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第二章 『魔力』が無いと勝手に思い込んでいました
イメージ通りに作れるって凄くない!?
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おぉぉぉぉッ!?
すごっ!
イメージ通り。
ここの侍女様達は優秀ね!
こんなすごい人達に囲まれて生活してたら、影薄くなりそう。
だって、私が想像を膨らまして言葉にした通りの物が出来てるのよ!
すごいとしか言いようがないじゃん!
テンションが上がり気味な私は今、全体が写せる鏡の前で頼んでいた水色と白を基準にしたジャージの試着をしていた。
余裕をもって少し大きめに作って貰ったけど、文句なしの出来栄えね。
そもそも、文句は言わないけど。
「ソフィア様?」
「あっ、うん、イメージ通りよ。ご苦労さま、もう下がっていいよ」
「はい」
ジャージに感動していて背後に侍女が居るのをすっかり忘れていたわ。
侍女が部屋から出て行くのを確認した私は、嬉しさのあまり手をバタバタと上下に動かした。
さっきの侍女は裁縫が得意で、ドレスも作れるぐらい器用な人。私のドレスも彼女が仕立てている。
名前はリリー。紫色のショートヘアをしていて琥珀色の瞳が少しタレ目になっている。私から見たリリーの印象はとてもクールだ。というよりも、無口に近い。
「あの……」
背後から部屋を出て行った筈のリリーの声がして、勢いよく振り向いた。
もう部屋に居ないと思っていたものだから。
「リ、リリー!?」
「申し訳ございません。ノックしたのですが、悲鳴がしたもので。何かあったのかと思いまして」
「え! ひ、悲鳴!?」
私は自分の行動を振り返った。
確か、リリーが部屋から出て行ったのを確認して、興奮を抑えきれずに手をバタバタさせて。
声も同時に出てたような。
それも悲鳴に近い。「キャーー!」という声だったから何事かと思ったのだろう。
部屋を出て行ったから油断していた。
心配かけた申し訳なさと恥ずかしさが同時に来て、なんとも言えない気持ちになり言葉に詰まった。
「気に入らなかった、でしょうか?」
「違うんだよ! 完璧よ。完璧すぎて興奮してしまったのよ」
私は本当のことを言うことにした。
本当に完璧なの。ジャージよ! あのジャージ様なのよ!?
今世でもまた着られるなんて思ってもいなかった。なんなら、一生着れないとさえ思っていたもの。
似たような物が作れたらそれで満足だったのに、再現出来るだなんて。
「そ、そうですか」
リリーは若干引き気味だったけど、その顔は照れていて口元がニヤついていた。
深々とお辞儀をしたリリーは部屋から出て行った。
さて、ジャージに感動するのはまた今度にしといて今は私の魔法のことを調べなくちゃ。
私の魔法、それは無属性の可能性があるということ。
だけど確信がない。確信に変わるとしたら、私の本当の両親が残してくれた魔導日記。あれに手がかりがあるかもしれない。
ーーでも注意しなければ。
魔導日記に触れると攻撃魔法が発動する可能性がある。
魔導日記は、箱に入ったまま渡されて一回しか開けたことしかなかった。
ノア先生の時はたまたま発動しなかっただけのような気がする。
今回も発動しないなんて、そんな偶然が重なるはずはない。けど、前に魔導日記だと知らずに少し読んだ時もなにも反応なかったのよね。
ベッド下にある箱を取り出す。
ずっとベッド下に置いといたというのにホコリひとつ付いていない。
きっと侍女が掃除を頑張ってくれてるおかげね。
ベッド下に箱があるのに気付いているだろうに、それを黙ってるなんて、空気が読める人達で本当に助かる。
恐る恐る箱の中にある魔導日記を取り出そうとするが、その手を止める。
素手で触るのはまずいんじゃ……。
前回が何もなかったとはいえ、不安なのは変わりない。
私は、ハンカチを使って魔導日記に触れようとした。
触れてみると特になにも起こらなかったので、安心して取り出した。
魔導日記はノア先生の持っている魔導日記と同じように古びていた。
一ページ、一ページ、読んでいると、それは日記というよりもなにかの研究のような。
実験結果がこと細かく書かれていた。
私にはその内容が難しく、理解しがたい。
唯一理解できたのは、私の両親は魔術士のように、魔導具なしで魔法を使えるようにする実験をしていた。
結局は失敗続きでいい結果はなかったらしいけど。
「あった!」
魔導日記のページを読みながらめくっていると、無属性の文字を見つけた。
無属性は、魔法を無力化する他に魔法陣を作り出し、さらには作り替えることも出来る。
無属性は『聖なる乙女』の加護は必要としなくても、自分の魔力と対話をすれば自由に使いこなせるが加護がない分、負担は大きい。
「負担、それなら魔力を高めることは出来ないのかな」
さらにページをめくっていても、魔力が高まる方法は見つからなかった。
魔力関係の本を探すしかないのかも。
もしかすると、魔力が高まる方法がない可能性も。
そう思ったが、私はその考えを否定した。
ネガティブ思考に走っちゃダメ。
可能性があるのならその可能性にかけないと。
私がこの世界で生き残る為に。
それにしても、自分が無属性だという確信はまだないのよね。
わかりやすい確認の方法といえば……。
魔法を無力化ね。
侍女にお願いして攻撃系の魔法を放ってもらおうかしら?
すごっ!
イメージ通り。
ここの侍女様達は優秀ね!
こんなすごい人達に囲まれて生活してたら、影薄くなりそう。
だって、私が想像を膨らまして言葉にした通りの物が出来てるのよ!
すごいとしか言いようがないじゃん!
テンションが上がり気味な私は今、全体が写せる鏡の前で頼んでいた水色と白を基準にしたジャージの試着をしていた。
余裕をもって少し大きめに作って貰ったけど、文句なしの出来栄えね。
そもそも、文句は言わないけど。
「ソフィア様?」
「あっ、うん、イメージ通りよ。ご苦労さま、もう下がっていいよ」
「はい」
ジャージに感動していて背後に侍女が居るのをすっかり忘れていたわ。
侍女が部屋から出て行くのを確認した私は、嬉しさのあまり手をバタバタと上下に動かした。
さっきの侍女は裁縫が得意で、ドレスも作れるぐらい器用な人。私のドレスも彼女が仕立てている。
名前はリリー。紫色のショートヘアをしていて琥珀色の瞳が少しタレ目になっている。私から見たリリーの印象はとてもクールだ。というよりも、無口に近い。
「あの……」
背後から部屋を出て行った筈のリリーの声がして、勢いよく振り向いた。
もう部屋に居ないと思っていたものだから。
「リ、リリー!?」
「申し訳ございません。ノックしたのですが、悲鳴がしたもので。何かあったのかと思いまして」
「え! ひ、悲鳴!?」
私は自分の行動を振り返った。
確か、リリーが部屋から出て行ったのを確認して、興奮を抑えきれずに手をバタバタさせて。
声も同時に出てたような。
それも悲鳴に近い。「キャーー!」という声だったから何事かと思ったのだろう。
部屋を出て行ったから油断していた。
心配かけた申し訳なさと恥ずかしさが同時に来て、なんとも言えない気持ちになり言葉に詰まった。
「気に入らなかった、でしょうか?」
「違うんだよ! 完璧よ。完璧すぎて興奮してしまったのよ」
私は本当のことを言うことにした。
本当に完璧なの。ジャージよ! あのジャージ様なのよ!?
今世でもまた着られるなんて思ってもいなかった。なんなら、一生着れないとさえ思っていたもの。
似たような物が作れたらそれで満足だったのに、再現出来るだなんて。
「そ、そうですか」
リリーは若干引き気味だったけど、その顔は照れていて口元がニヤついていた。
深々とお辞儀をしたリリーは部屋から出て行った。
さて、ジャージに感動するのはまた今度にしといて今は私の魔法のことを調べなくちゃ。
私の魔法、それは無属性の可能性があるということ。
だけど確信がない。確信に変わるとしたら、私の本当の両親が残してくれた魔導日記。あれに手がかりがあるかもしれない。
ーーでも注意しなければ。
魔導日記に触れると攻撃魔法が発動する可能性がある。
魔導日記は、箱に入ったまま渡されて一回しか開けたことしかなかった。
ノア先生の時はたまたま発動しなかっただけのような気がする。
今回も発動しないなんて、そんな偶然が重なるはずはない。けど、前に魔導日記だと知らずに少し読んだ時もなにも反応なかったのよね。
ベッド下にある箱を取り出す。
ずっとベッド下に置いといたというのにホコリひとつ付いていない。
きっと侍女が掃除を頑張ってくれてるおかげね。
ベッド下に箱があるのに気付いているだろうに、それを黙ってるなんて、空気が読める人達で本当に助かる。
恐る恐る箱の中にある魔導日記を取り出そうとするが、その手を止める。
素手で触るのはまずいんじゃ……。
前回が何もなかったとはいえ、不安なのは変わりない。
私は、ハンカチを使って魔導日記に触れようとした。
触れてみると特になにも起こらなかったので、安心して取り出した。
魔導日記はノア先生の持っている魔導日記と同じように古びていた。
一ページ、一ページ、読んでいると、それは日記というよりもなにかの研究のような。
実験結果がこと細かく書かれていた。
私にはその内容が難しく、理解しがたい。
唯一理解できたのは、私の両親は魔術士のように、魔導具なしで魔法を使えるようにする実験をしていた。
結局は失敗続きでいい結果はなかったらしいけど。
「あった!」
魔導日記のページを読みながらめくっていると、無属性の文字を見つけた。
無属性は、魔法を無力化する他に魔法陣を作り出し、さらには作り替えることも出来る。
無属性は『聖なる乙女』の加護は必要としなくても、自分の魔力と対話をすれば自由に使いこなせるが加護がない分、負担は大きい。
「負担、それなら魔力を高めることは出来ないのかな」
さらにページをめくっていても、魔力が高まる方法は見つからなかった。
魔力関係の本を探すしかないのかも。
もしかすると、魔力が高まる方法がない可能性も。
そう思ったが、私はその考えを否定した。
ネガティブ思考に走っちゃダメ。
可能性があるのならその可能性にかけないと。
私がこの世界で生き残る為に。
それにしても、自分が無属性だという確信はまだないのよね。
わかりやすい確認の方法といえば……。
魔法を無力化ね。
侍女にお願いして攻撃系の魔法を放ってもらおうかしら?
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