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4章 6 ビリーの痕跡
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森の中は思っていた以上に真っ暗闇だった。
カンテラや、松明が無ければ何も見えないほどだ。
「ビリーッ! どこだ!」
「聞こえたら返事をしてくれー!」
村人たちの声が森に響き渡る。
私も必死で声を上げてビリーを呼んだ。
「ビリーッ! お姉ちゃんよーっ! お願い! 返事をしてーっ!!」
けれどビリーの声は聞えない。私たちの叫び声と、ホウホウと鳴くフクロウの声や時々バサバサと鳥が飛び立つ音が聞こえるのみだった。
「ビリー……何処なの……?」
いつしか私の声は涙声になっていた。
こんなに寒く、真っ暗闇の中でビリーは今も森を彷徨っているのだろうか? だとしたらさぞかし怖いに決まっている。
ビリーを捜しはじめて、かれこれ1時間は経過しただろうか? 村の男性達とバラバラにならないように一定の距離を取って捜し回っているけれども誰一人、ビリーを捜し出せていない。
「大丈夫か? リア」
私の手を繋ぐビルが声をかけてきた。
「どうしよう……」
声が震える。
「リア?」
「ビリーが居なくなったのは私のせいだわ……私が狩りの話をしなければ……ううん、狩に行くのを何としても止めさせていれば……。ビリーはこんなことに……」
ビリーの不安そうな顔が、泣いて私を呼んでいる姿が頭に浮かぶ。
「リアッ!」
すると突然ビリーに両肩を掴まれ、彼は私を覗き込んできた。
「いいか? 君は何も悪くない。いくらビリーに狩の話を伏せていたって、遅かれ早かれ耳に入っていた。狩に行くのを止めさせるのだって不可能だった。いくらリアが止めても、ビリーは家をこっそり抜け出して狩に行っていた。何故なら女手ひとつで家の仕事に追われているリアの助けになりたいと常に思っていたからだ。早く一人前の男になってリアに認めてもらいたかったんだよ!」
「ビル……」
ビルの目は真剣だった。けれど……。
「どうして……貴方にそんなことが分かるのよ……」
「え? そ、それは……」
「ビルは、まだ一度もビリーに会ったことが無いでしょう!? なのに何故そんな分かった言い方するのよ! 勝手なことばかり言わないで! あの子のことなんか何も知らないくせに!」
気付けばビルに当たり散らしていた。
泣きたいのを堪えて彼の胸をドンドン叩いていると、両手首を掴まれた。
「いや。ビリーのことは……よく知っているよ。彼の身に何が起きたかも……」
ええ……?
分からない、ビルは一体何を言っているのだろう?
「な、何よ……何を言っているの……?」
「それは……」
ビルの唇が動いたその時。
「リアさんっ! こっちへ来てくれ!!」
松明の灯りが揺らめく方角から、カールさんの呼び声が聞こえてきた。
「カールさんっ!」
カンテラを持ったまま走り始めると、ビルが追いかけてきた。
「リアッ! 危ないから1人で行くな!」
ビルと2人でカールさんの元へ駆け寄ると、捜索にあたっていた村人たちが全員集まって地面を見つめている。
「ど、どうしたんですか……何かあったのですか……?」
尋ねる声が震えてしまう。
「オフィーリアさん……これに見覚えはあるかい……?」
カールさんが松明で地面を指す。
「え……?」
照らされた地面を見て、愕然とした。そこには弓と折れた弓矢が落ちていたのだ。
そして、矢は全て折れている。
「こ、これは……ビリーの弓矢……」
ビリーは弓矢を10本携えて出掛けたのに全て無残にも折れていたのだ。
折れた弓矢……そして行方不明になったビリー。
これの意味するところは……?
「そ、そんな……ビリー……?」
そこで糸が切れたように私の意識は途切れてしまった。
「リアッ!!」
ビルが私の名を呼ぶのを聞きながら――
カンテラや、松明が無ければ何も見えないほどだ。
「ビリーッ! どこだ!」
「聞こえたら返事をしてくれー!」
村人たちの声が森に響き渡る。
私も必死で声を上げてビリーを呼んだ。
「ビリーッ! お姉ちゃんよーっ! お願い! 返事をしてーっ!!」
けれどビリーの声は聞えない。私たちの叫び声と、ホウホウと鳴くフクロウの声や時々バサバサと鳥が飛び立つ音が聞こえるのみだった。
「ビリー……何処なの……?」
いつしか私の声は涙声になっていた。
こんなに寒く、真っ暗闇の中でビリーは今も森を彷徨っているのだろうか? だとしたらさぞかし怖いに決まっている。
ビリーを捜しはじめて、かれこれ1時間は経過しただろうか? 村の男性達とバラバラにならないように一定の距離を取って捜し回っているけれども誰一人、ビリーを捜し出せていない。
「大丈夫か? リア」
私の手を繋ぐビルが声をかけてきた。
「どうしよう……」
声が震える。
「リア?」
「ビリーが居なくなったのは私のせいだわ……私が狩りの話をしなければ……ううん、狩に行くのを何としても止めさせていれば……。ビリーはこんなことに……」
ビリーの不安そうな顔が、泣いて私を呼んでいる姿が頭に浮かぶ。
「リアッ!」
すると突然ビリーに両肩を掴まれ、彼は私を覗き込んできた。
「いいか? 君は何も悪くない。いくらビリーに狩の話を伏せていたって、遅かれ早かれ耳に入っていた。狩に行くのを止めさせるのだって不可能だった。いくらリアが止めても、ビリーは家をこっそり抜け出して狩に行っていた。何故なら女手ひとつで家の仕事に追われているリアの助けになりたいと常に思っていたからだ。早く一人前の男になってリアに認めてもらいたかったんだよ!」
「ビル……」
ビルの目は真剣だった。けれど……。
「どうして……貴方にそんなことが分かるのよ……」
「え? そ、それは……」
「ビルは、まだ一度もビリーに会ったことが無いでしょう!? なのに何故そんな分かった言い方するのよ! 勝手なことばかり言わないで! あの子のことなんか何も知らないくせに!」
気付けばビルに当たり散らしていた。
泣きたいのを堪えて彼の胸をドンドン叩いていると、両手首を掴まれた。
「いや。ビリーのことは……よく知っているよ。彼の身に何が起きたかも……」
ええ……?
分からない、ビルは一体何を言っているのだろう?
「な、何よ……何を言っているの……?」
「それは……」
ビルの唇が動いたその時。
「リアさんっ! こっちへ来てくれ!!」
松明の灯りが揺らめく方角から、カールさんの呼び声が聞こえてきた。
「カールさんっ!」
カンテラを持ったまま走り始めると、ビルが追いかけてきた。
「リアッ! 危ないから1人で行くな!」
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「ど、どうしたんですか……何かあったのですか……?」
尋ねる声が震えてしまう。
「オフィーリアさん……これに見覚えはあるかい……?」
カールさんが松明で地面を指す。
「え……?」
照らされた地面を見て、愕然とした。そこには弓と折れた弓矢が落ちていたのだ。
そして、矢は全て折れている。
「こ、これは……ビリーの弓矢……」
ビリーは弓矢を10本携えて出掛けたのに全て無残にも折れていたのだ。
折れた弓矢……そして行方不明になったビリー。
これの意味するところは……?
「そ、そんな……ビリー……?」
そこで糸が切れたように私の意識は途切れてしまった。
「リアッ!!」
ビルが私の名を呼ぶのを聞きながら――
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