念式典パーティーの準備をしようかと思っただけだから。もう一度スーツに袖を通して見ようかと思ってね」
「そうですね。確かに身だしなみは大事かもしれませんね」
夫人が頷く。
「それじゃ、エディット。明日16時に迎えに来るね」
「はい、お待ちしていますね」
そして夫人とエディットに見送らながら、再び辻馬車に乗り込んだ。
これからある場所に向かう為に――。
「いよいよ明日、記念式典パーティーですね」
向かい側に座るエディットが明日の話をしてきた。
「うん、そうだね。エディットのドレス姿を見るのが今から楽しみだよ」
そう。いよいよ明日……僕はエディットに気持ちを告げるんだ。
「私もアドルフ様のスーツ姿を見るのが楽しみです。き、きっと……素敵でしょうね」
少しだけ、頬を染めながらエディットが僕を見つめる。
「そうかな?でも男のスーツ姿よりも、やっぱり綺麗に着飾った女性たちのほうがずっと素敵だと思うけどな」
「い、いいえ!ぜ、絶対アドルフ様のスーツ姿は素敵に決まっています!」
いつになく、力を込めて話すエディット。
「ありがとう。エディットにそう言って貰えると嬉しいよ」
すると不意にエディットがうつむき加減で言いにくそうに口を開いた。
「あ、あの……アドルフ様。ありがとう……ございます」
「え?何故お礼を?」
「私を記念式典パーティーのパートナーにして頂いた……ことです」
「あ……」
そうだ、最初の頃……僕はエディットから記念式典パーティーに誘われた時、断ってしまったのだっけ。そして彼女を泣かせてしまって……。
「あのときはごめん。エディット。どうかしていたんだよ。 馬に蹴られたショックで記憶が曖昧になっていて……そ、その距離感が分からなくて……本当にごめん」
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いつか……本当のことが話せるといいのに。
エディットに真実を話せないのが心苦しくてならなかった。
「い、いえ。そのことではありません。ただアドルフ様が私と記念式典パーティーに参加してくれることが嬉しかったのでお礼を言いたかっただけです。つまり、明日は私とダンスを踊っていただけるということですよね?」
「うん、勿論そうだよ。あまり自信は無いけどね」
と言うか、僕はダンスが踊れるのだろうか?ダンスと言えばフォークダンス位しか踊ったことがないのに……。
「いえ、アドルフ様と踊れるだけで十分です。何しろ……6年ぶりですから……」
「大丈夫、今度こそ一緒に踊ろう?」
もう、ブラッドリーはいない。彼に遠慮する必要など、何処にもないのだから。
そして僕達はその後も明日の記念式典パーティーの話を続けた。
馬車がエディットの屋敷に到着するまで……。
****
「まぁ、アドルフ様。わざわざエディットを送って頂き、ありがとうございます。どうですか?我が家に寄っていかれませんか?」
エントランスまで出迎えてくれた夫人が笑顔を僕に向けてきた。
「いえ、これから用事がありますから」
僕の言葉にエディットが怪訝そうな顔つきになる。
「え……?もしかして、アドルフ様。本当は今日用事があったのですか?」
「そ、そうじゃないよ。これから明日の記念式典パーティーの準備をしようかと思っただけだから。もう一度スーツに袖を通して見ようかと思ってね」
「そうですね。確かに身だしなみは大事かもしれませんね」
夫人が頷く。
「それじゃ、エディット。明日16時に迎えに来るね」
「はい、お待ちしていますね」
そして夫人とエディットに見送らながら、再び辻馬車に乗り込んだ。
これからある場所に向かう為に――。
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