乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまった私は、全力で死亡フラグを回避したいのに、なぜか空回りしてしまうんです(涙)

藤原 柚月

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第十四章 悪役令嬢

僕に出来ること【ノエル視点】

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 最近、姉上を見ていない。

 毎朝、寮に迎えに行くと姉上の専属侍女からは「もう行ってしまいました……」と、とても申し訳なさそうにしている。

 避けられているような気がすると思って、イリア様に相談しましたがそれは無いとキッパリと言われてしまった。

 更には嫌味で「相変わらずシスコンですこと。いい加減姉離れをなさっては?」とも言われてしまったが、義理とはいえ、姉が大好きなことは悪くは思わないし恥ずべきことでは無いと僕は思うのです。

 一番不安なことといえば、僕は姉上を守れているかどうかだ。

 僕の知らないところで何かが動いているような気がして……焦ってしまいます。

 ですが、焦って姉上に根掘り葉掘り尋ねたくはない。

 もう少し、姉上が頼ってくれていたなら僕はそれに応えたいと思うのに……。

 上手くいかないものですね。

 学園が休みなのもあり、デメトリアス家に帰ると母上と姉上の声が庭の奥から微かに聞こえてきた。

 出迎えてくれた侍女に聞くと、ついさっき姉上が帰宅したとのこと。

 僕は迷うことなく庭の奥に進む。

 姉上の顔が見たい。話がしたかった。

 二人の姿が見え、声をかけようとしたが、咄嗟に隠れてしまった。

 見つかった訳では無い。ましてや二人は僕の存在に気付いていない。

 けれど体が勝手に動いてしまった。

 ーー姉上が泣いていたから。

 ……姉上は、本当は両親に逢いたくて、寂しさをずっと隠して日々生きていた。

 それはわかっていたはずなんだ。両親が亡くなって平然としていられるはずがないことに。

 姉上は両親のことを話したがらないし、僕から聞くのも違うきがするから見守ることにきめた。

 けれど、実際に姉上の泣く姿を見ると、それが正しかったのか不安になる。

 二人に話しかけることなく、僕は屋敷に向かって歩き出した。

 姉上のために僕が出来ることは……。

 何事もなく、姉上に接することと大好きでいることぐらい。

 相談してくれるなら嬉しいけど、姉上のことだからそれは無いだろうと諦めている。

 以前にイアン様が指輪を渡したと言っていた。忠誠の意を示している。その指輪に想いを込めれば、一度だけ守ってくれる。

 守ってはくれるが、元の持ち主がダメージを受けてしまう。

 それぐらい、守りたいと思ったのかもしれないけど。

 正直悔しかった。それは僕がやろうとしていたことだから。

 守護魔がいることだから指輪の効力が発動するかはこの先の未来を知らないから分からないけど、何かの為のお守り代わりにはなる。

 ーー結局、僕は見守ることしか出来ないのか。

 状況が把握出来てない以上どうすることも出来ない。

 姉上を守れるように、強くなりたいが為に剣を習ってたのに、いざという時に僕は力になれなかった。

 姉上が危険な目にあってた時だって、僕は……何も知らずに稽古をしていた。

 正直、焦ってしまう。姉上の役に立ちたくても何も出来てない自分が腹立たしい。

 屋敷にある自分の寝室に向かいながら僕は、自分の無力さを嘆いていた。



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