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6章 幼年期のオワリ
59.オワリ(5/43)
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「あれ? お客様?」
玄関に見慣れない男性物の運動靴がある。
「ワタシ家を出た時は、お客いませんでしたしよ」
平日の夕方に来客?
「ああ、二人ともおかえりなさい。今ね、パパにお客様が来たのよ。パパの部屋にお通ししたばっかりなんだけど」
「へー、珍しいね。パパのお友だち?」
「うーん、ちょっと高齢の方で、UFO愛好会の会長さん? そうおっしゃっていたけれど。あ、胸にこれと同じUFOバッジをつけていたわね」
お母さんは銀太郎がシャツにつけているバッジを指さした。
……やっぱり。
どうしたってパパの部屋の前は通るから、とりあえずあいさつはしておこう。
銀太郎は黙って私の後ろをついてくる。
あ、パパはまた銀太郎のことを「娘のカレシ」って平気で紹介するのかな。
そういうの、メイワクなんですけど。
変に意識しちゃうじゃない。ほんとやめてほしい。
ツンツン。
「へ?」
銀太郎にいきなりほっぺたをつつかれた。
ふり返ると、銀太郎も自分のほっぺたを指でつつきながらニコニコと笑っている。
ああ……スマイルっていうこと? 私そんなに怖い顔になっていたかな?
大丈夫だってば。ごあいさつくらい笑顔でできるよ、ほら、ニカッ!
銀太郎は困った顔で私にささやいた。
「アオイ様、もっとコワイでしよ」
「……」
ひろーい心で許してあげないと。これは宇宙人だ……イラッ!
「ああ、葵ちゃんお帰りー。今パパにお客さんが来ていてね」
あ、パパに気づかれた。
「パパただいま。えと、こんにちは。いらっしゃいませ」
パパと向かい合って正座しているおじいさんにていねいにおじぎをする。
わりと丸くてがっちり体型のおじいさんは、優しそうな笑顔で軽くおじぎを返してくれた。
「娘の葵ですよ。今、中学一年なんです。葵ちゃん、こちらは荒井さん。パパのお友だちなんだ」
「おじゃましています。荒井です。え、と……」
荒井さんは私の後ろの銀太郎に視線を移した。
銀太郎は荒井さんを見返したまま黙っている。
「ちょっと、ぎん……」
銀太郎の腕を引っ張ろうとした手が無意識にに止まった。
これは怖い銀太郎だ。
地球人を見下すような冷たい視線を荒井さんに向けている。
えええっ? なんで?
次の瞬間、私は荒井さんが息をのむ音を聞いた気がした。
ヒイっとさらに息を吸って部屋の奥まで後ずさると、土下座でもするように頭をたたみにつけてしまった。
「川上さんっ、宇宙人! ……宇宙人……」
おびえるというよりは、身分の高い人を前にして平民がひれ伏すみたいな感じだ。ドラマの時代劇とか王朝モノで「ははー」とか大げさに突っ伏すアレみたい。
とにかく荒井さんは、銀太郎が宇宙人だと気づいた。なんで?
「川上さんっ、あのバッジ……ホンモノですって!」
UFO愛好会の会長さんだと言っていたから、ニセモノのバッジを作って配っていたのはこの人なのかな。それで本物に気づいたのか、配った覚えのない銀太郎がつけていてびっくりしたのか、そんなところかな。
銀太郎がわずかに動いて、無表情に荒井さんを見たまま私にささやいた。
「この紋所が目に入らぬかー、昔テレビで見ますた。バッジ、印籠と同じでしね。見せたら皆ひれ伏しましよ。印籠、アオイノゴモン言いましか? アオイ様のお名前、そのマジックアイテム由来でし?」
そんなわけないでしょっ!!
玄関に見慣れない男性物の運動靴がある。
「ワタシ家を出た時は、お客いませんでしたしよ」
平日の夕方に来客?
「ああ、二人ともおかえりなさい。今ね、パパにお客様が来たのよ。パパの部屋にお通ししたばっかりなんだけど」
「へー、珍しいね。パパのお友だち?」
「うーん、ちょっと高齢の方で、UFO愛好会の会長さん? そうおっしゃっていたけれど。あ、胸にこれと同じUFOバッジをつけていたわね」
お母さんは銀太郎がシャツにつけているバッジを指さした。
……やっぱり。
どうしたってパパの部屋の前は通るから、とりあえずあいさつはしておこう。
銀太郎は黙って私の後ろをついてくる。
あ、パパはまた銀太郎のことを「娘のカレシ」って平気で紹介するのかな。
そういうの、メイワクなんですけど。
変に意識しちゃうじゃない。ほんとやめてほしい。
ツンツン。
「へ?」
銀太郎にいきなりほっぺたをつつかれた。
ふり返ると、銀太郎も自分のほっぺたを指でつつきながらニコニコと笑っている。
ああ……スマイルっていうこと? 私そんなに怖い顔になっていたかな?
大丈夫だってば。ごあいさつくらい笑顔でできるよ、ほら、ニカッ!
銀太郎は困った顔で私にささやいた。
「アオイ様、もっとコワイでしよ」
「……」
ひろーい心で許してあげないと。これは宇宙人だ……イラッ!
「ああ、葵ちゃんお帰りー。今パパにお客さんが来ていてね」
あ、パパに気づかれた。
「パパただいま。えと、こんにちは。いらっしゃいませ」
パパと向かい合って正座しているおじいさんにていねいにおじぎをする。
わりと丸くてがっちり体型のおじいさんは、優しそうな笑顔で軽くおじぎを返してくれた。
「娘の葵ですよ。今、中学一年なんです。葵ちゃん、こちらは荒井さん。パパのお友だちなんだ」
「おじゃましています。荒井です。え、と……」
荒井さんは私の後ろの銀太郎に視線を移した。
銀太郎は荒井さんを見返したまま黙っている。
「ちょっと、ぎん……」
銀太郎の腕を引っ張ろうとした手が無意識にに止まった。
これは怖い銀太郎だ。
地球人を見下すような冷たい視線を荒井さんに向けている。
えええっ? なんで?
次の瞬間、私は荒井さんが息をのむ音を聞いた気がした。
ヒイっとさらに息を吸って部屋の奥まで後ずさると、土下座でもするように頭をたたみにつけてしまった。
「川上さんっ、宇宙人! ……宇宙人……」
おびえるというよりは、身分の高い人を前にして平民がひれ伏すみたいな感じだ。ドラマの時代劇とか王朝モノで「ははー」とか大げさに突っ伏すアレみたい。
とにかく荒井さんは、銀太郎が宇宙人だと気づいた。なんで?
「川上さんっ、あのバッジ……ホンモノですって!」
UFO愛好会の会長さんだと言っていたから、ニセモノのバッジを作って配っていたのはこの人なのかな。それで本物に気づいたのか、配った覚えのない銀太郎がつけていてびっくりしたのか、そんなところかな。
銀太郎がわずかに動いて、無表情に荒井さんを見たまま私にささやいた。
「この紋所が目に入らぬかー、昔テレビで見ますた。バッジ、印籠と同じでしね。見せたら皆ひれ伏しましよ。印籠、アオイノゴモン言いましか? アオイ様のお名前、そのマジックアイテム由来でし?」
そんなわけないでしょっ!!
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