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9話 動物園デート
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「ええっ!? わ、私が今日お二人の付き添いをするのですか!?」
動物園の馬繋馬に到着すると、御者の驚きの声が辺りに響き渡った。
「ええ、そうよ。だって、誰か従者がいないと不安でたまらないとサイラスが言ってるのだから、仕方ないでしょう?」
私の言葉にコクコクと激しく頷くサイラス。
「で、ですが私はただの御者ですよ!? お二人の付き添いなんて……!」
「何も付き添いと言っても堅苦しく考えなくていいわよ。ただ私達の後ろを黙ってついて歩けばいいのだから。別にガイドをしてくれと言ってるわけじゃないし」
「え? 何ですか? ガイドって」
私の言葉に首を傾げる男性御者。
「いいのよ、今のセリフは忘れて頂戴。そうねぇ……もし、今日のデートにずっと付き添ってくれたら私から特別手当を出してあげるわ。給料の半分を手当として出してあげる」
「え!? は、半分ですか!?」
途端に目の色が変わった。
「そう、半分よ。どう? やる?」
「はい! やります! いえ、どうぞやらせて下さい! どうせ馬車で待機をしているだけの身だったので、何処へなりともついて参ります!」
「なら、決定ね。では行きましょう」
私は早速サイラスの左手を握りしめた。
「え? ステファニー?」
慌てた様子でサイラスが私を見る。
「何よ。もうデートは始まっているのよ? あなたは3人分の入場チケットを買ってきて頂戴」
私は御者にポケットマネーを渡した。
「はい、ただいま買ってまいります!」
御者はお金を受け取るとチケット売り場へ向って駆け出し、あっという間に戻ってきた。
「ステファニー様! 3人分のチケット買ってまいりました!」
「ありがとう、それじゃ私達の分のチケットを頂戴」
「こちらになります」
御者から2人分のチケットを預かると、1枚をサイラスに差し出した。
「はい、あなたの分」
「あ、ありがとう。そうだ、僕の分のお金……」
「あ~それならいいのよ」
「え? だけど……」
「今回のデートは私が強引に誘ったのだから、お金は私が出すわ。大体、男性がデート費用を全額持つという考え方事態がおかしいのよ、普段は男女平等なんて言っているくせに、こういうときだけ性別を持ち出すのはどうかと思うわ。やっぱりこの世は全てにおいて、男女平等でいかないとね」
熱弁をふるう私。
「そ、そうなんだ。言っている意味が良くわからないけれど、奢ってくれるってことだよね? ありがとう」
「ええ。それじゃ、早速中へ入るわよ」
「うん」
私達は手をしっかり繋ぎ合うと、動物園の中へ入っていった。
****
「うわ~見てよ、ステファニー! 像がいるよ。 大きいね~。あ! 向こうにはキリンがいる。見に行こうよ!」
サイラスは動物が好きなのか、すっかり夢中になっている。別に私は動物が好きというわけでも、見て興奮するような年でもない。けれど、サイラスが目をキラキラ輝かせて動物を見ている姿は実に微笑ましい。
動物園なんてデート場所に子供っぽいかと思ったけど、来て良かった。
「どうしたの? ステファニー」
私を見て、首を傾げる。
「いいえ、何でもないわ。それで次はどの動物を見に行きたいの?」
「向こうの檻にはライオンがいるみたいだよ、行ってみようよ」
「そうね、行きましょう」
サイラスと手を繋いで歩く私達の後ろから黙ってついてくる御者。
やはり、従者がいるということでサイラスは安心しきっているようだ。
****
「あ~楽しかった。ねぇ、次は何処へ行く?」
一通り動物を見て回り、今私とサイラスは園内にある売店でジュースを買って飲んでいた。
「ええ、次は……」
――その時。
「あっ!! な、何でこんなところに!?」
聞き覚えのある声が辺りに響いた――
動物園の馬繋馬に到着すると、御者の驚きの声が辺りに響き渡った。
「ええ、そうよ。だって、誰か従者がいないと不安でたまらないとサイラスが言ってるのだから、仕方ないでしょう?」
私の言葉にコクコクと激しく頷くサイラス。
「で、ですが私はただの御者ですよ!? お二人の付き添いなんて……!」
「何も付き添いと言っても堅苦しく考えなくていいわよ。ただ私達の後ろを黙ってついて歩けばいいのだから。別にガイドをしてくれと言ってるわけじゃないし」
「え? 何ですか? ガイドって」
私の言葉に首を傾げる男性御者。
「いいのよ、今のセリフは忘れて頂戴。そうねぇ……もし、今日のデートにずっと付き添ってくれたら私から特別手当を出してあげるわ。給料の半分を手当として出してあげる」
「え!? は、半分ですか!?」
途端に目の色が変わった。
「そう、半分よ。どう? やる?」
「はい! やります! いえ、どうぞやらせて下さい! どうせ馬車で待機をしているだけの身だったので、何処へなりともついて参ります!」
「なら、決定ね。では行きましょう」
私は早速サイラスの左手を握りしめた。
「え? ステファニー?」
慌てた様子でサイラスが私を見る。
「何よ。もうデートは始まっているのよ? あなたは3人分の入場チケットを買ってきて頂戴」
私は御者にポケットマネーを渡した。
「はい、ただいま買ってまいります!」
御者はお金を受け取るとチケット売り場へ向って駆け出し、あっという間に戻ってきた。
「ステファニー様! 3人分のチケット買ってまいりました!」
「ありがとう、それじゃ私達の分のチケットを頂戴」
「こちらになります」
御者から2人分のチケットを預かると、1枚をサイラスに差し出した。
「はい、あなたの分」
「あ、ありがとう。そうだ、僕の分のお金……」
「あ~それならいいのよ」
「え? だけど……」
「今回のデートは私が強引に誘ったのだから、お金は私が出すわ。大体、男性がデート費用を全額持つという考え方事態がおかしいのよ、普段は男女平等なんて言っているくせに、こういうときだけ性別を持ち出すのはどうかと思うわ。やっぱりこの世は全てにおいて、男女平等でいかないとね」
熱弁をふるう私。
「そ、そうなんだ。言っている意味が良くわからないけれど、奢ってくれるってことだよね? ありがとう」
「ええ。それじゃ、早速中へ入るわよ」
「うん」
私達は手をしっかり繋ぎ合うと、動物園の中へ入っていった。
****
「うわ~見てよ、ステファニー! 像がいるよ。 大きいね~。あ! 向こうにはキリンがいる。見に行こうよ!」
サイラスは動物が好きなのか、すっかり夢中になっている。別に私は動物が好きというわけでも、見て興奮するような年でもない。けれど、サイラスが目をキラキラ輝かせて動物を見ている姿は実に微笑ましい。
動物園なんてデート場所に子供っぽいかと思ったけど、来て良かった。
「どうしたの? ステファニー」
私を見て、首を傾げる。
「いいえ、何でもないわ。それで次はどの動物を見に行きたいの?」
「向こうの檻にはライオンがいるみたいだよ、行ってみようよ」
「そうね、行きましょう」
サイラスと手を繋いで歩く私達の後ろから黙ってついてくる御者。
やはり、従者がいるということでサイラスは安心しきっているようだ。
****
「あ~楽しかった。ねぇ、次は何処へ行く?」
一通り動物を見て回り、今私とサイラスは園内にある売店でジュースを買って飲んでいた。
「ええ、次は……」
――その時。
「あっ!! な、何でこんなところに!?」
聞き覚えのある声が辺りに響いた――
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