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第十八章 アイリスの願いと叶わないと思っていた恋
誰よりも素敵な人なんだよ
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「何?」
私を見るなり、侍女の一人は声を低くして眉間に皺を寄せて攻撃的な目を向ける。
一瞬、怖気付きそうになったが負けじと反抗した目を向けた。
「その話の中心にいる人物はアイリス様ですよね? 貴族令嬢の悪口を言って良いんですか?」
「あら。誰がアイリス様の話をしてるなどと言ったのです?」
「名前出してないんだからさぁ。少し考えればわかる事じゃない。それとも、アイリス様の話だという証拠でもあるの?」
「言えてる。どこの侍女か知らないけど頭おかしいんじゃないの。そんなんでよく仕事出来るわね」
二人は私を見ながらわざとらしく笑っている。
この人達は……、他人を見下して平気なの?
何も思わないの?
罪悪感とかないの?
良心は無いのかな。そもそもなんでそんなにもアイリスを悪者みたいに言われないといけないの……?
そんな感情が一気に押し寄せる。
「……証拠はありません。ですが、あなた達のように影で人を見下して嘲笑って、とぼけたフリしてる人よりも侍女として誇りを忘れずに、親身に向き合ってくれる人を私は知っています。私が頭おかしいと言うならばあなた達はもっとおかしい事になりますよ」
……私は知っている。だって、私の専属侍女なのだもの。誇りを持ち、私の事を大切にしているのか。いつだって、ちゃんと見てくれていた。
だから、
「……思いやりの心を持っているんです。何も理解しようとしない、人をちゃんと見ようとしないあなた達よりもよっぽど……」
アイリスは……誰よりも素敵な人なんだよって言おうとしたら背後からいきなり口を塞がれた。
その代わりに目からは大粒の涙を流してしまった。
「ああ、こんなところにいましたか。探しましたよ」
「~~っ!!!?」
声の主はノア先生だった。私を見た後、二人組に視線を移した。
「すみません。この子、新人なもので……何か粗相はありましたか?」
心配そうに問いかけるノア先生に二人は頬を染めて「何もありません!」と、慌てて走り去っていった。
完全に二人の姿が見えなくなってからやっと口から手を離してくれた。
「……なんで止めたんですか?」
自由になった口からは、思ってることをそのまま言ってしまった。
私はノア先生の顔を見られずに下を向いた。
「目立つ行為は避けてください。私情は挟まないようにお願いします。それに悪口がアイリスさんだとは言っていないのでしょ」
「ノア先生も聞いていたんじゃないんですか? 私は……アイリスだと思いました。結婚だとか言っていたし……それに、私はボロボロになっているアイリスを見たことあります。だから、アイリスのことだと思いました。あの人達はアイリスのことを何も知らないくせにあんな……」
「難しいところですね。あの二人組の侍女は特にタチが悪い。ワザと名前を言いませんでした。貴族の悪口を言っているのが知られれば色々と大変な事になりますからね。仮に本当にアイリスさんの悪口だとして、あの人達を消し掛けてたら、アイリスさんに何をするか分かりません。その事は考えましたか?」
「そ、れは……」
確かにそうだ。売り言葉に買い言葉で反発していたら、アイリスが今よりも酷いめにあうかもしれない。
それでも、悔しい。
なにも状況を理解してない私が言える立場ではないのはわかってる……つもりだった。
あの二人の侍女の言葉を否定したくなった。そんなことしても無意味なのはわかってたのに。
そんな当たり前なことも考えられないほど、頭に血が上っていたのかもしれない。
「ソフィア様。今は兎に角、我慢してください。まぁ、このままでは終わりませんから」
ニコッと笑うノア先生に殺気を感じて何回も大きく頷いた。
静かなる怒り……。ものすごく恐ろしいなと思ってしまった。
私を見るなり、侍女の一人は声を低くして眉間に皺を寄せて攻撃的な目を向ける。
一瞬、怖気付きそうになったが負けじと反抗した目を向けた。
「その話の中心にいる人物はアイリス様ですよね? 貴族令嬢の悪口を言って良いんですか?」
「あら。誰がアイリス様の話をしてるなどと言ったのです?」
「名前出してないんだからさぁ。少し考えればわかる事じゃない。それとも、アイリス様の話だという証拠でもあるの?」
「言えてる。どこの侍女か知らないけど頭おかしいんじゃないの。そんなんでよく仕事出来るわね」
二人は私を見ながらわざとらしく笑っている。
この人達は……、他人を見下して平気なの?
何も思わないの?
罪悪感とかないの?
良心は無いのかな。そもそもなんでそんなにもアイリスを悪者みたいに言われないといけないの……?
そんな感情が一気に押し寄せる。
「……証拠はありません。ですが、あなた達のように影で人を見下して嘲笑って、とぼけたフリしてる人よりも侍女として誇りを忘れずに、親身に向き合ってくれる人を私は知っています。私が頭おかしいと言うならばあなた達はもっとおかしい事になりますよ」
……私は知っている。だって、私の専属侍女なのだもの。誇りを持ち、私の事を大切にしているのか。いつだって、ちゃんと見てくれていた。
だから、
「……思いやりの心を持っているんです。何も理解しようとしない、人をちゃんと見ようとしないあなた達よりもよっぽど……」
アイリスは……誰よりも素敵な人なんだよって言おうとしたら背後からいきなり口を塞がれた。
その代わりに目からは大粒の涙を流してしまった。
「ああ、こんなところにいましたか。探しましたよ」
「~~っ!!!?」
声の主はノア先生だった。私を見た後、二人組に視線を移した。
「すみません。この子、新人なもので……何か粗相はありましたか?」
心配そうに問いかけるノア先生に二人は頬を染めて「何もありません!」と、慌てて走り去っていった。
完全に二人の姿が見えなくなってからやっと口から手を離してくれた。
「……なんで止めたんですか?」
自由になった口からは、思ってることをそのまま言ってしまった。
私はノア先生の顔を見られずに下を向いた。
「目立つ行為は避けてください。私情は挟まないようにお願いします。それに悪口がアイリスさんだとは言っていないのでしょ」
「ノア先生も聞いていたんじゃないんですか? 私は……アイリスだと思いました。結婚だとか言っていたし……それに、私はボロボロになっているアイリスを見たことあります。だから、アイリスのことだと思いました。あの人達はアイリスのことを何も知らないくせにあんな……」
「難しいところですね。あの二人組の侍女は特にタチが悪い。ワザと名前を言いませんでした。貴族の悪口を言っているのが知られれば色々と大変な事になりますからね。仮に本当にアイリスさんの悪口だとして、あの人達を消し掛けてたら、アイリスさんに何をするか分かりません。その事は考えましたか?」
「そ、れは……」
確かにそうだ。売り言葉に買い言葉で反発していたら、アイリスが今よりも酷いめにあうかもしれない。
それでも、悔しい。
なにも状況を理解してない私が言える立場ではないのはわかってる……つもりだった。
あの二人の侍女の言葉を否定したくなった。そんなことしても無意味なのはわかってたのに。
そんな当たり前なことも考えられないほど、頭に血が上っていたのかもしれない。
「ソフィア様。今は兎に角、我慢してください。まぁ、このままでは終わりませんから」
ニコッと笑うノア先生に殺気を感じて何回も大きく頷いた。
静かなる怒り……。ものすごく恐ろしいなと思ってしまった。
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