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第102話 仕込みは万全
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翌朝―
2つのエコバッグ一杯に布小物雑貨を詰めこんで馬車の前に現れた私を見たジムさんが驚いた様子で尋ねてきた。
「アンジェラ様…もしやその袋の中に入っているのは…?」
「ええ、私の手作りの布小物雑貨よ。1つは学校に持って行くけど、このエコバッグは馬車の中に置いておいてくれる?こちらはお店用の品だから」
「はい、それで本日は何時にお迎えに伺えば宜しいでしょうか?」
「ええ、今日は午後3時半に来てくれるかしら?」
「はい承知致しました」
そして馬車は私を乗せて走り出した―。
****
布小物雑貨が詰め込まれた大きなエコバッグを肩から下げて校舎に向かって歩いていると、背後から声を掛けられた。
「おはよう、アンジェラ」
振り向くと笑顔のペリーヌが立っている。
「ええ、おはよう。ペリーヌ」
ペリーヌと私は並んで歩きはじめると、早速ペリーヌが口を開いた。
「アンジェラ、今日は覗き見している人がいなかったわ。安心して?」
「本当?良かったわ」
その話を聞いて少しは安心出来た。実は今日は万一の事を考え、ミルバを含めて他に4人のメイドとフットマンに店で待機してもらうように頼んであるのだ。
すると不意にペリーヌが尋ねてきた。
「ねぇ、ひょっとしてそのバッグの中には手作りの商品が入っているんじゃないの?」
「ええ、そうよ、正解」
歩きながらエコバッグに手を入れ、小さなポーチを取り出すとペリーヌに手渡した。
「はい、これあげるわ」
「えっ?そ、そんな…悪いわ。だってしょっちゅう、貴女から貰ってばかりだもの」
ペリーヌは慌てたように首を振る。
「いいの。貰ってちょうだい。ほらこれ見て?」
ペリーヌにポーチに取り付けた布タブを見せた。
「あら?よく見るとイニシャルが刺繍されているわね?」
「ええ、そうよ。これは私の店のファーストネームと店の名前の頭文字を刺繍したものなの」
私の説明にペリーヌは頷く。
「成程ね…」
「実はね、私の作った作品には必ず何処かにこの2つの頭文字が刺繍されているのよ。これも全て、自分の作ったオリジナル作品てことを示す為にね」
「流石はアンジェラ。よく考えているわね」
「ええ、そうなの。それでね…私、今日クラスメイト達に、後2日で私のお店がオープンすることを伝えるつもりなのよ。それでこのポーチをプレゼントする為に持ってきたの。こういう商品を扱っていますって、皆に宣伝する為にね?」
「まぁ…そうだったの?でもどうして突然そんな考えになったの?」
「ええ、それはね…」
私の説明にペリーヌは目を見開いて驚いた―。
****
教室に到着すると、既に殆どの生徒たちが集まっていた。授業開始までは後15分ある。そこで、私はエコバッグから手作り布小物を取り出すし、自分の店の宣伝をしながら女子生徒には小さな化粧ポーチ、男子生徒には布製の帆布で作った小銭入れを手渡して回った。
彼等は皆、驚いた様子で…けれども大喜びで私の手作り布小物を受け取ってくれた。
そして必ず私のお店に買い物に行くと約束してくれたのだ。
ふふふ…ひとまず、学校での仕込みはOK。
次はお店の仕込みの番だ。
絶対に…パメラとニコラスに私の邪魔はさせないのだから―。
2つのエコバッグ一杯に布小物雑貨を詰めこんで馬車の前に現れた私を見たジムさんが驚いた様子で尋ねてきた。
「アンジェラ様…もしやその袋の中に入っているのは…?」
「ええ、私の手作りの布小物雑貨よ。1つは学校に持って行くけど、このエコバッグは馬車の中に置いておいてくれる?こちらはお店用の品だから」
「はい、それで本日は何時にお迎えに伺えば宜しいでしょうか?」
「ええ、今日は午後3時半に来てくれるかしら?」
「はい承知致しました」
そして馬車は私を乗せて走り出した―。
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布小物雑貨が詰め込まれた大きなエコバッグを肩から下げて校舎に向かって歩いていると、背後から声を掛けられた。
「おはよう、アンジェラ」
振り向くと笑顔のペリーヌが立っている。
「ええ、おはよう。ペリーヌ」
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「アンジェラ、今日は覗き見している人がいなかったわ。安心して?」
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すると不意にペリーヌが尋ねてきた。
「ねぇ、ひょっとしてそのバッグの中には手作りの商品が入っているんじゃないの?」
「ええ、そうよ、正解」
歩きながらエコバッグに手を入れ、小さなポーチを取り出すとペリーヌに手渡した。
「はい、これあげるわ」
「えっ?そ、そんな…悪いわ。だってしょっちゅう、貴女から貰ってばかりだもの」
ペリーヌは慌てたように首を振る。
「いいの。貰ってちょうだい。ほらこれ見て?」
ペリーヌにポーチに取り付けた布タブを見せた。
「あら?よく見るとイニシャルが刺繍されているわね?」
「ええ、そうよ。これは私の店のファーストネームと店の名前の頭文字を刺繍したものなの」
私の説明にペリーヌは頷く。
「成程ね…」
「実はね、私の作った作品には必ず何処かにこの2つの頭文字が刺繍されているのよ。これも全て、自分の作ったオリジナル作品てことを示す為にね」
「流石はアンジェラ。よく考えているわね」
「ええ、そうなの。それでね…私、今日クラスメイト達に、後2日で私のお店がオープンすることを伝えるつもりなのよ。それでこのポーチをプレゼントする為に持ってきたの。こういう商品を扱っていますって、皆に宣伝する為にね?」
「まぁ…そうだったの?でもどうして突然そんな考えになったの?」
「ええ、それはね…」
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