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5章 星からのキカン
38.キカン(4/20)
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どんよりしていると言われたら、そう見えてしまう。
私にとって藤井君は、その程度の距離だ。
でも、あいさつはできるようになったし、私をただのクラスの女子ではなく「川上さん」と認識してくれている。たぶん「銀太郎の知り合いの」という修飾語がついているけれど。
きっと藤井君なら、パパのことを話しても信じてくれるしわかってもらえる。きっと銀太郎のことだって、藤井君なら一緒に驚いたり笑ったりしてくれる。
……理想の押しつけかな。
それでも、今だけ、勝手に思うだけなら許してほしい。
私、本当はすごく不安なの。
パパはどうなってしまうのだろう。
これまでだってパパがいきなり一ヶ月くらい帰って来ないことはよくあった。仕事だから、どこで何をしていたのか聞いたことはないけれど。
出張のおみやげは、温泉まんじゅうとかカワイイ絵が印刷されたクッキーとか、それこそ日本全国共通の物ばかりだった。たまに海外出張だと気づいたのは、日本の空港で買ったとわかる袋におみやげが入っていたからで、行き先は不明だった。
守秘義務? 仕事の関係でそういうのがあるのだと思って、気にもしなかった。お母さんがパパの仕事内容にはふれないから、そういうものだと思ってきた。
今回は明らかに警察に行ったのだから、堂々とポリスまんじゅうとか買って来てくれるのかな?
……なんてね。笑い話で終わるといいな。
お母さんも美央たちも、みんな私を心配してくれて優しくて、でもそれなのに私は全然元気になれない。
ごめんなさいって思って、元気にしていなきゃって思って、元気にできない自分がイヤになっている。
モヤモヤが、重い。
「川上さん」
「は、はいっ⁉︎」
藤井君⁉︎
「帰らないの?」
「え?」
教室には、ほぼ誰もいなかった。登校したとたんに下校時間?
……タイムワープした?
色々考えていて今日の私は全自動運転だったのかな。記憶がない。
「大丈夫?」
ああ、藤井君にまで心配されている。
私、変だった? どうしよう、変だと思われていないっ⁉︎
「もう出ないと先生に怒られるよ?」
「うん……」
よくわからないまま、藤井君にうながされてとりあえず教室を出た。
なりゆきで一緒に歩いている藤井君のカバンには、ビニールケースに入れてキーホルダーにした宇宙人バッジがゆらゆらとぶら下がっている。
パパと、銀太郎と、藤井君と。
変なつながり。
「川上さん、銀太郎さんってまだ家にいるの?」
校門を出たところで、藤井君が遠慮がちに訊いてきた。
「え、と。まだいるよ。もうすぐ帰るみたいだけれど、たぶんまだしばらくいると思う」
「……もう一度、会えないかな?」
なんだろう。思いつめたような重い空気だ。
藤井君も悩んでいるみたいだって、ひな子が言っていた。
銀太郎になら相談できそうなのかな。
「銀太郎にお願いしてみるね」
「ありがとう」
藤井君は笑顔を見せたけれど、前ほどの元気がない。
なんだか、藤井君も大変そうだよね。
二人して、ちょっと暗い。
私にとって藤井君は、その程度の距離だ。
でも、あいさつはできるようになったし、私をただのクラスの女子ではなく「川上さん」と認識してくれている。たぶん「銀太郎の知り合いの」という修飾語がついているけれど。
きっと藤井君なら、パパのことを話しても信じてくれるしわかってもらえる。きっと銀太郎のことだって、藤井君なら一緒に驚いたり笑ったりしてくれる。
……理想の押しつけかな。
それでも、今だけ、勝手に思うだけなら許してほしい。
私、本当はすごく不安なの。
パパはどうなってしまうのだろう。
これまでだってパパがいきなり一ヶ月くらい帰って来ないことはよくあった。仕事だから、どこで何をしていたのか聞いたことはないけれど。
出張のおみやげは、温泉まんじゅうとかカワイイ絵が印刷されたクッキーとか、それこそ日本全国共通の物ばかりだった。たまに海外出張だと気づいたのは、日本の空港で買ったとわかる袋におみやげが入っていたからで、行き先は不明だった。
守秘義務? 仕事の関係でそういうのがあるのだと思って、気にもしなかった。お母さんがパパの仕事内容にはふれないから、そういうものだと思ってきた。
今回は明らかに警察に行ったのだから、堂々とポリスまんじゅうとか買って来てくれるのかな?
……なんてね。笑い話で終わるといいな。
お母さんも美央たちも、みんな私を心配してくれて優しくて、でもそれなのに私は全然元気になれない。
ごめんなさいって思って、元気にしていなきゃって思って、元気にできない自分がイヤになっている。
モヤモヤが、重い。
「川上さん」
「は、はいっ⁉︎」
藤井君⁉︎
「帰らないの?」
「え?」
教室には、ほぼ誰もいなかった。登校したとたんに下校時間?
……タイムワープした?
色々考えていて今日の私は全自動運転だったのかな。記憶がない。
「大丈夫?」
ああ、藤井君にまで心配されている。
私、変だった? どうしよう、変だと思われていないっ⁉︎
「もう出ないと先生に怒られるよ?」
「うん……」
よくわからないまま、藤井君にうながされてとりあえず教室を出た。
なりゆきで一緒に歩いている藤井君のカバンには、ビニールケースに入れてキーホルダーにした宇宙人バッジがゆらゆらとぶら下がっている。
パパと、銀太郎と、藤井君と。
変なつながり。
「川上さん、銀太郎さんってまだ家にいるの?」
校門を出たところで、藤井君が遠慮がちに訊いてきた。
「え、と。まだいるよ。もうすぐ帰るみたいだけれど、たぶんまだしばらくいると思う」
「……もう一度、会えないかな?」
なんだろう。思いつめたような重い空気だ。
藤井君も悩んでいるみたいだって、ひな子が言っていた。
銀太郎になら相談できそうなのかな。
「銀太郎にお願いしてみるね」
「ありがとう」
藤井君は笑顔を見せたけれど、前ほどの元気がない。
なんだか、藤井君も大変そうだよね。
二人して、ちょっと暗い。
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