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2章22 リオンのお願い
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「ごめん! ユニスッ!」
馬車に乗った途端、リオンが謝ってきた。
「リオン? どうしたの? 突然」
「うん。ロザリンのことで謝りたくて」
「え? ロザリンのことって……」
もしかして、今日ロザリンが私に試験でカンニングをしたと言いがかりをつけてきたことを代りに謝ってくれるのだろうか?
その気持が嬉しく思った次の瞬間……。
「誕生会のことだけど、試験でロザリンがユニスよりも点数が低かったら、クラスメイト達は参加しないってことになっていたよね」
「ええ、そうだったわね」
「その話……無かったことにしてもらえないかな……?」
「え……?」
あまりのことに一瞬、何を言われているのか分からなかった。
「実は、ユニスがロザリンよりも良い点数が取れるとは思っていなかったんだ……だから、両親に今度の誕生会にはクラスメイト全員を招いたことを話してしまったんだ。両親はすっかりその気になっている。今更、取り消すことが出来ないんだよ」
リオンは必死になって弁明する。
そんな……!
この日は、リオンの魔力暴走が起こって大火災になる。未だに食い止める方法は見つかっていない。だからせめて、被害を最小限に食い止めるために誕生パーティー参加を遠慮してもらおうと思っていたのに?
「リオンは……私が、ロザリンよりも良い点数を取れるって信じていなかったの?」
悲しい気持ちで尋ねると、コクリと頷く。
「だって、ユニスはいつも50位以内に入ったことが無いよね? クラスだって一般クラスだし……それでロザリンよりも良い点数を取れるなんて信じられなかったんだよ」
「だけど、ロザリンよりも良い成績を取ったでしょう? それにリオン、あなたよりも」
「そうだよ……試験結果は本当に驚いたよ。まさか1位を取るなんて思わなかった」
伏し目がちに話すリオン。
「それじゃ、約束を破るってことなの?」
まさかその上、私に参加しないで欲しいでと言ってくるのだろうか?
「だけど、ユニスのことはちゃんと招待するよ? それだけじゃない、クラスメイトたちを誕生パーティーに呼んだって、僕はユニスをのけ者になんかしない。信じてよ」
「リオン……」
あの時のリオンは私がそんな理由でクラスメイトたちを招くのを拒否しているとは信じていなかった。
なのに今のリオンは、私がのけ者にされることを恐れていると思っているのだ。
「約束を破るような真似をしてごめん。ユニス」
リオンは再び項垂れた。
おじ様とおば様はリオンのクラスメイト達が集まることを待っているのかもしれない。だとしたら、2人をがっかりさせるわけには……。
「……分かったわ」
「え? それじゃ……」
「そうよね、元々はリオンの誕生パーティーなのだから。誰を招こうがリオンの自由、私が口を挟んでいいことじゃ無かったものね。私の方こそごめんなさい」
リオンに笑いかける。私は……今、うまく笑えているだろうか?
「あぁ、良かった! ユニスなら、きっとそう言ってくれると思ったよ。本当にありがとう!」
リオンが安堵したかのように胸をなでおろす。でも、私は内心こうなるのではないかと予想はしていた。
だったら、私も……!
「ねぇ、リオン。私は今、リオンのお願いを聞いたでしょう? だったら、私のお願いも聞いてくれる?」
私はじっとリオンの目を見つめた――
馬車に乗った途端、リオンが謝ってきた。
「リオン? どうしたの? 突然」
「うん。ロザリンのことで謝りたくて」
「え? ロザリンのことって……」
もしかして、今日ロザリンが私に試験でカンニングをしたと言いがかりをつけてきたことを代りに謝ってくれるのだろうか?
その気持が嬉しく思った次の瞬間……。
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「ええ、そうだったわね」
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「実は、ユニスがロザリンよりも良い点数が取れるとは思っていなかったんだ……だから、両親に今度の誕生会にはクラスメイト全員を招いたことを話してしまったんだ。両親はすっかりその気になっている。今更、取り消すことが出来ないんだよ」
リオンは必死になって弁明する。
そんな……!
この日は、リオンの魔力暴走が起こって大火災になる。未だに食い止める方法は見つかっていない。だからせめて、被害を最小限に食い止めるために誕生パーティー参加を遠慮してもらおうと思っていたのに?
「リオンは……私が、ロザリンよりも良い点数を取れるって信じていなかったの?」
悲しい気持ちで尋ねると、コクリと頷く。
「だって、ユニスはいつも50位以内に入ったことが無いよね? クラスだって一般クラスだし……それでロザリンよりも良い点数を取れるなんて信じられなかったんだよ」
「だけど、ロザリンよりも良い成績を取ったでしょう? それにリオン、あなたよりも」
「そうだよ……試験結果は本当に驚いたよ。まさか1位を取るなんて思わなかった」
伏し目がちに話すリオン。
「それじゃ、約束を破るってことなの?」
まさかその上、私に参加しないで欲しいでと言ってくるのだろうか?
「だけど、ユニスのことはちゃんと招待するよ? それだけじゃない、クラスメイトたちを誕生パーティーに呼んだって、僕はユニスをのけ者になんかしない。信じてよ」
「リオン……」
あの時のリオンは私がそんな理由でクラスメイトたちを招くのを拒否しているとは信じていなかった。
なのに今のリオンは、私がのけ者にされることを恐れていると思っているのだ。
「約束を破るような真似をしてごめん。ユニス」
リオンは再び項垂れた。
おじ様とおば様はリオンのクラスメイト達が集まることを待っているのかもしれない。だとしたら、2人をがっかりさせるわけには……。
「……分かったわ」
「え? それじゃ……」
「そうよね、元々はリオンの誕生パーティーなのだから。誰を招こうがリオンの自由、私が口を挟んでいいことじゃ無かったものね。私の方こそごめんなさい」
リオンに笑いかける。私は……今、うまく笑えているだろうか?
「あぁ、良かった! ユニスなら、きっとそう言ってくれると思ったよ。本当にありがとう!」
リオンが安堵したかのように胸をなでおろす。でも、私は内心こうなるのではないかと予想はしていた。
だったら、私も……!
「ねぇ、リオン。私は今、リオンのお願いを聞いたでしょう? だったら、私のお願いも聞いてくれる?」
私はじっとリオンの目を見つめた――
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