宇宙人は恋をする!

山碕田鶴

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5章 星からのキカン

45.キカン(11/20)

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 晩ごはんの後の食卓は、また取り調べ室みたいになっていた。
 パパと銀太郎が並んで座り、その向かいに私とお母さんがいる。
 テーブルに置かれたポリスまんじゅうは、まだ外包も開けられていない。
 これでよく何事もなかったように、みんなでカレーライスを食べたなと思う。
 それはそれ、これはこれ?

「え……と。ただいま?   おみやげ、あるよ?」

 パパが困ったように、小さく言った。
 やっと帰って来たのに歓迎されていない、というよりもお母さんが不機嫌になっている理由がわからずオロオロしている感じだ。

「……お帰りなさいでし」

 となりの銀太郎が、これも小さく返した。お母さんを見たまま動かない。
 さっきまでわあわあ泣いていたから、まだ目がうるんでいて赤い。
 泣き顔の蓮君もキュンとしちゃうけれど、お母さんはそれくらいでだまされたりしない。

「パパ、どういうことなの?」

 お母さんの質問に、パパはますます困った顔をした。

「え、と。銀太郎とは、その……前からの知り合いだったというか……」
「おつきあいしていたの?」

 わっ、ストレートに訊くんだ。

「へっ⁉︎   いやいや、恋人じゃあないからっ」

 パパは両手をパタパタさせながらまじめに否定した。

「……なら、いい」

 お母さんはそれ以上訊かなかった。
 え?   それだけ?
 いつから知り合いなのかとか、どこで出会ったとか、昔からの知り合いならなんで知らないふりをしていたのかとか、私は訊きたいことがいっぱいあるよ⁉︎
 お母さんは気にならないの?
 頭の中が質問だらけになっている私を見て、お母さんは笑っていた。
 いつものお母さんに戻っている。

「パパのお仕事の話はね、訊けないのよ。だから、取り調べはもうおしまい」

 パパの、お仕事?

「パパのお仕事って、忘年会じゃないの?   なんで銀太郎が関係して……」

 あれ?
 あ?
 え?

「忘年会って……ひょっとして……」
「葵ちゃん、パパ別に忘年会だけが担当ってわけじゃ……」
「あああーーーーっ!」

 思わず立ち上がった私をパパも、お母さんも、銀太郎までもが静かに見つめていた。
 防衛省にいて、職員が安心して働けるように生活全般をサポートする「福利厚生」という分野の担当。
 それって、その職員って、フツーに当たり前に地球人だと思っていた。

「パパのお仕事って……宇宙人の忘年会⁉︎」

 誰も、否定しなかった。
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