お言葉を返すようですが、私それ程暇人ではありませんので

結城芙由奈@コミカライズ連載中

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第112話 最終決戦?アンジェラVSパメラ 3

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「ね、何だか揉めているみたいよ?もっと近寄ってみましょう」

ペリーヌが笑みを浮かべながら言う。おまけに声は何処かウキウキしているようにも感じる。

「ペリーヌ…楽しんでいるでしょう?」

私の問いかけにペリーヌは頷く。

「ええ、勿論よ。そういうアンジェラこそ楽しそうよ?口元が笑っているもの」

「え?本当?」

どうりで先程から口角が上がっているような感覚がしていたはずだ。

「それじゃ、皆、行きましょうっ!」

勇ましいイレーヌの掛け声に私達は頷き、騒ぎが起こっている大衆の元へと向かった。



「お願いです、後少し…後少しだけ待って下さい!」

パメラが必死に皆の前で懇願している。

「待ってってどういう事なのよっ!」
「そうよ!説明しなさいよ」
「いつまで待てばいいのよ?」

お客としてやってきたであろう女性たちは苛立ちが止まらない。それはそうだろう、よく見ればパメラの足元には箱が置かれ、蓋の隙間からまだ私から盗んだ商品が入っているのが見えているからだ。

「それも売り物なんでしょうっ?!」
「早く並べなさいよ!」

お客達はどんどん殺気走っていく。

そこへ聞き覚えのある声が響き渡った。

「皆さん!落ち着いてくださいっ!」

ついにニコラスの登場だ。

でもまさか…彼も来ていたとは思わなかった。
どうやらニコラスは後ろのテントで控えてたようだが…何故、ここまで騒ぎになるまでパメラ1人に任せていたのだろう?

すると私と同じ疑問を感じたのかイレーヌが言った。

「何故ニコラス様はここまで騒ぎが大きくなるまで引っ込んでいたんでしょうね?」

「それは卑怯者だからよ」

ペリーヌが何故か笑みを浮かべながら、ニコラスとパメラが必死で客を宥めている姿を見つめている。

「ふふふ…いい気味だわ…」

シビルは含み笑いをしている。…なかなかその顔は迫力がある。
よほどパメラに対して恨みを抱いているのだろう。

その時―。


「皆さん!もうすぐ、ある人物が現れると思うのです!その人物が現れたら販売を再開するので、もう少し待って下さいっ!絶対に来るはずですからっ!」

ニコラスが必死になって声を掛けている。

「これは…あれかもしれないですね?」

グレタが私を見た。

「ええそうね。きっとニコラスが言っているある人物って、私の事なのでしょうね」

私は腕組みしながら頷く。

「…どうするの?アンジェラ」

ペリーヌが尋ねてきた。

「そうね…あの2人が大勢の人達からよってたかって責められている姿を見ているのは中々愉快だけど…このままじゃ埒が明かないわね。いいわ、あの2人の茶番劇に付き合ってあげようじゃないの」

「アンジェラさん…格好いいです…」

私の言葉にシビルが聞き惚れている。

「それじゃ…行くわ」

私は皆を見渡した。

「頑張って下さいっ!」
「助けが欲しい時は声を掛けて下さい!」
「応援してますよ!」
「いってらっしゃい!」

グレタ、イレーヌ、シビル、ペリーヌの激励?の言葉に背中を押されて私はパメラ達の元へと向かった。


人混みをすり抜けて前に出ると、真っ先に私を見つけたのはニコラスだった。
2人の前には大きなテーブルが置かれている。恐らくここに商品を並べて売るのだろう。

「あ!アンジェラッ!待っていたぞ!」

「やっと来たわね…」


2人は意地悪そうな目で私を見た。

「あら?2人とも、私を待っていたの?」

ここで私はわざとらしく演技をしてみせる。

途端に2人に詰め寄っていた20人ほどの女性客たちがざわめき始めた。

「え?待ってたって…この人?」
「誰なのかしら?」
「でも…これでお店再開ってこと…?」

するとパメラが声を張り上げた。

「皆さん!お待たせ致しました!これより、再び商品の販売を始めます!」

そしてニコラスと一緒になって次々と箱から私の手作り商品を並べていく。

「…」

その様子を見ていた私は、もはや呆れて物も言えなかった。
2人は私の店から商品を盗み出し、しかも売リ出す為に図々しくも並べているのだから。

テーブルの上には何年も前に手馴しの為に作られたシンプルな作品が並べられている。2人が並べている物は今の私ではとても売りには出せないような代物ばかりなのに…それを堂々と売り出そうとしている事についても非常に怒りがこみ上げてきた。


一方、殺到していた女性客達は商品が並べられてようやく落ち着きを取り戻したようだ。

「やっと買えるのね…」
「全く最初から並べておけばいいのに…」
「何で出し惜しみしていたのかしら?」

女性客達はささやきあっている。

そんな女性客達にパメラが声を掛けた。

「さぁ、皆さん、それではどうぞ手に取って御覧ください」

そして、まるでしてやったりと言わんばかりの挑発的な目で私を見た―。


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