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新婚さんのお出かけ予定
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湯あみを終えたケインバッハは、洗い髪を乾かすのもそこそこに寝室に入ると、ソファに座って本を読んでいた愛しい妻の隣に座る。
「明日は何か予定はあるのか?」
声が少し弾んでいる。
さり気なく聞いたつもりのようだが、何か期待しているのはバレバレだ。
エレアーナは本から目を外し、夫に微笑みかける。
「せっかくケインさまがお休みの日なのですもの。一緒に出かけられると嬉しいのですが」
「そうか」
口元が微かに緩む。
「どこか行きたいところは?」
「そうですね・・・。久しぶりに孤児院の子どもたちの様子を見に行きたいですわ。あ、あと、新しく経てた工場も」
いかにもエレアーナらしい返答に、予想通りとはいえ苦笑が漏れる。
ケインバッハとしては愛する妻にドレスや宝石などを買ってやりたくて仕方ないのだが、エレアーナの望みはいつも別のところにある。
少し残念に思いながらも、エレアーナの希望を優先しようと確認ための言葉を続ける。
「となると、ホルヘとジュールベーヌか。工場はどこにあったかな」
「西区のフェルマス街ですわ。運営や製造が上手くいっているか心配なものですから」
「雇用の機会を広げる貴重な場だからな。まだ立ち上げて一年も経っていない施設だから、あちらも色々と相談したいことがあるかもしれない。明日の午後にでも回ってみるか」
「午後、ですか?」
「ああ、午後に出発する」
「朝からではなく?」
「朝はきっと、起きるのが辛いと思うぞ。・・・君が」
そう言いながら、首元に唇を寄せる。
「忘れたのか? 俺たちは新婚なのだが」
「あ・・・」
エレアーナは言葉の意味に気づき、頬を真っ赤にして俯いた。
「俺も明日は朝早くから王城に向かう必要もない事だし、今夜はゆっくり夫婦の時間を楽しもう」
「ゆっくり・・・?」
「ああ、ゆっくり」
腰まである長く柔らかい髪をひと房掬い、くるくると指で弄びながら、顔は首元に寄せたまま、ちゅ、と、うなじに口づける。
「んっ・・・」
ぴくん、と震えた身体に、そっと腕を回して抱きしめた。
「・・・エレアーナ」
「はい・・・」
「君を俺だけの愛称で呼びたいんだが」
「え・・・?」
話をしながらも、ケインの唇は首筋に軽く押し当てたままで。
結果、必然的に話すたびに吐息が首にかかる事になり、エレアーナの首元までもが赤く染まってしまう。
「義父上も義兄上も君のことを『エレ』と呼ぶだろう? つまらない独占欲と笑ってくれて構わないが、俺だけの愛称で君を呼びたい。それで考えたんだ。レアナというのはどうだろう」
「レアナ・・・」
「ああ、俺だけの呼び名だ。レアナ」
「はい」
「レアナ、愛してる」
「ケインさま・・・。わたくしも貴方を愛しておりますわ」
二人はどちらからともなく唇を重ねた。
次にエレアーナが目を覚ました頃には、もう日は高く昇っていた。
少し気怠い身体は存分に愛された印のようで、恥ずかしくもあり嬉しくもある。
出発を午後にしてもらって、正解だったわ。
そう思いながら、一旦起こした身体をもう一度ぱふんとベットに沈める。
顔を横に向ければ、すぐ隣に、まだ眠っている夫がいた。
ふふ、無防備な寝顔が可愛い。
ブライトン邸の庭園で初めて会った時から、彫刻のような麗しい顔だと思ってたけど。
あの頃より年齢を重ねた今は、少年から大人の男性へと美しさの範疇が変わっていき、そこにきりっとした精悍さと色っぽさまで加わって。
妻がいると分かっていても、好きになっちゃうご令嬢とかいらっしゃるんじゃないかしら。
そんな心配を、ついしてしまいそうになるくらい、貴方は素敵で。
「・・・美しい令嬢から言い寄られても、ちゃんと断ってくださいね?」
「・・・当たり前だろう」
エレアーナは目を瞠った。
頭の中で考えてただけのつもりだった。
まさか口に出していたとは思ってもいなくて。
うっかり本音を呟いてしまったことに恥じらい、そっと俯く。
そんなエレアーナの頬を、ケインバッハの大きな掌が宥めるようにそっと撫でる。
「俺の眼には、いつだってレアナ、君しか映っていない」
「・・・」
恥ずかしさで黙り込んでしまったエレアーナの顔を見つめながら、ケインバッハは薄い笑みを浮かべる。
そして額に口づけを落とすと「そろそろ支度をしよう」と声をかけた。
「明日は何か予定はあるのか?」
声が少し弾んでいる。
さり気なく聞いたつもりのようだが、何か期待しているのはバレバレだ。
エレアーナは本から目を外し、夫に微笑みかける。
「せっかくケインさまがお休みの日なのですもの。一緒に出かけられると嬉しいのですが」
「そうか」
口元が微かに緩む。
「どこか行きたいところは?」
「そうですね・・・。久しぶりに孤児院の子どもたちの様子を見に行きたいですわ。あ、あと、新しく経てた工場も」
いかにもエレアーナらしい返答に、予想通りとはいえ苦笑が漏れる。
ケインバッハとしては愛する妻にドレスや宝石などを買ってやりたくて仕方ないのだが、エレアーナの望みはいつも別のところにある。
少し残念に思いながらも、エレアーナの希望を優先しようと確認ための言葉を続ける。
「となると、ホルヘとジュールベーヌか。工場はどこにあったかな」
「西区のフェルマス街ですわ。運営や製造が上手くいっているか心配なものですから」
「雇用の機会を広げる貴重な場だからな。まだ立ち上げて一年も経っていない施設だから、あちらも色々と相談したいことがあるかもしれない。明日の午後にでも回ってみるか」
「午後、ですか?」
「ああ、午後に出発する」
「朝からではなく?」
「朝はきっと、起きるのが辛いと思うぞ。・・・君が」
そう言いながら、首元に唇を寄せる。
「忘れたのか? 俺たちは新婚なのだが」
「あ・・・」
エレアーナは言葉の意味に気づき、頬を真っ赤にして俯いた。
「俺も明日は朝早くから王城に向かう必要もない事だし、今夜はゆっくり夫婦の時間を楽しもう」
「ゆっくり・・・?」
「ああ、ゆっくり」
腰まである長く柔らかい髪をひと房掬い、くるくると指で弄びながら、顔は首元に寄せたまま、ちゅ、と、うなじに口づける。
「んっ・・・」
ぴくん、と震えた身体に、そっと腕を回して抱きしめた。
「・・・エレアーナ」
「はい・・・」
「君を俺だけの愛称で呼びたいんだが」
「え・・・?」
話をしながらも、ケインの唇は首筋に軽く押し当てたままで。
結果、必然的に話すたびに吐息が首にかかる事になり、エレアーナの首元までもが赤く染まってしまう。
「義父上も義兄上も君のことを『エレ』と呼ぶだろう? つまらない独占欲と笑ってくれて構わないが、俺だけの愛称で君を呼びたい。それで考えたんだ。レアナというのはどうだろう」
「レアナ・・・」
「ああ、俺だけの呼び名だ。レアナ」
「はい」
「レアナ、愛してる」
「ケインさま・・・。わたくしも貴方を愛しておりますわ」
二人はどちらからともなく唇を重ねた。
次にエレアーナが目を覚ました頃には、もう日は高く昇っていた。
少し気怠い身体は存分に愛された印のようで、恥ずかしくもあり嬉しくもある。
出発を午後にしてもらって、正解だったわ。
そう思いながら、一旦起こした身体をもう一度ぱふんとベットに沈める。
顔を横に向ければ、すぐ隣に、まだ眠っている夫がいた。
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そんなエレアーナの頬を、ケインバッハの大きな掌が宥めるようにそっと撫でる。
「俺の眼には、いつだってレアナ、君しか映っていない」
「・・・」
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そして額に口づけを落とすと「そろそろ支度をしよう」と声をかけた。
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