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第十六章 信頼
淑女に騎士って失礼ですよね
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……はぁ。つ、疲れた。
リリーが素早く選んだドレスを着て、サロンに行ってみれば、私を見るなり目を輝かせたイリア様がオシャレのことをかなり話した。
マシンガントークのように、イリア様が一方的に話してただけだけど。
これが女子の会話……恐るべし。
そんなこんなで夕飯を済まし、お風呂に入って、今は寝室のベットで横になっている。
イリア様は入浴中。……私が思う女子のイメージって入浴後は寝室でパジャマパーティーしたりして恋バナしてはしゃぐのを想像しちゃうけど、貴族だとどうなんだろう。
なんて考えているとリリーが扉を三回ノックしてきたので返事をする。
私はベットから起き上がると、リリーが扉を開けて入ってきた。その後ろにはイリア様が顔を出す。
身体中から湯気が立ち、頬も赤く染っていた。
あまりにも可愛すぎてついつい魅入ってしまう。
何も言わずにじーっと見ていた私に不思議そうに首を傾げた。
「あの、何か?」
その言葉に我に返った私はパッと勢いよく顔を背けて「いえ、あまりにも綺麗だなと……」と思ってることを素直に言ってしまった。
思わず言ってしまったことなだけに恥ずかしくなって訂正しようとしたらイリア様の目がとても輝いていて何も言えなくなってしまった。
そんな二人の様子を微笑ましく見守っていたリリーは咳払いをした後、口を開いた。
「イリア様が一緒にお話したいそうです」
「そ、そうなのね……ありがとう。もう下がっていいよ」
「では失礼します」
リリーは軽くお辞儀をした後、速やかに部屋を出ていった。
扉を完全に閉まったのを見届けたイリア様は私の方を向いた。
つかつかと無言のまま来るものだから身構えてしまう。
イリア様は私の前で膝をつくと私の右手を取り、手の甲に唇を落とした。
「……殿方の真似事ですけど」
「イリア様……えっと、これは」
「わたくし、イリア・クリスタはソフィア様を守る騎士になりたいのですわ。なんて……なれるはずないのに、おかしいですわね」
クスッと笑うイリア様はどこか寂しそうにも見えた。
女性からは手の甲にキスする行為はやってはいけない決まりはない。けど、風習とは恐ろしいもので、男性がやるべき行為の一つだと自然な流れでそう思う貴族が多い。
きっと、イリア様が今やった行為は軽・蔑・されるのをわかっていてやっているんだろう。
その証拠に手が震えてる。
それでも今やったのは……イリア様の考えがあってのことだと私は思った。
それと同時になんでそこまでするんだろう。私にはそんな価値なんて無いのに……。
そんなことを考えてしまう。
私は、イリア様の考えを否定したいわけじゃない。
自分にあまりにも自信がなく、無価値な存在だと思ってるからそんな思考に走ってしまった。
私の心は弱くないと信じたい。
だから、
「おかしい、なんてそんなことないですよ。イリア様にはイリア様のお考えがあるのでしょう? 私自身、その気持ちを大切にしたいですし、信じていたいです。それに……なによりも、歳が近い女性の友人なんです。お恥ずかしいことですが、初めて出来た令嬢の友人です」
私はイリア様の手を取り、優しく握る。
「あなたに出会えて良かった。……イリア様の友人になれて、私は幸せ者です。イリア様はとても頼れる私の騎士です。あっ、淑女に騎士って失礼ですよね。えっと……私のお姫様です!」
これだ! と思って言い切った言葉が、なんとも誤解されそうな響きで恥ずかしくなって訂正しようとしたら、イリア様が一瞬、唖然としていたがすぐに面白そうに手を口に当てて笑う。
イリア様は照れながらも可笑しそうにクスクスと笑う。
「ふふっ。お姫様ですか。ソフィア様は面白い人ですわ。わたくしが殿方でしたら、間違いなく惚れていましたかも。そんな性格だからこそ……」
「???」
「なんでもありませんわ。もう少しだけ……お話しませんか? もっとソフィア様とお話したいんですの」
そう言ったイリア様は妖美に笑う。
若干、イリア様の言葉が気になったけど、それよりも私の頭の中ではアイリスが気になって仕方がなかった。
ノア先生がアイリスが空白の手紙と宝石を託した意味がわかったのは、それから数日後だった。
リリーが素早く選んだドレスを着て、サロンに行ってみれば、私を見るなり目を輝かせたイリア様がオシャレのことをかなり話した。
マシンガントークのように、イリア様が一方的に話してただけだけど。
これが女子の会話……恐るべし。
そんなこんなで夕飯を済まし、お風呂に入って、今は寝室のベットで横になっている。
イリア様は入浴中。……私が思う女子のイメージって入浴後は寝室でパジャマパーティーしたりして恋バナしてはしゃぐのを想像しちゃうけど、貴族だとどうなんだろう。
なんて考えているとリリーが扉を三回ノックしてきたので返事をする。
私はベットから起き上がると、リリーが扉を開けて入ってきた。その後ろにはイリア様が顔を出す。
身体中から湯気が立ち、頬も赤く染っていた。
あまりにも可愛すぎてついつい魅入ってしまう。
何も言わずにじーっと見ていた私に不思議そうに首を傾げた。
「あの、何か?」
その言葉に我に返った私はパッと勢いよく顔を背けて「いえ、あまりにも綺麗だなと……」と思ってることを素直に言ってしまった。
思わず言ってしまったことなだけに恥ずかしくなって訂正しようとしたらイリア様の目がとても輝いていて何も言えなくなってしまった。
そんな二人の様子を微笑ましく見守っていたリリーは咳払いをした後、口を開いた。
「イリア様が一緒にお話したいそうです」
「そ、そうなのね……ありがとう。もう下がっていいよ」
「では失礼します」
リリーは軽くお辞儀をした後、速やかに部屋を出ていった。
扉を完全に閉まったのを見届けたイリア様は私の方を向いた。
つかつかと無言のまま来るものだから身構えてしまう。
イリア様は私の前で膝をつくと私の右手を取り、手の甲に唇を落とした。
「……殿方の真似事ですけど」
「イリア様……えっと、これは」
「わたくし、イリア・クリスタはソフィア様を守る騎士になりたいのですわ。なんて……なれるはずないのに、おかしいですわね」
クスッと笑うイリア様はどこか寂しそうにも見えた。
女性からは手の甲にキスする行為はやってはいけない決まりはない。けど、風習とは恐ろしいもので、男性がやるべき行為の一つだと自然な流れでそう思う貴族が多い。
きっと、イリア様が今やった行為は軽・蔑・されるのをわかっていてやっているんだろう。
その証拠に手が震えてる。
それでも今やったのは……イリア様の考えがあってのことだと私は思った。
それと同時になんでそこまでするんだろう。私にはそんな価値なんて無いのに……。
そんなことを考えてしまう。
私は、イリア様の考えを否定したいわけじゃない。
自分にあまりにも自信がなく、無価値な存在だと思ってるからそんな思考に走ってしまった。
私の心は弱くないと信じたい。
だから、
「おかしい、なんてそんなことないですよ。イリア様にはイリア様のお考えがあるのでしょう? 私自身、その気持ちを大切にしたいですし、信じていたいです。それに……なによりも、歳が近い女性の友人なんです。お恥ずかしいことですが、初めて出来た令嬢の友人です」
私はイリア様の手を取り、優しく握る。
「あなたに出会えて良かった。……イリア様の友人になれて、私は幸せ者です。イリア様はとても頼れる私の騎士です。あっ、淑女に騎士って失礼ですよね。えっと……私のお姫様です!」
これだ! と思って言い切った言葉が、なんとも誤解されそうな響きで恥ずかしくなって訂正しようとしたら、イリア様が一瞬、唖然としていたがすぐに面白そうに手を口に当てて笑う。
イリア様は照れながらも可笑しそうにクスクスと笑う。
「ふふっ。お姫様ですか。ソフィア様は面白い人ですわ。わたくしが殿方でしたら、間違いなく惚れていましたかも。そんな性格だからこそ……」
「???」
「なんでもありませんわ。もう少しだけ……お話しませんか? もっとソフィア様とお話したいんですの」
そう言ったイリア様は妖美に笑う。
若干、イリア様の言葉が気になったけど、それよりも私の頭の中ではアイリスが気になって仕方がなかった。
ノア先生がアイリスが空白の手紙と宝石を託した意味がわかったのは、それから数日後だった。
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