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1-5 過去の記憶 <デスループ 1回目>
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「さて・・・どんな書き出しから始めようかしら・・。」
少し考えたあと、ページを広げて万年筆を握り締めると日記帳に書き始めた―。
<デスループ 1回目>
毒殺
そう、この時はお茶会の席でいきなりだった。あの日の事は今でもはっきり覚えている。正式に私が婚約者に決定後・・最後まで試験に残った令嬢たちにお茶会に呼ばれた時の死だった―。
「さあさあ。シルビア様、今日の主役は貴女なのですからこの席に座って下さい。」
ガーデンテラスで開催されたお茶会で、私はこの日初めて招かれ、最有力候補と言われていた侯爵令嬢のイメルダに上座に座らされた。
「あ、ありがとう・・。」
恐縮しながら礼を述べた。
「あら、いいのよ?何といっても貴女がアンリ様の婚約者に選ばれたのですから。」
同じく侯爵令嬢のマグダレナが言う。
「本当に羨ましいわ~・・でもやっぱりこの試験は身分はあまり関係なかったのね?」
ロシータが嫌味を込めた目で私を見た。彼女もやはり侯爵令嬢なのだ。
彼女たちが自分たちよりも身分の低い伯爵令嬢である私が王子の婚約者として選ばれたのが気に食わずに呼びつけたのは目に見えていた。
本来であれば、私は王子の婚約者に決定したのだから彼女たちのお茶会を断っても良かったのかもしれないが・・やはり伯爵令嬢の私としては彼女たちの半ば強制的な誘いを断ることが出来なかったのだ。
「あの・・・ところで・・・・。」
私はさきほどからこのテラスにいるある人物が気になって仕方がなく、ついに本人に尋ねた。
「ユベール・マルタン様・・。何故アンリ様の護衛騎士の貴方がこちらにいらっしゃるのでしょうか?」
すると彼は不機嫌そうな態度を隠しもせずに言った。
「仕方がないだろう?俺だって本当はこんなところにいたくない。ただ王子の命令だからだ。お前が婚約者に決定したから正式な護衛騎士を見つけるまでは俺がお前の護衛騎士になるように王子に言われたから仕方なく、だ。」
彼は騎士であるながら侯爵身分を持つので、当然の如く横柄な口を聞く。
「まあ・・本当にユベール様は相変わらず冷たい口を聞くのね?だから『氷の騎士』何て世間で呼ばれるのじゃありませんか?」
クスクス笑いながらロシータが言う。
「あら、でもそんな事ありませんわ。ほら。アンリ様とユベール様の幼馴染のジュリエッタ様には優しい笑顔を見せているじゃありませんか?もちろんアンリ様もですけどね?」
マグダレナの言葉に他の2人の令嬢も嫌味な笑顔で私を見る。
「あ・・・。」
ジュリエッタ様・・・。彼女はこの王宮に住むアンリ様の遠縁の女性で、男爵家の令嬢である。噂によると、アンリ王子とジュリエッタは恋仲だが、ジュリエッタの身分が低すぎることと・・・血縁関係があるという事で周囲から猛反対をされ、婚約者を選ぶための試験が開催されることになった・・とも言われていた。そしてユベールもまたジュリエッタに恋している・・・と噂されていたのである。
「まあ・・愛の無い結婚生活にはなるかもしれないけれど・・実家の名声が高まるのだから、名誉なことなのではありませんか?」
ロシータが決定的な言葉を言うが・・肝心のユベールは何も言わず、黙って立っているだけだった。その様子を眺めていたイメルダが口を開いた。
「さあ・・これは特別に仕入れた茶葉なんですよ。さっそく皆で飲みましょうよ。」
私を直接招いたイメルダが自らポットにお湯を注ぎ、目の前に置かれたティーカップにコポコポとお湯を注いだ。カップからは確かに良い香りがする。
「では、シルビア様からどうぞお飲みになって?」
「え、ええ・・・。」
イメルダに言われるまま、私はカップに口をつけ・・・。
コクン
一口飲んだ。その瞬間、すごく苦い味が喉を通っていく。
「どうかしら。お味は?」
イメルダが嬉しそうに尋ねてきた。
「え。ええ・・・少し苦みが・・・!」
次の瞬間・・・心臓が早鐘を打ち始め、喉が焼けきれるような痛みが襲ってきてた。
「ゴホッ!」
思わずむせた途端、口からどす黒い血があふれ出した。
「「「キャアアアアアッ!!!」」」
3人の令嬢が叫ぶ。
え・・・こ、これは一体・・・?その時、強い視線を感じ・・思わず目を動かした。
すると視線の主はユベールだった。
彼は何とも言えない目で私をじっと見つめていた。
ゴーン
ゴーン
ゴーン・・・・
どこからともなく鐘の音が聞こえ始めてきた・・・・。
ユ・・ユベール・・な、何故私をそんな目で・・?
心臓が張り裂けそうなくらい苦しいのに・・・彼はただ、黙って私を見つめている。
ドサリッ!
ついに私は床に倒れてしまった。
ゴーン
ゴーン
ゴーン・・・
次第に大ききくなっていく鐘の音を聞きながら・・私は1回目の死を迎えた―。
少し考えたあと、ページを広げて万年筆を握り締めると日記帳に書き始めた―。
<デスループ 1回目>
毒殺
そう、この時はお茶会の席でいきなりだった。あの日の事は今でもはっきり覚えている。正式に私が婚約者に決定後・・最後まで試験に残った令嬢たちにお茶会に呼ばれた時の死だった―。
「さあさあ。シルビア様、今日の主役は貴女なのですからこの席に座って下さい。」
ガーデンテラスで開催されたお茶会で、私はこの日初めて招かれ、最有力候補と言われていた侯爵令嬢のイメルダに上座に座らされた。
「あ、ありがとう・・。」
恐縮しながら礼を述べた。
「あら、いいのよ?何といっても貴女がアンリ様の婚約者に選ばれたのですから。」
同じく侯爵令嬢のマグダレナが言う。
「本当に羨ましいわ~・・でもやっぱりこの試験は身分はあまり関係なかったのね?」
ロシータが嫌味を込めた目で私を見た。彼女もやはり侯爵令嬢なのだ。
彼女たちが自分たちよりも身分の低い伯爵令嬢である私が王子の婚約者として選ばれたのが気に食わずに呼びつけたのは目に見えていた。
本来であれば、私は王子の婚約者に決定したのだから彼女たちのお茶会を断っても良かったのかもしれないが・・やはり伯爵令嬢の私としては彼女たちの半ば強制的な誘いを断ることが出来なかったのだ。
「あの・・・ところで・・・・。」
私はさきほどからこのテラスにいるある人物が気になって仕方がなく、ついに本人に尋ねた。
「ユベール・マルタン様・・。何故アンリ様の護衛騎士の貴方がこちらにいらっしゃるのでしょうか?」
すると彼は不機嫌そうな態度を隠しもせずに言った。
「仕方がないだろう?俺だって本当はこんなところにいたくない。ただ王子の命令だからだ。お前が婚約者に決定したから正式な護衛騎士を見つけるまでは俺がお前の護衛騎士になるように王子に言われたから仕方なく、だ。」
彼は騎士であるながら侯爵身分を持つので、当然の如く横柄な口を聞く。
「まあ・・本当にユベール様は相変わらず冷たい口を聞くのね?だから『氷の騎士』何て世間で呼ばれるのじゃありませんか?」
クスクス笑いながらロシータが言う。
「あら、でもそんな事ありませんわ。ほら。アンリ様とユベール様の幼馴染のジュリエッタ様には優しい笑顔を見せているじゃありませんか?もちろんアンリ様もですけどね?」
マグダレナの言葉に他の2人の令嬢も嫌味な笑顔で私を見る。
「あ・・・。」
ジュリエッタ様・・・。彼女はこの王宮に住むアンリ様の遠縁の女性で、男爵家の令嬢である。噂によると、アンリ王子とジュリエッタは恋仲だが、ジュリエッタの身分が低すぎることと・・・血縁関係があるという事で周囲から猛反対をされ、婚約者を選ぶための試験が開催されることになった・・とも言われていた。そしてユベールもまたジュリエッタに恋している・・・と噂されていたのである。
「まあ・・愛の無い結婚生活にはなるかもしれないけれど・・実家の名声が高まるのだから、名誉なことなのではありませんか?」
ロシータが決定的な言葉を言うが・・肝心のユベールは何も言わず、黙って立っているだけだった。その様子を眺めていたイメルダが口を開いた。
「さあ・・これは特別に仕入れた茶葉なんですよ。さっそく皆で飲みましょうよ。」
私を直接招いたイメルダが自らポットにお湯を注ぎ、目の前に置かれたティーカップにコポコポとお湯を注いだ。カップからは確かに良い香りがする。
「では、シルビア様からどうぞお飲みになって?」
「え、ええ・・・。」
イメルダに言われるまま、私はカップに口をつけ・・・。
コクン
一口飲んだ。その瞬間、すごく苦い味が喉を通っていく。
「どうかしら。お味は?」
イメルダが嬉しそうに尋ねてきた。
「え。ええ・・・少し苦みが・・・!」
次の瞬間・・・心臓が早鐘を打ち始め、喉が焼けきれるような痛みが襲ってきてた。
「ゴホッ!」
思わずむせた途端、口からどす黒い血があふれ出した。
「「「キャアアアアアッ!!!」」」
3人の令嬢が叫ぶ。
え・・・こ、これは一体・・・?その時、強い視線を感じ・・思わず目を動かした。
すると視線の主はユベールだった。
彼は何とも言えない目で私をじっと見つめていた。
ゴーン
ゴーン
ゴーン・・・・
どこからともなく鐘の音が聞こえ始めてきた・・・・。
ユ・・ユベール・・な、何故私をそんな目で・・?
心臓が張り裂けそうなくらい苦しいのに・・・彼はただ、黙って私を見つめている。
ドサリッ!
ついに私は床に倒れてしまった。
ゴーン
ゴーン
ゴーン・・・
次第に大ききくなっていく鐘の音を聞きながら・・私は1回目の死を迎えた―。
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