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第179話 原作とは違う世界で
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「やっぱり、アドルフ様はすごいですね」
腕を組んで歩くエディットが声を掛けて来た。
「え?何が?」
「だって、クラスの人達全員を追試試験で合格させてあげたのですから」
「いやぁ……それは違うよ。確かに僕は勉強を教えたかもしれないけれど、それは皆が努力したからだよ」
「いいえ。アドルフ様の教え方が上手だったから、皆さん合格出来たのですよ」
首を振るエディット。
う~ん……本当に皆の努力のお陰だと思うんだけどな……。首を捻りながらも僕達はパーティー会場の中へ足を踏み入れた。
「うわぁ……」
「まぁ……」
会場の中へ足を踏み入れた僕とエディットは思わず感嘆の声を上げてしまった。
まるで体育館のように広々としたホールには色鮮やかなドレスやスーツ姿の学生たちが入り混じっている。壁の隅に寄せられた大きなテーブルには美味しそうな料理が並べられ、すでに食事をしている学生たちもいた。
天井は見上げる程に高く、豪華なシャンデリアが吊り下げられてキラキラと光り輝いている。
「凄い……」
「はい、本当に素敵ですね」
その時――。
「あ!見つけた!」
背後から声を掛けられ、僕とエディットは振り向いた。すると、そこに立っていたのはサチとセドリックだった。
2人ともお揃いのグリーンのドレスに、タキシードスーツ姿をしている。
そうだ……原作のセドリックはグリーンが好きだった。だからエディットが王子の為に編んだセーターは常磐色《ときわいろ》だったのか。
セドリックは僕と同じ転生者だけど、やっぱり原作通り、グリーンが好きなのだろうか?
「やぁ、セドリック、アリス。2人お揃いだったんだね?」
エディットの手前、あえてサチとは呼ばずに2人に話しかけた。
「勿論さ。僕からアリスを誘ったしね」
セドリックはチラリとサチを見る。
「アリスさん、そのグリーンのドレス、とても素敵です。セドリック様もお似合いですよ?」
「ありがとう、エディットさん」
エディットに褒められたサチは嬉しそうに頬を赤く染めている。
恐らく今のサチは憧れのドレスを着られた喜びと、ヒロインのドレス姿に感動して内心興奮しまくっていることだろう。
「エディットもそのドレス姿、とても綺麗だ。うん、アドルフとお似合いだよ」
セドリックはエディットと僕を交互に見ながら頷く。そんな光景が未だに僕には信じられなかった。
何故なら原作の世界ではこんなシーンは登場しないからだ。
エディットは1人でパーティーに参加したものの、パートナーがいない状況を女子学生たちに馬鹿にされてしまう。
しかも肝心のアドルフは別の女子学生と親し気にダンスを踊っている。その姿を目にしてしまったエディットは学院の園庭に逃げこみ、夜空を見上げながら泣いていた。
そこへ偶然現れた転校したてのセドリックと出会い、2人はそこでダンスを踊り……恋が芽生えるのだ。
それなのに、実際はどうだろう?
エディットが笑顔で2人と会話をしている姿を、僕は不思議な気持ちで見つめながら思った。
早く、エディットに自分の気持ちを告げたいと――。
腕を組んで歩くエディットが声を掛けて来た。
「え?何が?」
「だって、クラスの人達全員を追試試験で合格させてあげたのですから」
「いやぁ……それは違うよ。確かに僕は勉強を教えたかもしれないけれど、それは皆が努力したからだよ」
「いいえ。アドルフ様の教え方が上手だったから、皆さん合格出来たのですよ」
首を振るエディット。
う~ん……本当に皆の努力のお陰だと思うんだけどな……。首を捻りながらも僕達はパーティー会場の中へ足を踏み入れた。
「うわぁ……」
「まぁ……」
会場の中へ足を踏み入れた僕とエディットは思わず感嘆の声を上げてしまった。
まるで体育館のように広々としたホールには色鮮やかなドレスやスーツ姿の学生たちが入り混じっている。壁の隅に寄せられた大きなテーブルには美味しそうな料理が並べられ、すでに食事をしている学生たちもいた。
天井は見上げる程に高く、豪華なシャンデリアが吊り下げられてキラキラと光り輝いている。
「凄い……」
「はい、本当に素敵ですね」
その時――。
「あ!見つけた!」
背後から声を掛けられ、僕とエディットは振り向いた。すると、そこに立っていたのはサチとセドリックだった。
2人ともお揃いのグリーンのドレスに、タキシードスーツ姿をしている。
そうだ……原作のセドリックはグリーンが好きだった。だからエディットが王子の為に編んだセーターは常磐色《ときわいろ》だったのか。
セドリックは僕と同じ転生者だけど、やっぱり原作通り、グリーンが好きなのだろうか?
「やぁ、セドリック、アリス。2人お揃いだったんだね?」
エディットの手前、あえてサチとは呼ばずに2人に話しかけた。
「勿論さ。僕からアリスを誘ったしね」
セドリックはチラリとサチを見る。
「アリスさん、そのグリーンのドレス、とても素敵です。セドリック様もお似合いですよ?」
「ありがとう、エディットさん」
エディットに褒められたサチは嬉しそうに頬を赤く染めている。
恐らく今のサチは憧れのドレスを着られた喜びと、ヒロインのドレス姿に感動して内心興奮しまくっていることだろう。
「エディットもそのドレス姿、とても綺麗だ。うん、アドルフとお似合いだよ」
セドリックはエディットと僕を交互に見ながら頷く。そんな光景が未だに僕には信じられなかった。
何故なら原作の世界ではこんなシーンは登場しないからだ。
エディットは1人でパーティーに参加したものの、パートナーがいない状況を女子学生たちに馬鹿にされてしまう。
しかも肝心のアドルフは別の女子学生と親し気にダンスを踊っている。その姿を目にしてしまったエディットは学院の園庭に逃げこみ、夜空を見上げながら泣いていた。
そこへ偶然現れた転校したてのセドリックと出会い、2人はそこでダンスを踊り……恋が芽生えるのだ。
それなのに、実際はどうだろう?
エディットが笑顔で2人と会話をしている姿を、僕は不思議な気持ちで見つめながら思った。
早く、エディットに自分の気持ちを告げたいと――。
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