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6章 幼年期のオワリ
56.オワリ(2/43)
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「夏休みは、ずーっと夏期講習なんだよねえ。塾のクーラー効き過ぎでさ、体が冷えちゃうから長そでマストなの。そういうの、なんかSDGsに反していない?」
訊いてもいないうちから、ひな子は夏休みの予定を教えてくれている。
「涼しくてぜいたくー。この暑い中で読書感想文とか詩を作るとか、宿題のことを考えただけで暑さ倍増だよ」
美央は頭を思いきりふって、体までフラフラしたのか私にぶつかってきた。
「ワハハ、ごめーん」
暑いとさわぎながらも結構元気そうだ。
ひな子と美央と私と三人で、痛いほどの陽射しをがまんしながらダラダラと下校する。
明日から夏休みだというのに、わくわく感がない。
ああ、でももう小学生じゃないんだし、はしゃいだりしないよね。
しばらくみんなと会う機会がなくなるのが少しさびしいかな。
「葵? 元気ないね」
心配する美央の横から「夏バテだ! アイスの食べ過ぎだ!」とひな子のツッコミが入る。
ははは。アイスの食べ過ぎは銀太郎だってば。
パパと二人で仲良くアイス工場見学に行った銀太郎は、あのコミュ力で笑顔をふりまいたおかげで試食品を次々とススメられたらしい。それこそ一生分食べて帰って来て、見ているこっちが赤面するくらいうっとりとした顔で「幸せでし」を連発していた。
銀太郎ってば、いつも本当に楽しそうなんだよね。
「……やっぱり、藤井のことが気になる?」
「え? ああ……うん」
美央に言われて急に目の前の現実に引き戻された。
そう。藤井君が学校に来ていない。
少し前の放課後に藤井君からUFO動画を見せてもらったけれど、その次の日からずっと欠席が続いている。
銀太郎にまた会いたい。
そうお願いされて、それっきりだ。
銀太郎は会えないと言ったから藤井君にお断りをするつもりでいたのに、それも伝えられていない。
「もう一週間も欠席なのに、クラスで藤井君のことを誰も何も言わないの。今日も休みかなあくらい、ちょっと話す人がいてもいいと思うんだけど?」
「自分と直接関わりのないことにあれこれ口出す余裕のある中学生、今どきいる? 先生だって、生徒に藤井のことをなんにも説明しないでしょ? プライバシーの問題だから、ふれたらいけないんでしょう? いきなりいなくなっても、最初からいなかったみたいな空気作ってオワリだよ。ねえ、ひな子?」
「ま、イケメンってだけでモテるわけじゃないしね。藤井なんか、むしろ顔がイイだけ? 基本オタク少年だもん。アレ、友だちもそんなにいないよ?」
「うわー……二人ともちょっとひどくない?」
「そお? 事実を言っただけだよ。葵ってばオコサマなんだからー」
やることが小学生レベルのひな子には言われたくないんですけど。
訊いてもいないうちから、ひな子は夏休みの予定を教えてくれている。
「涼しくてぜいたくー。この暑い中で読書感想文とか詩を作るとか、宿題のことを考えただけで暑さ倍増だよ」
美央は頭を思いきりふって、体までフラフラしたのか私にぶつかってきた。
「ワハハ、ごめーん」
暑いとさわぎながらも結構元気そうだ。
ひな子と美央と私と三人で、痛いほどの陽射しをがまんしながらダラダラと下校する。
明日から夏休みだというのに、わくわく感がない。
ああ、でももう小学生じゃないんだし、はしゃいだりしないよね。
しばらくみんなと会う機会がなくなるのが少しさびしいかな。
「葵? 元気ないね」
心配する美央の横から「夏バテだ! アイスの食べ過ぎだ!」とひな子のツッコミが入る。
ははは。アイスの食べ過ぎは銀太郎だってば。
パパと二人で仲良くアイス工場見学に行った銀太郎は、あのコミュ力で笑顔をふりまいたおかげで試食品を次々とススメられたらしい。それこそ一生分食べて帰って来て、見ているこっちが赤面するくらいうっとりとした顔で「幸せでし」を連発していた。
銀太郎ってば、いつも本当に楽しそうなんだよね。
「……やっぱり、藤井のことが気になる?」
「え? ああ……うん」
美央に言われて急に目の前の現実に引き戻された。
そう。藤井君が学校に来ていない。
少し前の放課後に藤井君からUFO動画を見せてもらったけれど、その次の日からずっと欠席が続いている。
銀太郎にまた会いたい。
そうお願いされて、それっきりだ。
銀太郎は会えないと言ったから藤井君にお断りをするつもりでいたのに、それも伝えられていない。
「もう一週間も欠席なのに、クラスで藤井君のことを誰も何も言わないの。今日も休みかなあくらい、ちょっと話す人がいてもいいと思うんだけど?」
「自分と直接関わりのないことにあれこれ口出す余裕のある中学生、今どきいる? 先生だって、生徒に藤井のことをなんにも説明しないでしょ? プライバシーの問題だから、ふれたらいけないんでしょう? いきなりいなくなっても、最初からいなかったみたいな空気作ってオワリだよ。ねえ、ひな子?」
「ま、イケメンってだけでモテるわけじゃないしね。藤井なんか、むしろ顔がイイだけ? 基本オタク少年だもん。アレ、友だちもそんなにいないよ?」
「うわー……二人ともちょっとひどくない?」
「そお? 事実を言っただけだよ。葵ってばオコサマなんだからー」
やることが小学生レベルのひな子には言われたくないんですけど。
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