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第六章 皇帝陛下の思惑
なんだか犬みたい
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「あ、あのぉ~」
マテオ様がずっと黙って歩いていたので、怖くなって話しかけた。
ずっと黙って歩くのって怖いじゃん!!
私、知らない間になにかしてそうなんだもん。
なにかしてたら申し訳ない……。
「着いた」
「ここって、私の寝室ですが?」
「……。はい、ソフィア様の寝室です」
確か、私に見せたいものがあるって言ってたけど。
それが寝室に?
なんだろう。
そう思いながらも、私は扉を開いた。
「ハン……モック?」
そう、そこには窓側にハンモックが置かれていた。
普通なら、柱と柱に繋げるのだが、このハンモックは木で出来たハンモックスタンドのようなものに布を広げて紐が結んである。
「外だと危険だから、木を削って作ったんですが……見たことないから、これでいいのかわからないけど」
「作った!?」
マテオ様を見ると、手が傷だらけだった。
私の視線が手に向いているのを察したのか、頬を赤く染めて傷だらけの手を隠すように後ろに持っていく。
なに、この子。可愛いんだけど。
「あ、ありがとうございます。とっても嬉しいです」
「……オリヴァーも手伝ってくれた」
「オリヴァーさん? オリヴァーさんにもお礼言わないといけませんね。どこにいるんでしょう?」
「今は行かない方がいい」
「どうして?」
「疲れてるから」
「そう、なんですか。では、お礼はまた今度ですね」
マテオ様はコクンっと、首を上下に振った。
「ソフィア様も疲れてるようなので……」
そう言って出ていこうとしたマテオ様を引き止めた。
「ま、待って!! お礼をさせてください」
「お礼……なんでもいい?」
「はい。あっ、でも。私に出来ないことは無理ですけど」
「なら、ベッドに座って」
「え? はい。わかりました?」
ベッドに座って、どうするんだろうと疑問に思いつつも座る。
マテオ様も私の横に座ったと思ったら、私の膝を枕にして横になってきた。
これは世に言う『膝枕』というやつだ。
どういうことだろう。
なに、この展開。
「マ、マテオ様??」
「ソフィア様。俺、あんたと家族になりたい」
マテオ様の思いがけない発言に混乱する。
わけわかんないもん!! あんた、私のことが嫌いでしょう?
なんで家族になりたいのよ。
「……いや、なんでもない。忘れてください」
「忘れて……だなんて」
「……、ソフィア様は変だ」
随分、唐突で失礼なこと言うなぁ。
「俺はあんたを殺そうとしてた。それなのに、どうして仲良くしてくれる?」
「それは前も言ったと思います。全部、あなたの不満を私にぶつければいいと。それに、そう思うなら、こんな状況はおかしいと思いますが」
「そ、それは……」
殺そうとしてるのに仲良くしてくれるという疑問を持っているのに、この距離感はおかしい。
まぁ、おかしいのは私も同じか。
「な、なで……」
「ん?」
「な、撫でてほしいんです!!」
頬を赤くして言うマテオ様。
これって……甘えてる??
「二人の時でいいから、撫でて……褒めてほしい」
「え、でも」
「ソフィア様がはじめてなんです。俺の存在を認めてくれたの。カース様は、認めてたんじゃなくていいように使ってただけだから」
同情になると思うけど、ほっとけないんだよ。
昔の自分を見ているようで。
とても辛い。
人によっては、手を伸ばすことをしないのになにも話してくれないと思う人が多いと思う。
でも私は、手を伸ばさないのに心を開いてくれるわけがないと思う。
多分、手を伸ばしてるつもりな人も多いでしょう。
『されたい』なら『してあげないと』って思う。
偉そうなこと思ってるけど、もしかしたら私も手を伸ばしてるつもりなのかもしれないんだけど。
「撫でるの……イヤ?」
頬を赤く染めながら言うものだから、胸の奥がキュンってなり、思わず抱き締めたいのを必死に我慢した私はそっとマテオ様の頭を撫でる。
マテオ様は、気持ちよさそうに目を細めた。
なんだか、犬みたい。
可愛いなぁ。
家族かぁ。家族だったら、姉弟よね。姉弟になったら誕生日からして私が妹ね。マテオ様が兄になる。
まぁ、きっと冗談よね。
甘えるぐらいには心を開いてくれて嬉しいけど。
マテオ様がずっと黙って歩いていたので、怖くなって話しかけた。
ずっと黙って歩くのって怖いじゃん!!
私、知らない間になにかしてそうなんだもん。
なにかしてたら申し訳ない……。
「着いた」
「ここって、私の寝室ですが?」
「……。はい、ソフィア様の寝室です」
確か、私に見せたいものがあるって言ってたけど。
それが寝室に?
なんだろう。
そう思いながらも、私は扉を開いた。
「ハン……モック?」
そう、そこには窓側にハンモックが置かれていた。
普通なら、柱と柱に繋げるのだが、このハンモックは木で出来たハンモックスタンドのようなものに布を広げて紐が結んである。
「外だと危険だから、木を削って作ったんですが……見たことないから、これでいいのかわからないけど」
「作った!?」
マテオ様を見ると、手が傷だらけだった。
私の視線が手に向いているのを察したのか、頬を赤く染めて傷だらけの手を隠すように後ろに持っていく。
なに、この子。可愛いんだけど。
「あ、ありがとうございます。とっても嬉しいです」
「……オリヴァーも手伝ってくれた」
「オリヴァーさん? オリヴァーさんにもお礼言わないといけませんね。どこにいるんでしょう?」
「今は行かない方がいい」
「どうして?」
「疲れてるから」
「そう、なんですか。では、お礼はまた今度ですね」
マテオ様はコクンっと、首を上下に振った。
「ソフィア様も疲れてるようなので……」
そう言って出ていこうとしたマテオ様を引き止めた。
「ま、待って!! お礼をさせてください」
「お礼……なんでもいい?」
「はい。あっ、でも。私に出来ないことは無理ですけど」
「なら、ベッドに座って」
「え? はい。わかりました?」
ベッドに座って、どうするんだろうと疑問に思いつつも座る。
マテオ様も私の横に座ったと思ったら、私の膝を枕にして横になってきた。
これは世に言う『膝枕』というやつだ。
どういうことだろう。
なに、この展開。
「マ、マテオ様??」
「ソフィア様。俺、あんたと家族になりたい」
マテオ様の思いがけない発言に混乱する。
わけわかんないもん!! あんた、私のことが嫌いでしょう?
なんで家族になりたいのよ。
「……いや、なんでもない。忘れてください」
「忘れて……だなんて」
「……、ソフィア様は変だ」
随分、唐突で失礼なこと言うなぁ。
「俺はあんたを殺そうとしてた。それなのに、どうして仲良くしてくれる?」
「それは前も言ったと思います。全部、あなたの不満を私にぶつければいいと。それに、そう思うなら、こんな状況はおかしいと思いますが」
「そ、それは……」
殺そうとしてるのに仲良くしてくれるという疑問を持っているのに、この距離感はおかしい。
まぁ、おかしいのは私も同じか。
「な、なで……」
「ん?」
「な、撫でてほしいんです!!」
頬を赤くして言うマテオ様。
これって……甘えてる??
「二人の時でいいから、撫でて……褒めてほしい」
「え、でも」
「ソフィア様がはじめてなんです。俺の存在を認めてくれたの。カース様は、認めてたんじゃなくていいように使ってただけだから」
同情になると思うけど、ほっとけないんだよ。
昔の自分を見ているようで。
とても辛い。
人によっては、手を伸ばすことをしないのになにも話してくれないと思う人が多いと思う。
でも私は、手を伸ばさないのに心を開いてくれるわけがないと思う。
多分、手を伸ばしてるつもりな人も多いでしょう。
『されたい』なら『してあげないと』って思う。
偉そうなこと思ってるけど、もしかしたら私も手を伸ばしてるつもりなのかもしれないんだけど。
「撫でるの……イヤ?」
頬を赤く染めながら言うものだから、胸の奥がキュンってなり、思わず抱き締めたいのを必死に我慢した私はそっとマテオ様の頭を撫でる。
マテオ様は、気持ちよさそうに目を細めた。
なんだか、犬みたい。
可愛いなぁ。
家族かぁ。家族だったら、姉弟よね。姉弟になったら誕生日からして私が妹ね。マテオ様が兄になる。
まぁ、きっと冗談よね。
甘えるぐらいには心を開いてくれて嬉しいけど。
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