宇宙人は恋をする!

山碕田鶴

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3章 未知とのセッショク

21.セッショク(6/9)

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 キンコーン。キンコーン。キンコーン。

「ちょっと銀太郎、押し過ぎっ!  めいわくだってば」
「コレ、おもしろいでし」

 藤井君の家のチャイムを連打する銀太郎をドアから引きはがしていると、カギの開く音がして、藤井君のお母さんが出てきた。

「あの、はじめまして。司君と同じクラスの川上葵です。今日おじゃまする約束をしていて……」
「いらっしゃい。お友だちが来るとは聞いていたけれど、まあまあっ」

 女子は想定外、かな。

「後ろの方も、お友だち……?」

 こちらが本命です。
 蓮君が十九歳だから、お友だちにしては年上過ぎに感じるかもしれない。

「はじめまして。ワタシはこういう者です」

 銀太郎があいさつをした。手に持った宇宙人バッジを堂々とばーんっと見せて……いる⁉︎

「うわっ!  銀太郎なにしているのよ⁉︎」

 その自己紹介は、いくらなんでもアヤシ過ぎでしょう!
 藤井君のお母さんはよほど驚いたのか、バッジを見つめたまましばらく黙っていた。

「……ああ、宇宙人の……そうなのね。よくいらっしゃいました。どうぞ上がって下さい」

 驚いたまま、なんとか笑顔で対応している感じだ。藤井君がUFOオタクなのは知っているのだろうけれど、とうとう趣味仲間が来たかーって思われたのかな。
 パパも世間の目が冷たいと知っているから、私をパパの趣味につきあわせなかった……とか?
 藤井君の部屋におじゃまして、お母さんがなんとなく塩対応だった理由がわかった気がした。

「いらっしゃい。あ、はじめまして銀太郎さん。藤井司です」

 とても行儀よくさわやかな笑顔であいさつする藤井君は、まさしくイケメン王子様だ。
 下校時に見たぼやんとした感じはどこにもない。銀太郎が来たのでテンションが高いのかもしれない。
 高貴で優雅でセレブで、思わずこちらから頭を下げないといけないと思わせる圧倒的な高次元の存在感。学校にいる時の百倍増しの王子様感ってどういうことだろう?
 一見普通のお家って感じなのだけれど、藤井君はなぜこれほどに……って、本人はともかく、この部屋!
 UFOの模型。UFOのポスター。UFOの記事のスクラップ。壁一面の世界地図にはUFOのシールがいっぱい貼られている。絶対にUFO出没地だ。
 そしてきわめつけは、本だなを占領しているアレ。日本が誇るスーパーミステリー雑誌「月刊ウー」。
 パパの子供時代もきっとこうだったにちがいない。藤井君って、実はウチのパパにそっくり?

「わあ、フジークンすごいですね。UFOいっぱい」

 銀太郎はキョロキョロと部屋中を見回している。「地球人から見たUFO展」に来たお客さんみたいだ。

「UFO模型、ありますね」
「それは映画に出てくる作り物なので、ホンモノはもっとちがうと思います」

 いきなり本題に入っている。
 マニアックな趣味仲間ほど、いきなり親友になれる気がした。

「フジークン、ホンモノ見たことありますか?」
「まだないです。でも、先週すごい光を見たんです! 一瞬だったけれど、この近所で。絶対にUFOだったと思います!」
「あ、それ三角のUFOだ」
「え⁉︎ 川上さん見たの? 三角⁉︎」

 あ……。つい。
 藤井君にキラキラした目で見つめられて、ものすごく失言だった気がして後悔した。

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