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第24話 怯える取り巻き達
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2人で昼食を食べ終えた頃―
「見て、アンジェラ。パメラ達から人だかりが消えたわ」
「本当?」
私からはパメラの席は後ろにあるから姿が見えない。振り向くと確かに人だかりは消え、今は取り巻き達との4人でテーブルに着いている。
「それじゃ行くわ。ペリーヌ。貴女はどうする?」
「勿論、行くに決まってるでしょう?」
そして私達は互いに頷き合うと、席を立ってパメラ達のテーブル席へ向かった。
****
こちらを向いて座っていた取り巻きの内の一人の女子生徒が私とペリーヌの姿に気付き、顔色を変えた。…その態度だけで彼女達が私のペン立てを盗んだのは一目瞭然だった。そして慌てた様に向かい側に座っているパメラに声を掛ける。
「ね、ねぇ!パメラッ!」
「何よ、うるさいわね。グレタ」
パメラが鬱陶しそうに返事をしているのが聞こえた。
「そうじゃなくて、後ろ!後ろを見てよっ!」
「後ろ?」
グレタと呼ばれた女子生徒の言葉にようやくパメラはこちらを振り向き、私とペリーヌの姿を見ると顔を青ざめさせた。取り巻きの2人の女子生徒達は怯えた様子で目を伏せている。
「こんにちは、パメラ」
「な、な、何よ…私に何の用なの?」
パメラはビクビクした様子でさっと両手を後ろに隠した。それを見たペリーヌがすかさず言う。
「あらパメラ。今何を隠したのかしら?」
「か、関係ないでしょうっ!一体何しに私の処へ来たのよっ!」
パメラは鋭い視線を向けて来る。
「そんな事貴女が言えるの?今朝私のいるクラスへやって来て、呼び出したくせに?しかも私を脅迫して教室から遠ざけてわざわざ中庭まで連れ出したじゃない。挙句に変な言いがかりをつけて私を悪女呼ばわりしてくれたわよね?」
「…」
パメラも取り巻き達も口を堅く閉ざしている。
「実は教室へ戻ったら近くに座っていた男子学生が教えてくれたのよ。別のクラスの女子が私の机の側に来ていたって」
言いながら3人の取り巻き女生徒達をぐるりと見渡す。彼女達は肩を小刻みに震わせている。私のカバンを勝手に漁ってペン立てを盗んだのはこの3人の内の誰かに違いない。
「あら?あなた達…何だか随分顔色が悪いわねぇ?どうしたのかしら?」
ペリーヌが腕組みしながら3人の女子生徒達を順番に見た。
「「「…」」」
しかし彼女達は口を固く閉ざしている。それはそうだろう。いくらパメラからの命令とはいえ、平民の身分でありながら子爵家の令嬢である私のカバンから物を盗んでいったのだから。
「ねぇ、私は色々忙しいのよ?早く後ろに隠している物が何なのか見せてくれないかしら?」
私はパメラに右手の平を上に向けて突き出した。
「し、知らないわよっ!何の事かしら?」
パメラは首をブンブン振って後ろ手に隠した物を見せようとしない。
仕方ない…この手は使いたくなかったがやむを得ない。しかもおあつらえ向きに今はあのニコラスがいないのだから。
「そう言えばニコラス様は今日はどうしたのかしら?一緒じゃないようね?」
するとビクリとパメラが反応する。
「し、知らないわよっ!学校を学校を休んでいるんじゃないの?!だ、大体私が今朝ニコラスの屋敷から使用人に追い払われた話はしたわよね?」
「なら学校の帰りにニコラス様の屋敷へよって具合を尋ねて来ようかしら?ついでに伯爵にお会いして貴女の事を…」
するとパメラの顔色が変わった。
「わ、分ったわよ!み、見せるわよ!でも見せるだけよ?これは私の物なんだからすぐに返して貰うからねっ!」
パメラは言うと、後ろに隠していた物を差し出して来た。
それはやはり間違いなく私の作ったペン立てだった。
「これは…」
私が言いかけるとパメラが素早く口を開いた。
「どう?素敵でしょう?お店で見かけて可愛らしいから買って来たのよ」
あろう事かパメラは悪びれる様子も無く、堂々と私の前で嘘を言った―。
「見て、アンジェラ。パメラ達から人だかりが消えたわ」
「本当?」
私からはパメラの席は後ろにあるから姿が見えない。振り向くと確かに人だかりは消え、今は取り巻き達との4人でテーブルに着いている。
「それじゃ行くわ。ペリーヌ。貴女はどうする?」
「勿論、行くに決まってるでしょう?」
そして私達は互いに頷き合うと、席を立ってパメラ達のテーブル席へ向かった。
****
こちらを向いて座っていた取り巻きの内の一人の女子生徒が私とペリーヌの姿に気付き、顔色を変えた。…その態度だけで彼女達が私のペン立てを盗んだのは一目瞭然だった。そして慌てた様に向かい側に座っているパメラに声を掛ける。
「ね、ねぇ!パメラッ!」
「何よ、うるさいわね。グレタ」
パメラが鬱陶しそうに返事をしているのが聞こえた。
「そうじゃなくて、後ろ!後ろを見てよっ!」
「後ろ?」
グレタと呼ばれた女子生徒の言葉にようやくパメラはこちらを振り向き、私とペリーヌの姿を見ると顔を青ざめさせた。取り巻きの2人の女子生徒達は怯えた様子で目を伏せている。
「こんにちは、パメラ」
「な、な、何よ…私に何の用なの?」
パメラはビクビクした様子でさっと両手を後ろに隠した。それを見たペリーヌがすかさず言う。
「あらパメラ。今何を隠したのかしら?」
「か、関係ないでしょうっ!一体何しに私の処へ来たのよっ!」
パメラは鋭い視線を向けて来る。
「そんな事貴女が言えるの?今朝私のいるクラスへやって来て、呼び出したくせに?しかも私を脅迫して教室から遠ざけてわざわざ中庭まで連れ出したじゃない。挙句に変な言いがかりをつけて私を悪女呼ばわりしてくれたわよね?」
「…」
パメラも取り巻き達も口を堅く閉ざしている。
「実は教室へ戻ったら近くに座っていた男子学生が教えてくれたのよ。別のクラスの女子が私の机の側に来ていたって」
言いながら3人の取り巻き女生徒達をぐるりと見渡す。彼女達は肩を小刻みに震わせている。私のカバンを勝手に漁ってペン立てを盗んだのはこの3人の内の誰かに違いない。
「あら?あなた達…何だか随分顔色が悪いわねぇ?どうしたのかしら?」
ペリーヌが腕組みしながら3人の女子生徒達を順番に見た。
「「「…」」」
しかし彼女達は口を固く閉ざしている。それはそうだろう。いくらパメラからの命令とはいえ、平民の身分でありながら子爵家の令嬢である私のカバンから物を盗んでいったのだから。
「ねぇ、私は色々忙しいのよ?早く後ろに隠している物が何なのか見せてくれないかしら?」
私はパメラに右手の平を上に向けて突き出した。
「し、知らないわよっ!何の事かしら?」
パメラは首をブンブン振って後ろ手に隠した物を見せようとしない。
仕方ない…この手は使いたくなかったがやむを得ない。しかもおあつらえ向きに今はあのニコラスがいないのだから。
「そう言えばニコラス様は今日はどうしたのかしら?一緒じゃないようね?」
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「これは…」
私が言いかけるとパメラが素早く口を開いた。
「どう?素敵でしょう?お店で見かけて可愛らしいから買って来たのよ」
あろう事かパメラは悪びれる様子も無く、堂々と私の前で嘘を言った―。
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