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第1章
第151話 冒険者
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脳裏に浮かんだ光景をもう一度よく見ようとしたら、スッと煙のように消えてしまった。
なんだろう。よく分からない光景だった。僕の妄想?何かを察知した結果見えたものなの?
二人目の冒険者の顔は、汚れた手袋をしていた騎士だった。あの騎士が冒険者?
汚れた手袋の騎士が冒険者の格好をして、河原にいた騎士と揉めているってどういうこと?
本館の奥で尋問されているところで「冒険者が」って言っていた。
……その冒険者が王宮騎士だった?
心臓がドキドキしてきて、クラクラしそう。
落ち着け。
これは、単に僕の想像かもしれないんだ。
でも、本当に、あの手袋が汚れた騎士が、沼地を荒らした騎士に喧嘩を撃った冒険者だったら?
一体、何の為?
どうして良いか分からず、無駄に部屋をキョロキョロと見回してしまった。でも一人で考えていてもどうしようもない。
「……兄上に相談しよう」
困った時は兄上に相談だ。うん、何でも兄上に頼り切りってわけじゃないつもりだよ。でも、これは多分相談案件じゃないかって思うんだ。
朝になってからでも良いんじゃないかとも考えたけど、このままだと気持ちが落ち着かなくて眠れそうにない。それに、もしも脳裏の光景が本当だったら急いだ方が良いんじゃないかって思えてきた。
部屋を飛び出して、隣の兄上の部屋をドンドンドン!ドンドンドン!とノックした。
「兄上~!」
「……クリス、どうしたんだ?」
兄上は、兄上の部屋ではなく、階下から階段を登ってきて姿を現した。
「兄上……!一階に居たの?」
兄上を呼びに行ったのに、思った場所と違うところから兄上が現れたのでちょっとビクッと飛び上がってしまった。
「ああ。母上が戻ってきたら、今日のことをもっと聞けるかと思ったから
寝るギリギリまで待っていようかと思ったんだ」
兄上も毒事件のこととかで落ち着かなかったのかな。
階下で母様を待っていたけど、僕がノックをする音を聞いて、二階まで上がってきてくれたようだ。
「夢を見て……」
沼地を荒らした容疑者の騎士達が尋問で言っていた「冒険者」の一人が、あの汚れた手袋の騎士だという光景が浮かんできたと説明をした。
兄上は僕の話を聞いて眉を寄せて、思案する様子で目つきを鋭くした。
「あのドレイクって騎士が……冒険者?」
「ドレイクって……、そんな名前だったけ……。そうだったかも……」
汚れた手袋のイメージが強くて、名前を覚えきれていなかった。
そういえばそんな名前で呼ばれているのを聞いたような気もする。
「でも、本当なのかは分からないよ?夢で見ただけだし」
脳裏に浮かんだ光景が本当のことかは分からない。気になっちゃうけど、断言はできないんだよね。
「確認してみれば貰えば良いだろ」
「どうやって?」
「捕まってる騎士に、顔を確認させたらはっきりするんじゃないか」
「そ、そうか……。だけど、いきなり『あの騎士が冒険者かも』って言っても
何言ってるんだ?って思われない?確認させてもらえるかな」
「そうだな……」
兄上は一度大きく息を吸って吐き、チラリと本館がある方向に目線を動かした。
なんだろう。よく分からない光景だった。僕の妄想?何かを察知した結果見えたものなの?
二人目の冒険者の顔は、汚れた手袋をしていた騎士だった。あの騎士が冒険者?
汚れた手袋の騎士が冒険者の格好をして、河原にいた騎士と揉めているってどういうこと?
本館の奥で尋問されているところで「冒険者が」って言っていた。
……その冒険者が王宮騎士だった?
心臓がドキドキしてきて、クラクラしそう。
落ち着け。
これは、単に僕の想像かもしれないんだ。
でも、本当に、あの手袋が汚れた騎士が、沼地を荒らした騎士に喧嘩を撃った冒険者だったら?
一体、何の為?
どうして良いか分からず、無駄に部屋をキョロキョロと見回してしまった。でも一人で考えていてもどうしようもない。
「……兄上に相談しよう」
困った時は兄上に相談だ。うん、何でも兄上に頼り切りってわけじゃないつもりだよ。でも、これは多分相談案件じゃないかって思うんだ。
朝になってからでも良いんじゃないかとも考えたけど、このままだと気持ちが落ち着かなくて眠れそうにない。それに、もしも脳裏の光景が本当だったら急いだ方が良いんじゃないかって思えてきた。
部屋を飛び出して、隣の兄上の部屋をドンドンドン!ドンドンドン!とノックした。
「兄上~!」
「……クリス、どうしたんだ?」
兄上は、兄上の部屋ではなく、階下から階段を登ってきて姿を現した。
「兄上……!一階に居たの?」
兄上を呼びに行ったのに、思った場所と違うところから兄上が現れたのでちょっとビクッと飛び上がってしまった。
「ああ。母上が戻ってきたら、今日のことをもっと聞けるかと思ったから
寝るギリギリまで待っていようかと思ったんだ」
兄上も毒事件のこととかで落ち着かなかったのかな。
階下で母様を待っていたけど、僕がノックをする音を聞いて、二階まで上がってきてくれたようだ。
「夢を見て……」
沼地を荒らした容疑者の騎士達が尋問で言っていた「冒険者」の一人が、あの汚れた手袋の騎士だという光景が浮かんできたと説明をした。
兄上は僕の話を聞いて眉を寄せて、思案する様子で目つきを鋭くした。
「あのドレイクって騎士が……冒険者?」
「ドレイクって……、そんな名前だったけ……。そうだったかも……」
汚れた手袋のイメージが強くて、名前を覚えきれていなかった。
そういえばそんな名前で呼ばれているのを聞いたような気もする。
「でも、本当なのかは分からないよ?夢で見ただけだし」
脳裏に浮かんだ光景が本当のことかは分からない。気になっちゃうけど、断言はできないんだよね。
「確認してみれば貰えば良いだろ」
「どうやって?」
「捕まってる騎士に、顔を確認させたらはっきりするんじゃないか」
「そ、そうか……。だけど、いきなり『あの騎士が冒険者かも』って言っても
何言ってるんだ?って思われない?確認させてもらえるかな」
「そうだな……」
兄上は一度大きく息を吸って吐き、チラリと本館がある方向に目線を動かした。
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