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18-19 身代わりを申し出るアリアドネ
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「エルウィン様?!な、何故……?!」
アリアドネはまさかエルウィンがここに現れるとは思わず目を見開いた。
「やはり来たようだね?辺境伯。待っていたよ」
一方のマクシミリアンはまるでエルウィンがここにやってくるのを知っていたかのような口振りで語りかける。
そしてエルウィンの方は、今にもマクシミリアンがアリアドネにキスをしようとしている様子を目の当たりにして声を荒らげた。
「王太子殿下!!貴方に決闘を申し込む!!」
そして自分の体を支えていた剣をマクシミリアンに向け……苦痛に顔を歪める。
「エルウィン様!マクシミリアン様に決闘を申し込むなんて……そんな恐ろしいことはおやめ下さい!!」
「駄目だ!これは身分なんか関係ない……男同士の……戦いだ!!」
するとマクシミリアンは口元に笑みを浮かべた。
「成程……男同士の戦いか。中々面白いことを言うな。いいだろう。一度辺境伯とは剣を交えてみたかったところだ。言っておくが王太子とは言え私もこう見えて、戦場で戦い抜いてきているのだよ」
マクシミリアンはアリアドネを離すと、腰に差していた剣に手を伸ばした。
「成程……王族にしては中々理解があるようだ……」
エルウィンは激痛に耐えながら剣を構える。しかしエルウィンが弱りきっているのはとっくにマクシミリアンに見抜かれていた。
「辺境伯よ。剣を構えて立っているのがやっとのようだが……そんなことで、この私と戦えるのか?」
「ええ……剣さえ持てれば……も、問題ありません……」
しかし、それは嘘だった。エルウィンの背中の傷は開いてしまい、出血しているのが自分でも理解できていた。
傷を負った背中は熱い鉄でも押し付けられているかのような強烈な痛みで、油断すれば気を失いそうなほどであった。
「成程……余程死にたいと見えるようだね?辺境伯は」
そしてマクシミリアンが剣を握りしめた時……。
「エルウィン様!」
アリアドネはエルウィンに駆け寄り、マクシミリアンから庇うように前に立つと両手を広げた。
それはまるでエルウィンを庇うかのような姿だった。
「アリアドネ?!ど、どういうつもりだ!」
「君は一体何をしているんだい?アリアドネ」
マクシミリアンは剣を下ろすと静かに尋ねた。
「お願いです……!今のエルウィン様に決闘等無理です!どうか……おやめ下さい……!マクシミリアン様!」
必死に叫ぶアリアドネ。
「な、何を言っている……?アリアドネ……そ、そこをどけ!」
肩で息をしながらエルウィンは叫ぶ。
「そうだよ、アリアドネ。元々は決闘を先に言い出したのは辺境伯の方からなのは目の前で話を聞いていたのだから分かるだろう?」
「はい。ですが……決闘なんておやめ下さい!そ、それでも決闘をするというのなら……わ、私がエルウィン様の身代わりで戦います!」
「「何だって?!」」
エルウィンとマクシミリアンが同時に驚愕の声を上げる。
「ば、馬鹿な事を言うな!お前に戦いなど出来るはずないだろう……?!うっ!」
大声を出したことで、エルウィンは激痛で呻いた。
「エルウィン様!」
慌ててアリアドネはエルウィンの身体を支える。
「うっ……はぁ……はぁ……お、お前に戦いなどさせられるか……」
アリアドネに身体を支えながら、真っ青な顔で呼吸を整えるエルウィン。
すると……。
「全く……君たちには負けたよ」
マクシミリアンは手にしていた剣を床に落とした――。
アリアドネはまさかエルウィンがここに現れるとは思わず目を見開いた。
「やはり来たようだね?辺境伯。待っていたよ」
一方のマクシミリアンはまるでエルウィンがここにやってくるのを知っていたかのような口振りで語りかける。
そしてエルウィンの方は、今にもマクシミリアンがアリアドネにキスをしようとしている様子を目の当たりにして声を荒らげた。
「王太子殿下!!貴方に決闘を申し込む!!」
そして自分の体を支えていた剣をマクシミリアンに向け……苦痛に顔を歪める。
「エルウィン様!マクシミリアン様に決闘を申し込むなんて……そんな恐ろしいことはおやめ下さい!!」
「駄目だ!これは身分なんか関係ない……男同士の……戦いだ!!」
するとマクシミリアンは口元に笑みを浮かべた。
「成程……男同士の戦いか。中々面白いことを言うな。いいだろう。一度辺境伯とは剣を交えてみたかったところだ。言っておくが王太子とは言え私もこう見えて、戦場で戦い抜いてきているのだよ」
マクシミリアンはアリアドネを離すと、腰に差していた剣に手を伸ばした。
「成程……王族にしては中々理解があるようだ……」
エルウィンは激痛に耐えながら剣を構える。しかしエルウィンが弱りきっているのはとっくにマクシミリアンに見抜かれていた。
「辺境伯よ。剣を構えて立っているのがやっとのようだが……そんなことで、この私と戦えるのか?」
「ええ……剣さえ持てれば……も、問題ありません……」
しかし、それは嘘だった。エルウィンの背中の傷は開いてしまい、出血しているのが自分でも理解できていた。
傷を負った背中は熱い鉄でも押し付けられているかのような強烈な痛みで、油断すれば気を失いそうなほどであった。
「成程……余程死にたいと見えるようだね?辺境伯は」
そしてマクシミリアンが剣を握りしめた時……。
「エルウィン様!」
アリアドネはエルウィンに駆け寄り、マクシミリアンから庇うように前に立つと両手を広げた。
それはまるでエルウィンを庇うかのような姿だった。
「アリアドネ?!ど、どういうつもりだ!」
「君は一体何をしているんだい?アリアドネ」
マクシミリアンは剣を下ろすと静かに尋ねた。
「お願いです……!今のエルウィン様に決闘等無理です!どうか……おやめ下さい……!マクシミリアン様!」
必死に叫ぶアリアドネ。
「な、何を言っている……?アリアドネ……そ、そこをどけ!」
肩で息をしながらエルウィンは叫ぶ。
「そうだよ、アリアドネ。元々は決闘を先に言い出したのは辺境伯の方からなのは目の前で話を聞いていたのだから分かるだろう?」
「はい。ですが……決闘なんておやめ下さい!そ、それでも決闘をするというのなら……わ、私がエルウィン様の身代わりで戦います!」
「「何だって?!」」
エルウィンとマクシミリアンが同時に驚愕の声を上げる。
「ば、馬鹿な事を言うな!お前に戦いなど出来るはずないだろう……?!うっ!」
大声を出したことで、エルウィンは激痛で呻いた。
「エルウィン様!」
慌ててアリアドネはエルウィンの身体を支える。
「うっ……はぁ……はぁ……お、お前に戦いなどさせられるか……」
アリアドネに身体を支えながら、真っ青な顔で呼吸を整えるエルウィン。
すると……。
「全く……君たちには負けたよ」
マクシミリアンは手にしていた剣を床に落とした――。
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