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第28話 彼女を罰して下さい
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「パメラを潰すのに何か良い考えが浮かんだのね?」
ペリーヌが身を乗り出してきた。
「ええ、とにかく今までの私はパメラに様々な嫌がらせや濡れ衣を着せられていたけど、馬鹿らしいし時間の無駄だと思って相手にしてこなかったわ。でもそれがパメラを増長させてしまったのね。その辺りは反省しているわ。ああいう人間は放置してはいけなかったのね」
そして次にシビルを見た。
「貴女が止むに止まれずパメラの言う事を聞かなければならなかった事情も分ったしね」
「は、はい…」
シビルはコクリと頷く。
「貴女も、貴女の友人達も皆、パメラの支配から逃れたいと思っているのでしょう?」
「も、勿論ですっ!今回の事で本当に嫌気がさしました!私…アンジェラさんの持ち物を盗むのは嫌だって何度も断ったんですよ?それなのにパメラは言う事を聞かなければお父さんをクビにするって…ほ、本当に申し訳ありません!」
シビルはテーブルに頭がつくのでは無いかと思われる位に下げて来た。その身体はまるで生まれたての子犬の様に小刻みに震えている。…そんな姿を見ていると、何故か自分が本当に悪女になってしまったかのような錯覚をおこしてしまう。
「ちょっと、顔上げなさいよ。まるで私たちが貴女をいじめているみたいじゃないの」
ペリーヌが慌てたように言う。
「ええ、そうよ。顔をあげてくれるかしら?」
私の言葉にようやくシビルが顔を上げた。その顔は酷く青ざめている。
「本当なら、貴女をここで開放してあげるのが一番だけど…それでは駄目ね。パメラへの見せしめの為には気の毒だけど罰を受けて貰わないといけないわ。私を怒らせたらただでは済まないと思わせなければ、また同じことを繰り返すに決まっているもの」
「ええっ?!そ、そんなっ!」
シビルが悲痛な声を上げる。
「落ち着きなさい。悪いようにはしないから。だって貴女はパメラの命令に逆らえなくて仕方なしに盗みを働いたのでしょう?」
「は、はい…そ、そうです…」
「とにかく私の言う通りにしてくれればシビルの事も、他の2人の事も助けてあげる。本当にこのままパメラの側にいたら…今に取り返しのつかないことになってしまうかもしれないわよ?」
「わ、分りました。言う通りに…します…」
シビルはコクリと頷く。
「うん、それでいいわ」
するとペリーヌが口を開いた。
「それで?アンジェラ。これからどうするの?」
「勿論、職員室に行くに決まっているじゃないの」
「「えっ?!」」
ペリーヌとシビルが同時に声を上げた―。
****
「それで、一体何があったというのですか?」
生徒指導室でこの学園の生徒指導任されている若手の女性教諭が向かい側の長椅子に座る私とシビルに質問してきた。
「はい、実は今回私はここにいる彼女に私の持ち物を盗まれたので報告に伺いました」
「何ですって?盗まれた?その話は本当なの?」
女性教諭はシビルを見る。
「は、はい…で、ですがもうお返ししました…」
シビルはビクビクしながら答える。
「でも良く彼女が犯人だと分ったわね?」
「はい。何故分ったかと言うと同じクラスの男子生徒が私が席を外している時に彼女が私の机に近付いて何かしていたそうです。教室に戻った時に教えて貰いました。それで不安に思い、カバンの中を確認したところ私物が無くなっいたのです。その後、学食で彼女の友人が私の私物を他の女子学生達に見せている姿を目撃しました。そこで問い詰めたところ、ここにいる彼女が私のカバンから盗んだ事が分り、返してもらいました」
「何て事…。この学園で盗みを働くなんて…っ」
女性教諭の声が厳しくなり、シビルに視線を送る。
「!」
シビルがビクリと肩を震わせて俯く。
「先生、聞いてください。確かに盗んだのは彼女ですが、別の人物から脅迫を受けていて、命令されてやむを得ず盗んだそうなのです」
「その話は事実なの?」
「はい、事実です。けれどそれを証明する証拠はありません」
私の言葉に女性教諭は溜息をついた。
「証拠が無いのでは、どうしようもないわね…。でもこの事を伝えに来たと言う事は、何か理由があっての事でしょう?」
「はい、そうです」
私は頷くとシビルを見た。
「ここにいる彼女…盗みを働いたシビルを罰して下さい」
「えっ?!」
生徒指導員の女性教諭は驚いた顔で私を見つめた―。
ペリーヌが身を乗り出してきた。
「ええ、とにかく今までの私はパメラに様々な嫌がらせや濡れ衣を着せられていたけど、馬鹿らしいし時間の無駄だと思って相手にしてこなかったわ。でもそれがパメラを増長させてしまったのね。その辺りは反省しているわ。ああいう人間は放置してはいけなかったのね」
そして次にシビルを見た。
「貴女が止むに止まれずパメラの言う事を聞かなければならなかった事情も分ったしね」
「は、はい…」
シビルはコクリと頷く。
「貴女も、貴女の友人達も皆、パメラの支配から逃れたいと思っているのでしょう?」
「も、勿論ですっ!今回の事で本当に嫌気がさしました!私…アンジェラさんの持ち物を盗むのは嫌だって何度も断ったんですよ?それなのにパメラは言う事を聞かなければお父さんをクビにするって…ほ、本当に申し訳ありません!」
シビルはテーブルに頭がつくのでは無いかと思われる位に下げて来た。その身体はまるで生まれたての子犬の様に小刻みに震えている。…そんな姿を見ていると、何故か自分が本当に悪女になってしまったかのような錯覚をおこしてしまう。
「ちょっと、顔上げなさいよ。まるで私たちが貴女をいじめているみたいじゃないの」
ペリーヌが慌てたように言う。
「ええ、そうよ。顔をあげてくれるかしら?」
私の言葉にようやくシビルが顔を上げた。その顔は酷く青ざめている。
「本当なら、貴女をここで開放してあげるのが一番だけど…それでは駄目ね。パメラへの見せしめの為には気の毒だけど罰を受けて貰わないといけないわ。私を怒らせたらただでは済まないと思わせなければ、また同じことを繰り返すに決まっているもの」
「ええっ?!そ、そんなっ!」
シビルが悲痛な声を上げる。
「落ち着きなさい。悪いようにはしないから。だって貴女はパメラの命令に逆らえなくて仕方なしに盗みを働いたのでしょう?」
「は、はい…そ、そうです…」
「とにかく私の言う通りにしてくれればシビルの事も、他の2人の事も助けてあげる。本当にこのままパメラの側にいたら…今に取り返しのつかないことになってしまうかもしれないわよ?」
「わ、分りました。言う通りに…します…」
シビルはコクリと頷く。
「うん、それでいいわ」
するとペリーヌが口を開いた。
「それで?アンジェラ。これからどうするの?」
「勿論、職員室に行くに決まっているじゃないの」
「「えっ?!」」
ペリーヌとシビルが同時に声を上げた―。
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「それで、一体何があったというのですか?」
生徒指導室でこの学園の生徒指導任されている若手の女性教諭が向かい側の長椅子に座る私とシビルに質問してきた。
「はい、実は今回私はここにいる彼女に私の持ち物を盗まれたので報告に伺いました」
「何ですって?盗まれた?その話は本当なの?」
女性教諭はシビルを見る。
「は、はい…で、ですがもうお返ししました…」
シビルはビクビクしながら答える。
「でも良く彼女が犯人だと分ったわね?」
「はい。何故分ったかと言うと同じクラスの男子生徒が私が席を外している時に彼女が私の机に近付いて何かしていたそうです。教室に戻った時に教えて貰いました。それで不安に思い、カバンの中を確認したところ私物が無くなっいたのです。その後、学食で彼女の友人が私の私物を他の女子学生達に見せている姿を目撃しました。そこで問い詰めたところ、ここにいる彼女が私のカバンから盗んだ事が分り、返してもらいました」
「何て事…。この学園で盗みを働くなんて…っ」
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「!」
シビルがビクリと肩を震わせて俯く。
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「はい、事実です。けれどそれを証明する証拠はありません」
私の言葉に女性教諭は溜息をついた。
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「はい、そうです」
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