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第7章 3 まるでお姫様
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ヒルダがマドレーヌの家を訪ねて1時間半後―。
玄関ホールでヒルダとマドレーヌは会話していた。
「ありがとう、ヒルダ。貴女のお陰で今まで悩んでいた数学の問題が簡単に解けるようになったわ。」
マドレーヌは嬉しそうにヒルダに言った。
「いいのよ、お役に立てて良かったわ。いつもマドレーヌにはお世話になってるから・・・。」
するとマドレーヌが言った。
「まあ。何を言ってるの?ヒルダ。お世話になってるなんて・・・私たちはお友達でしょう?そんな言い方はしないで?」
「お友達・・・。」
ヒルダはポツリと言った。
「ええ、そうよ。ヒルダにとって私は大切なお友達。これからも仲良くしてくれる?」
「私で良ければ喜んで・・・。」
するとマドレーヌはにっこり微笑んだ。
「良かった。ねえ、ヒルダ。また遊びに来てね。」
「ええ・・また。」
「あ、そうだ。ヒルダ、ちょっとここで待っていてくれる?」
マドレーヌは何か思い立ったのか、突然エントランスホールから立ち去ってしまった。
(急にどうしたのかしら・・・。)
ヒルダは戸惑いながらもその場にとどまり、マドレーヌが戻ってくるのを待ちながらあたりをぐるりと見渡した。
吹き抜けの広いエントランスホールの天井は見上げるほどに高い。ホールの端々に飾られている調度品はどれも気品があり、壁の上部にはバラをモチーフにしたステンドグラスがはめ込まれている。
(素敵なおうち・・・何となくフィールズ家のお屋敷を思い出させるわ・・・。)
その時、パタパタと軽い駆け足の音が響き渡ってきた。それはマドレーヌだった。手には大きな紙袋を抱えている。
「お待たせ、ヒルダ。」
ハアハア息を切らしながらマドレーヌは紙袋をヒルダに手渡してきた。
「受け取って、ヒルダ。」
それはなかなかずっしりとした紙袋だった。
「マドレーヌ、これは何かしら?」
「ほら、これがさっき言っていた甘くないおかずパイとおかずタルトよ。パイ料理の方は『サーモンとアボカドソースのパイ包み』、そしてタルトの方は『ポテトとベーコンのタルト』なの」
「まあ、すごいわ・・。これだけでお夕食に十分ね。ありがとう、本当にこんな素敵なものを頂いていもいいの?」
「いいのいいの、これはね・・・ちょっと失敗して売り物としてお店に並べられない物なのよ。貰ってくれた方がありがたいわ。」
マドレーヌは笑顔で答える。
「こちらこそ・・・・こんな美味しそうなおかずを頂いて・・・。今夜さっそくお姉さまと一緒にお夕食でいただくわ。」
「ええ、是非食べて。」
そしてヒルダに言った。
「やっぱりヒルダって・・・どこかのお姫様みたいよね。とっても綺麗で、上品で・・・。私の自慢のと・・友達よ・・・。」
マドレーヌは顔を真っ赤に染めて言う。
「あ、ありがとう・・・マドレーヌ。」
2人の少女はしっかり握手を交わすのだった。
マドレーヌに見送られ、ヒルダはアパートメントへと歩いていた。ヒルダの頭の中では先ほどマドレーヌに言われた言葉が頭の中に響いていた。
《 ヒルダって・・・どこかのお姫様みたいよね。 》
「お姫様・・・。」
ヒルダはポツリと呟いた。
確かにカウベリーにいた頃のヒルダはそれこそまるでどこかの国の姫のような暮らしをしていた。大きな屋敷に住み、大勢の使用人に囲まれて綺麗な服に身を包み、大切に育てられたあの日々・・。しかし、あの教会の火事の焼失事件でヒルダの人生は大きく変わってしまった。あの日以来ヒルダは怖くて教会にも近寄れなくなってしまったのだ。
「私は・・・何て罪深い人間なのかしら・・・。」
ヒルダは溜息をつくと家路へと急いだ。
オレンジ色に染まる大きな夕日に照らされたヒルダの影は石畳の上に長く伸びていた―。
玄関ホールでヒルダとマドレーヌは会話していた。
「ありがとう、ヒルダ。貴女のお陰で今まで悩んでいた数学の問題が簡単に解けるようになったわ。」
マドレーヌは嬉しそうにヒルダに言った。
「いいのよ、お役に立てて良かったわ。いつもマドレーヌにはお世話になってるから・・・。」
するとマドレーヌが言った。
「まあ。何を言ってるの?ヒルダ。お世話になってるなんて・・・私たちはお友達でしょう?そんな言い方はしないで?」
「お友達・・・。」
ヒルダはポツリと言った。
「ええ、そうよ。ヒルダにとって私は大切なお友達。これからも仲良くしてくれる?」
「私で良ければ喜んで・・・。」
するとマドレーヌはにっこり微笑んだ。
「良かった。ねえ、ヒルダ。また遊びに来てね。」
「ええ・・また。」
「あ、そうだ。ヒルダ、ちょっとここで待っていてくれる?」
マドレーヌは何か思い立ったのか、突然エントランスホールから立ち去ってしまった。
(急にどうしたのかしら・・・。)
ヒルダは戸惑いながらもその場にとどまり、マドレーヌが戻ってくるのを待ちながらあたりをぐるりと見渡した。
吹き抜けの広いエントランスホールの天井は見上げるほどに高い。ホールの端々に飾られている調度品はどれも気品があり、壁の上部にはバラをモチーフにしたステンドグラスがはめ込まれている。
(素敵なおうち・・・何となくフィールズ家のお屋敷を思い出させるわ・・・。)
その時、パタパタと軽い駆け足の音が響き渡ってきた。それはマドレーヌだった。手には大きな紙袋を抱えている。
「お待たせ、ヒルダ。」
ハアハア息を切らしながらマドレーヌは紙袋をヒルダに手渡してきた。
「受け取って、ヒルダ。」
それはなかなかずっしりとした紙袋だった。
「マドレーヌ、これは何かしら?」
「ほら、これがさっき言っていた甘くないおかずパイとおかずタルトよ。パイ料理の方は『サーモンとアボカドソースのパイ包み』、そしてタルトの方は『ポテトとベーコンのタルト』なの」
「まあ、すごいわ・・。これだけでお夕食に十分ね。ありがとう、本当にこんな素敵なものを頂いていもいいの?」
「いいのいいの、これはね・・・ちょっと失敗して売り物としてお店に並べられない物なのよ。貰ってくれた方がありがたいわ。」
マドレーヌは笑顔で答える。
「こちらこそ・・・・こんな美味しそうなおかずを頂いて・・・。今夜さっそくお姉さまと一緒にお夕食でいただくわ。」
「ええ、是非食べて。」
そしてヒルダに言った。
「やっぱりヒルダって・・・どこかのお姫様みたいよね。とっても綺麗で、上品で・・・。私の自慢のと・・友達よ・・・。」
マドレーヌは顔を真っ赤に染めて言う。
「あ、ありがとう・・・マドレーヌ。」
2人の少女はしっかり握手を交わすのだった。
マドレーヌに見送られ、ヒルダはアパートメントへと歩いていた。ヒルダの頭の中では先ほどマドレーヌに言われた言葉が頭の中に響いていた。
《 ヒルダって・・・どこかのお姫様みたいよね。 》
「お姫様・・・。」
ヒルダはポツリと呟いた。
確かにカウベリーにいた頃のヒルダはそれこそまるでどこかの国の姫のような暮らしをしていた。大きな屋敷に住み、大勢の使用人に囲まれて綺麗な服に身を包み、大切に育てられたあの日々・・。しかし、あの教会の火事の焼失事件でヒルダの人生は大きく変わってしまった。あの日以来ヒルダは怖くて教会にも近寄れなくなってしまったのだ。
「私は・・・何て罪深い人間なのかしら・・・。」
ヒルダは溜息をつくと家路へと急いだ。
オレンジ色に染まる大きな夕日に照らされたヒルダの影は石畳の上に長く伸びていた―。
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