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第2章
第322話 闇魔法
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黒ローブ達は宿を出て何処かに向かっていく。夕闇が迫る中、だんだんと「動く写し絵」が暗い表示になってきた。
『おい、ネロ。もっと目立たなくさせろ』
『あ、はい……。……闇よ。暗黒の闇の精霊よ。我に力を貸したまえ。我らに闇を纏わせたまえ……』
ネロ君がぎゅっと目を閉じ、両手を握りしめて詠唱を始めた。魔法陣が浮かび上がる。
「闇魔法!?」
闇魔法の魔法陣を見たのは初めてだ!
モヤモヤと黒い煙のようなものが広がってきて、彼らを包み込むようにした。
黒ローブ達の表情とかが見えづらくなってくる。輪郭はくっきり写っているけど。
「これは姿を見えにくくする魔法かしら」
「そうみたいだね」
歩き出した黒ローブ達の様子はちょっと奇妙に見えた。黒いモヤモヤを纏ったシルエットが歩いているみたいになっている。
顔とかは、目鼻や口のラインが表示されているけれど線画みたいだ。
「これって逆に目立たない?」
「でもすれ違った人とかは気にしてなさそう」
シルエットが歩いているのを見たら、ギョッとするんじゃないかと思ったけど、道行く人達は特に振り返ったり気にしたりは
していないみたいだった。
「……これって、実際に肉眼で見るのと、ここで様子を見ているのと見え方が違うのかもしれないわ。
今、見えているのは魔法で映し出した映像でしょう?」
「ああ。現場で見たら闇魔法で姿が隠されているけど、表示している魔法が勝っちゃってるってこと?」
姿を消す魔法とか、なんだか格好良いのにシルエットが見えちゃってると思ったら、
魔法で表示しているから見え方が違うんじゃないかって母様が言う。
表示に使っているのは、光魔法と風魔法だ。肉眼でモノを見る時って、光で情報を取得しているんじゃないかな。
闇魔法で光の効果に作用してるんだとしたら、光魔法が闇魔法とぶつかっているかもしれないけど
風魔法で輪郭とかを得ている機能とかは闇魔法の影響を受けていないのかもしれない。
「風魔法で輪郭を取っているからじゃないかな」
兄上は、魔道具の魔法が勝っているかもと言ったけど、風魔法は勝ち負けじゃなくて、網目を潜り抜けたみたいになっている気がする。
「風魔法だったのか……」
「乳白色の魔石も使っているから光魔法も動作しているよ」
「とんでもない技術な気が……。……でも、今はこっちか。姿隠すなんて怪しいよな」
兄上は目を見開いて頭を軽く振った。
軽く溜息をついて、壁の「動く写し絵」に視線を戻した。
黒ローブ達は広い通りを歩いて行き、途中で曲がって狭い路地に入った。
路地に入ってすぐのところにある扉をノックする。
トントントン トントントン トントントン
素早く三回叩く動作を3度続ける。少しの間沈黙が流れたと思ったら硬い木とかで叩くような音が聞こえた。
カンッ
トントン
木で叩くような音に応えるように黒ローブが二回ノックをした。
カンッ
トントン
再び木で叩くような音。そしてノック二回したと思ったらガチャっと鍵が開くような音がして扉が開いた。
『おい、ネロ。もっと目立たなくさせろ』
『あ、はい……。……闇よ。暗黒の闇の精霊よ。我に力を貸したまえ。我らに闇を纏わせたまえ……』
ネロ君がぎゅっと目を閉じ、両手を握りしめて詠唱を始めた。魔法陣が浮かび上がる。
「闇魔法!?」
闇魔法の魔法陣を見たのは初めてだ!
モヤモヤと黒い煙のようなものが広がってきて、彼らを包み込むようにした。
黒ローブ達の表情とかが見えづらくなってくる。輪郭はくっきり写っているけど。
「これは姿を見えにくくする魔法かしら」
「そうみたいだね」
歩き出した黒ローブ達の様子はちょっと奇妙に見えた。黒いモヤモヤを纏ったシルエットが歩いているみたいになっている。
顔とかは、目鼻や口のラインが表示されているけれど線画みたいだ。
「これって逆に目立たない?」
「でもすれ違った人とかは気にしてなさそう」
シルエットが歩いているのを見たら、ギョッとするんじゃないかと思ったけど、道行く人達は特に振り返ったり気にしたりは
していないみたいだった。
「……これって、実際に肉眼で見るのと、ここで様子を見ているのと見え方が違うのかもしれないわ。
今、見えているのは魔法で映し出した映像でしょう?」
「ああ。現場で見たら闇魔法で姿が隠されているけど、表示している魔法が勝っちゃってるってこと?」
姿を消す魔法とか、なんだか格好良いのにシルエットが見えちゃってると思ったら、
魔法で表示しているから見え方が違うんじゃないかって母様が言う。
表示に使っているのは、光魔法と風魔法だ。肉眼でモノを見る時って、光で情報を取得しているんじゃないかな。
闇魔法で光の効果に作用してるんだとしたら、光魔法が闇魔法とぶつかっているかもしれないけど
風魔法で輪郭とかを得ている機能とかは闇魔法の影響を受けていないのかもしれない。
「風魔法で輪郭を取っているからじゃないかな」
兄上は、魔道具の魔法が勝っているかもと言ったけど、風魔法は勝ち負けじゃなくて、網目を潜り抜けたみたいになっている気がする。
「風魔法だったのか……」
「乳白色の魔石も使っているから光魔法も動作しているよ」
「とんでもない技術な気が……。……でも、今はこっちか。姿隠すなんて怪しいよな」
兄上は目を見開いて頭を軽く振った。
軽く溜息をついて、壁の「動く写し絵」に視線を戻した。
黒ローブ達は広い通りを歩いて行き、途中で曲がって狭い路地に入った。
路地に入ってすぐのところにある扉をノックする。
トントントン トントントン トントントン
素早く三回叩く動作を3度続ける。少しの間沈黙が流れたと思ったら硬い木とかで叩くような音が聞こえた。
カンッ
トントン
木で叩くような音に応えるように黒ローブが二回ノックをした。
カンッ
トントン
再び木で叩くような音。そしてノック二回したと思ったらガチャっと鍵が開くような音がして扉が開いた。
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