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6章 幼年期のオワリ
77.オワリ(23/43)
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こういうのって、ジワジワ来るんだ。
藤井君が宇宙人だった。
ふーんそうなんだ、でおしまいのはずだった。それ以上でもそれ以下でもない、ただの事実なのだから。
私の人生ではないし、私が何か困るわけでもないし。
藤井君は宇宙人で、地球防衛隊に入るための適性検査を受けている最中で……。
ジワジワ。
なんだろう? やっぱりショックなのかな。
良い悪いではなくて、事実が大き過ぎて受け止めきれていないのかな。
ジワジワ。
頭がぼうっとして、考えがまとまらない。
パパの車で「万貫の森」に向かっている。助手席には銀太郎が座っていて、パパの後ろの席にいる私からは横顔がチラッと見える。
銀太郎をぼんやり眺めながら、ああ銀太郎だって、それしか考えられない。
ジワジワ。
こうしているうちに少しずつ藤井君のことが染みてきて、当たり前に感じられるようになるかな。
パパたちは今、フツウにドライブを楽しんでいるかな?
そうだといいな。お迎えに行きたいと言い張った私がこんなにへろへろで、余計な心配と負担をかけたくない。
きっと二人は、私がこうなっちゃうのがわかっていたんだね。
なんだろう、この脱力感。
藤井君が宇宙人。だからどうなの?
本当はすごく長生きで、時間の感覚がちがって、いつかUFOに乗って地球中を飛び回るくらいスケールの大きな人になって。
……全然想像できないな。
でも銀太郎もそういう人なんでしょう?
……やっぱり実感がわかない。
想像力ないなあ。たとえば、蓮君がUFO特撮モノのドラマに出ると思えば……。
「ああっ!」
「うわっ、葵ちゃん何⁉︎ 忘れ物でもした?」
「あっ、パパごめんなさい。何でもないです……」
思わず叫んで、運転中のパパを驚かせてしまった。気をつけないと事故になっちゃうよ、あぶないあぶない。
銀太郎がちらりとこちらを見て、すぐ前に向き直る。
やっぱり何も言わないんだね。
今、銀太郎のことを考えていたんだよ?
UFOのエースパイロットの蓮君が地球を守るために命がけのミッションに挑んで、ライバルや美人研究所員たちとハラハラドキドキになるっていう、えーと、ヒューマンドラマ? みたいなのを妄想したの。
したのだけれど、蓮君なの。
蓮君から銀太郎に置きかえるだけなのにできなかった。銀太郎は銀太郎でしかなくなっちゃったの。
蓮君と銀太郎は全く別なの!
あ、意味わかる?
最初から別人なのだけれど同じ姿で、私は二人を重ねて見ていたの。ごめんね。
キモチワルイ宇宙人が、どうせなら大大大好きな滝川蓮君の姿だったらよかったのにって思っていたの。
もうこれまで何度も謝ったけれど、ごめんね銀太郎。
私にとって、もう銀太郎は銀太郎なの!
……あれ? 銀太郎、うつむいたまま肩がゆれている。笑っている?
私の考えていること、聞こえちゃっていない?
あ、シャキッとなった。……気のせいかな。
藤井君が宇宙人だった。
ふーんそうなんだ、でおしまいのはずだった。それ以上でもそれ以下でもない、ただの事実なのだから。
私の人生ではないし、私が何か困るわけでもないし。
藤井君は宇宙人で、地球防衛隊に入るための適性検査を受けている最中で……。
ジワジワ。
なんだろう? やっぱりショックなのかな。
良い悪いではなくて、事実が大き過ぎて受け止めきれていないのかな。
ジワジワ。
頭がぼうっとして、考えがまとまらない。
パパの車で「万貫の森」に向かっている。助手席には銀太郎が座っていて、パパの後ろの席にいる私からは横顔がチラッと見える。
銀太郎をぼんやり眺めながら、ああ銀太郎だって、それしか考えられない。
ジワジワ。
こうしているうちに少しずつ藤井君のことが染みてきて、当たり前に感じられるようになるかな。
パパたちは今、フツウにドライブを楽しんでいるかな?
そうだといいな。お迎えに行きたいと言い張った私がこんなにへろへろで、余計な心配と負担をかけたくない。
きっと二人は、私がこうなっちゃうのがわかっていたんだね。
なんだろう、この脱力感。
藤井君が宇宙人。だからどうなの?
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……全然想像できないな。
でも銀太郎もそういう人なんでしょう?
……やっぱり実感がわかない。
想像力ないなあ。たとえば、蓮君がUFO特撮モノのドラマに出ると思えば……。
「ああっ!」
「うわっ、葵ちゃん何⁉︎ 忘れ物でもした?」
「あっ、パパごめんなさい。何でもないです……」
思わず叫んで、運転中のパパを驚かせてしまった。気をつけないと事故になっちゃうよ、あぶないあぶない。
銀太郎がちらりとこちらを見て、すぐ前に向き直る。
やっぱり何も言わないんだね。
今、銀太郎のことを考えていたんだよ?
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したのだけれど、蓮君なの。
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もうこれまで何度も謝ったけれど、ごめんね銀太郎。
私にとって、もう銀太郎は銀太郎なの!
……あれ? 銀太郎、うつむいたまま肩がゆれている。笑っている?
私の考えていること、聞こえちゃっていない?
あ、シャキッとなった。……気のせいかな。
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