命がけの恋~13回目のデスループを回避する為、婚約者の『護衛騎士』を攻略する

結城芙由奈@コミカライズ連載中

文字の大きさ
15 / 107

1-14 コーネリアの浅知恵

しおりを挟む
「そうか・・お前がこの令嬢を引き留めて話をしていたのか?」

ユベールは冷たい瞳で私を睨み付けながら言う。
そ、そんな・・。コーネリアが私の事を呼び止めたのに・・。私はコーネリアをチラリと見て、背筋が凍りそうになった。そこに立っていた彼女は恐ろしい瞳で私を睨み付けていたからだ。まるでその眼は余計な事を言えばただではすまないと脅迫しているかの様に見えてしまった。

「は・・・はい・・。わ、私が・・彼女を引き留めました・・。も、申し訳・・ございませんでした・・」

コーネリアがどれ程このテストに命がけは良く知っている。ここで下手に言い返して、余計な恨みを買いたくはなかった。ただでさえ、私の死の要因が何所から繋がっているのか分からないのだ。だったら・・ここでユベールに怒られた方がましだ。
するとユベールは私を睨み付けると言った。

「いいか?お前は何も理解できていないようだから、この際もう一度説明してやる。お前たちは全員アンリ王子の婚約者候補としてこの城に集められたのだ。つまり全員がライバルだ。王子は次期国王になられる方だ。そして王子の婚約者に選ばれると言う事は・・この国の国母になると言う事なのだ。変に仲間意識が芽生えて、慣れ合いの仲になって互いに遠慮しあって、手を抜かれてテストを受けられたら困るのだ。仮にもそんな人間が婚約者に選ばれれば、我が国に重大な不利益をもたらす羽目になりかねない。第一・・・。」

ユベールはこれでもかと言う位クドクドと言う。するとコーネリアが痺れを切らしたのか、まだユベールの会話の途中に口を挟んできた。

「お待ち下さい、騎士様。彼女はもう十分に反省しております。どうかこの辺で・・見逃して頂けないでしょうか?この私が彼女に変わって謝罪致しますので。」

コーネリアは自分の点を稼ぐ為なのか、はたまたいい加減にユベールの説教から逃げ出したかったのかは不明だが、ユベールの言葉を遮ると言った。

「お前は・・・誰だ?」

ユベールはコーネリアを値踏みするように頭のてっぺんから足のつま先までを見渡した。

「はい、私はコーネリア・バスクと申します。」

「バスク・・?バスクと言ったか?」

「はい、そうです。私の家の家紋を御存じなのですか?」

「ああ、確かお前は特別枠で招待された令嬢だったからな。確か爵位は・・伯爵家だったか?」

ユベールは腕組みしながら言う。

「はい、そうです。私の事を御存じだなんて光栄ですわ」

コーネリアは嬉しそうに言うが、次のユベールの言葉に青ざめる事になる。

「そうか・・お前は伯爵家の身分でありながら侯爵家である俺の言葉を遮って、話をやめさせようとしたのだな?」

「い、いえ!け、決してそういうつもりでは・・」

「それに・・俺が何も知らないとでも思っているのか?」

「え・・?」

コーネリアが怪訝そうに首を傾げる。

「俺は見ていたんだぞ?お前が・・・そこのシルビアを大きな声で呼んで追いかけていく姿をな。」

「!」

コーネリアの肩がビクリとした。でも確かにあれ程の大きな声で私を呼んで駆けつければ・・目立つのは当たり前だ。

「それなのに・・お前はシルビアのせいにしたな?」

ユベールは冷たい声でコーネリアに言う。

「あ・・・そ、それは・・。」

もはやコーネリアの顔は顔面蒼白になっていた。

「お前は・・そうやって自分が優位に立つためには・・平気で人を陥れるような人間だと言う事だな?よく分った・・。」

「・・・。」

コーネリアは身体をガタガタ震わせたまま、何も答えられずにいた。そんなコーネリアにユベールはイラついた声で言った。

「早く部屋へ戻れ・・お前の顔を見ていると苛立ってくる。」

「!」

その言葉を聞いたコーネリアの目に見る見る内に涙がたまり・・・彼女は半分泣きながら踵を返すと、走り去って行った。
そんなコーネリアの後姿を見ながらユベールは私を振り向いた。

「行くぞ。」

「え・・?い、行くって・・・どこへでしょうか・・?」

「後で迎えをよこすと言っただろう?」

「あ・・。」

そうだ、言われてみればそうだった。しかしユベールは私が返事をする前に先に前に立って歩き出し始めた。

「あ、あの・・・一体どちらへ?!」

するとユベールは振り向きもせずに言った。

「アンリ王子が・・お前を待っている。」

「!」

王子が私に・・・?
そんな・・・今までのループで初日からアンリ王子に呼び出されたことなど無かったのに・・・?!


私は・・・早くも13回目のデスループに巻き込まれてしまったのだろうか―?

しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

【完結】うちの大公妃は肥満専攻です!

ariya
恋愛
ルドヴィカは一度目の人生を虚しく終える時に神に願った。  神様、私を憐れむならどうか次の生は大事な方を守れるだけの知識と力を与えてください。 そして彼女は二度目の人生を現代日本で過ごす。 内科医として充実な人生を送っていたが、不慮の事故によりあえなく命を落とす。 そして目覚めた時は一度目の生の起点となった婚約破棄の場であった。 ------------------------------------ ※突然イメージ画像が挿絵で出ることがあります。 ※ストーリー内に出しているのはなんちゃって医学です。軽く調べて、脚色を加えているので現実と異なります。調べたい方、気になる方は該当学会HPなどで調べることをおすすめします。 ※※小説家になろう、カクヨムにも掲載しています

婚約破棄される前に、帰らせていただきます!

パリパリかぷちーの
恋愛
ある日、マリス王国の侯爵令嬢クロナは、王子が男爵令嬢リリィと密会し、自分を「可愛げのない女」と罵り、卒業パーティーで「婚約破棄」を言い渡そうと画策している現場を目撃してしまう。 普通なら嘆き悲しむ場面だが、クロナの反応は違った。

【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない

くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、 軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。 言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。 ――そして初めて、夫は気づく。 自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。 一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、 「必要とされる存在」として歩き始めていた。 去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。 これは、失ってから愛に気づいた男と、 二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。 ――今さら、遅いのです。

断罪の準備は完璧です!国外追放が楽しみすぎてボロが出る

黒猫かの
恋愛
「ミモリ・フォン・ラングレイ! 貴様との婚約を破棄し、国外追放に処す!」 パルマ王国の卒業パーティー。第一王子アリオスから突きつけられた非情な断罪に、公爵令嬢ミモリは……内心でガッツポーズを決めていた。 (ついにきたわ! これで堅苦しい王妃教育も、無能な婚約者の世話も、全部おさらばですわ!)

結婚前夜に婚約破棄されたけど、おかげでポイントがたまって溺愛されて最高に幸せです❤

凪子
恋愛
私はローラ・クイーンズ、16歳。前世は喪女、現世はクイーンズ公爵家の公爵令嬢です。 幼いころからの婚約者・アレックス様との結婚間近……だったのだけど、従妹のアンナにあの手この手で奪われてしまい、婚約破棄になってしまいました。 でも、大丈夫。私には秘密の『ポイント帳』があるのです! ポイントがたまると、『いいこと』がたくさん起こって……?

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~

夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」  弟のその言葉は、晴天の霹靂。  アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。  しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。  醤油が欲しい、うにが食べたい。  レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。  既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・? 小説家になろうにも掲載しています。

処理中です...