宇宙人は恋をする!

山碕田鶴

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6章 幼年期のオワリ

64.オワリ(10/43)

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 荒井さんが帰っても、三人はパパの部屋で向き合っていた。
 いつものパパと、怖くない銀太郎と、そして私。

「葵ちゃん、疲れたね。学校帰りにいきなりでごめんね」
「……大丈夫。荒井さん、元気になってよかったよね」

 全部、銀太郎のおかげだ。
 銀太郎がテレパシーでがんばれと伝えたからだ。

「アオイ様、ダイジョーブでしか? お顔変でしよ」

 ……銀太郎は日本語変だよ。
 怒りの視線を笑顔で受け流す銀太郎も、少し疲れたように見える。

「銀太郎もお疲れさま。銀太郎にお迎えが来なかったのは、荒井さんをはげます必要があったからなんだね」

 パパだけが元気にニコニコ通常運転だ。
 銀太郎は、そうだともちがうとも言わない。

「でも、こういうのは荒井さんに宇宙人を預けた地球人愛護協会のお仕事じゃあないのかな。その子が就職するまでは防衛隊の人たち、関係ないでしょう?」

 あれ、珍しくちょっと厳しい口調? 銀太郎に荒井さんをフォローさせたから怒っているのかな。
 パパってば、ほんと銀太郎ファーストだよね。

「アライサンが知っている地球人の近くに、ワタシたまたまいたから……」

 あっとパパが叫んだ。

「……ごめん。僕のせいで銀太郎に負担かけちゃったんだね」
「えっ、パパちょっと、大丈夫⁉︎」

 パパが急にしょんぼりして元気をなくした。もう見るからに落ち込んでいる。
 なにコレ。
 愛護協会の宇宙人は銀太郎がここにいるのを知っていたから荒井さんにパパを尋ねろと指示しただけで、パパに責任はないんじゃないの?

「ケイちゃん悪くないでしよ。宇宙人協力オタガイサマ。この国の地球人、すぐ責任感じましね。ハラキリ必要ないでしよ。アライサンも気負い過ぎ。生真面目でし」
「……そうだね。とにかくありがとう。銀太郎が直接会って話してくれたから、荒井さんはなんとかがんばれるんじゃないかな」
「そうしてもらわないと困りまし」

 銀太郎は素っ気ない。センパイとして仕方なく協力してあげただけで、本当は負担だったのかな。

「あの……銀太郎みたいに地球防衛隊志望の宇宙人っていっぱいいるの?」
「わりといましよ。不定期にアチコチ。地球には宇宙人イロイロ来まし。地球人愛護協会以外の窓口も色々でしね」
「パパはその色々を知っているの?」
「パパが知っているのは地球防衛隊だけだよ。UFOの整備の人なんかも含めて防衛隊の職員とはおつきあいがあるけれど、愛護協会の宇宙人に会ったことはないね。隊員になる前の子たちとも接触はしないよ」
「適性検査に来て、宇宙人に戻れない子もいるの? 他人から宇宙人だって教えられたら失格なのでしょう? そういう子たちはどうなっちゃうの?」

 ククッと笑った銀太郎は、少し困ったように私を見た。
 何か気分を悪くさせることを言った気がして思わず目をそらすと、銀太郎はわざわざ顔をのぞいてきた。
 目が笑っている。なんだかいじわるだ。
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