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8話
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――翌日9時半
「あの……本当に、ステファニー様お一人をお連れするのでしょうか? 従者も何もつけずに?」
屋敷の前に馬車を止め男性御者が困った様子で尋ねてくる。
「ええ、もちろんよ。ほら、これを見て頂戴」
「確かにこれは旦那様の筆跡ですね……」
受け取った許可証をじっと見つめる男性御者。
私は昨日、父に無理矢理書かせた馬車を使用する許可証を見せた。最初父は私一人だけ外出させることに猛反対していた。そこで言うことを聞いてくれなければもう口をきかない、と言ったところ半泣きで許可証にサインしてくれたのだ。
「それではステファニー様、どうぞ馬車にお乗り下さい」
「ええ、ありがとう。あ、行き先はここだから」
サイラスから貰っていた番地のメモを御者に渡すと、私は馬車に乗り込んだ。
「では、出発いたしますね」
扉が閉められると、すぐに馬車はレパート家へ向って走り出した――
****
10時を少し過ぎた頃に、 馬車はレパート家に到着した。
閑静な住宅街の一等地に建てられたオレンジ色の巨大な屋敷は、ベルモンド家と大差ないくらい大きかった。
「ふ~ん。ここがサイラスの家なのね」
馬車の窓から近づいてくるベルモンド家を見つめていると、門の入口に佇むサイラスの姿が見えた。
「フフ。いい子ね、ちゃーんと待っていてくれたのだわ」
頬杖をつきながら、私はかしこまった様子で待っているサイラスを見つめながら笑みを浮かべた……。
「こんにちは、サイラス。待たせてしまったかしら?」
馬車がサイラスの前に止まると、私は窓から顔をのぞかせた。
「ううん! たった今、僕も来たところだから!」
サイラスは顔を赤らめて返事をする。私がずっと馬車から見つめていたことを知らないのだろう。
「本当? それでは馬車に乗ってくれる?」
御者が扉を開けてくれたので、早速サイラスは馬車に乗り込み……キョロキョロと周囲を見渡した。
「何してるの? 早く座りなさいよ。立っていたらいつまでも出発出来ないわよ?」
「う、うん」
戸惑いながらも着席するサイラス。すると扉は閉められ、馬車はゆっくり動き始めた。
「ねぇ、ステファニー。従者はついていないの?」
「ええ、いないわよ」
「え! それじゃ2人だけで出かけるつもりだったの!?」
目を丸くするサイラス。
「当然じゃない、何故デートに付き添いがいるのよ。だけど、サイラスだって最初から私達だけで出かけるつもりだったのじゃないの? あなたこそ供も無しに1人で門の前で待っていたじゃない」
「だってそれはステファニーが従者を連れてきていると思ったからだよ!」
「それはサイラスが勝手に思っていたことでしょう? だったら昨日、従者はいるの? って、私に尋ねるべきだったでしょう?」
「う……」
「大丈夫よ。それほど危険な場所に行くわけじゃないのだから。そんなことよりも、今日は2人きりのデートを楽しまなくちゃ。それに、どうしても私達だけでは不安だって言うなら、うちの御者に付き添いを頼めばいいでしょう?」
「そうだ! それがいいよ!」
私の提案に納得したのか、サイラスが嬉しそうに頷く。
……御者にとっては、いい迷惑かもしれないが、ここはサイラスの不安を取り除くためにも今回はデートに付き添ってもらうしか無いだろう。
「それで、デートは何処に行くの?」
サイラスは身を乗り出してきた。
「ええ、まずは……動物園に行くわよ!」
デートの定番といえば動物園だ。
「動物園かぁ……楽しみだな」
「ええ、楽しみにしていて頂戴」
私は、ほくそ笑んだ。
実はサイラスには内緒にしているのだが、私にはある計画があったのだ――
「あの……本当に、ステファニー様お一人をお連れするのでしょうか? 従者も何もつけずに?」
屋敷の前に馬車を止め男性御者が困った様子で尋ねてくる。
「ええ、もちろんよ。ほら、これを見て頂戴」
「確かにこれは旦那様の筆跡ですね……」
受け取った許可証をじっと見つめる男性御者。
私は昨日、父に無理矢理書かせた馬車を使用する許可証を見せた。最初父は私一人だけ外出させることに猛反対していた。そこで言うことを聞いてくれなければもう口をきかない、と言ったところ半泣きで許可証にサインしてくれたのだ。
「それではステファニー様、どうぞ馬車にお乗り下さい」
「ええ、ありがとう。あ、行き先はここだから」
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「では、出発いたしますね」
扉が閉められると、すぐに馬車はレパート家へ向って走り出した――
****
10時を少し過ぎた頃に、 馬車はレパート家に到着した。
閑静な住宅街の一等地に建てられたオレンジ色の巨大な屋敷は、ベルモンド家と大差ないくらい大きかった。
「ふ~ん。ここがサイラスの家なのね」
馬車の窓から近づいてくるベルモンド家を見つめていると、門の入口に佇むサイラスの姿が見えた。
「フフ。いい子ね、ちゃーんと待っていてくれたのだわ」
頬杖をつきながら、私はかしこまった様子で待っているサイラスを見つめながら笑みを浮かべた……。
「こんにちは、サイラス。待たせてしまったかしら?」
馬車がサイラスの前に止まると、私は窓から顔をのぞかせた。
「ううん! たった今、僕も来たところだから!」
サイラスは顔を赤らめて返事をする。私がずっと馬車から見つめていたことを知らないのだろう。
「本当? それでは馬車に乗ってくれる?」
御者が扉を開けてくれたので、早速サイラスは馬車に乗り込み……キョロキョロと周囲を見渡した。
「何してるの? 早く座りなさいよ。立っていたらいつまでも出発出来ないわよ?」
「う、うん」
戸惑いながらも着席するサイラス。すると扉は閉められ、馬車はゆっくり動き始めた。
「ねぇ、ステファニー。従者はついていないの?」
「ええ、いないわよ」
「え! それじゃ2人だけで出かけるつもりだったの!?」
目を丸くするサイラス。
「当然じゃない、何故デートに付き添いがいるのよ。だけど、サイラスだって最初から私達だけで出かけるつもりだったのじゃないの? あなたこそ供も無しに1人で門の前で待っていたじゃない」
「だってそれはステファニーが従者を連れてきていると思ったからだよ!」
「それはサイラスが勝手に思っていたことでしょう? だったら昨日、従者はいるの? って、私に尋ねるべきだったでしょう?」
「う……」
「大丈夫よ。それほど危険な場所に行くわけじゃないのだから。そんなことよりも、今日は2人きりのデートを楽しまなくちゃ。それに、どうしても私達だけでは不安だって言うなら、うちの御者に付き添いを頼めばいいでしょう?」
「そうだ! それがいいよ!」
私の提案に納得したのか、サイラスが嬉しそうに頷く。
……御者にとっては、いい迷惑かもしれないが、ここはサイラスの不安を取り除くためにも今回はデートに付き添ってもらうしか無いだろう。
「それで、デートは何処に行くの?」
サイラスは身を乗り出してきた。
「ええ、まずは……動物園に行くわよ!」
デートの定番といえば動物園だ。
「動物園かぁ……楽しみだな」
「ええ、楽しみにしていて頂戴」
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実はサイラスには内緒にしているのだが、私にはある計画があったのだ――
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