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6章 幼年期のオワリ
86.オワリ(32/43)
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「けっこう人がいるねえ。藤井君はどこにいるかなあ。パパは顔を知らないから、探すのは二人にお任せだな」
キョロキョロと周囲を見回すけれど、一人で来ていそうな中学生くらいの男の子はいない。
探しながら、知らない人と次々目が合った。となりに銀太郎がいるせいで、私まで見られているみたいだ。
自分の方に向いている視線をはね返して人を探すのって、圧迫感があって難しいな。
蓮君みたいな超人気アイドルは、いつもどこを見て歩いているのだろう。ここにいるイケメンの銀太郎は目が合った人にいちいち笑顔を返しているけれど、疲れないのかな。
「藤井君いないねえ」
「すぐそこいまし」
「ええっ、どこどこ? 私見えないよ?」
「ああ、建物の中でし」
銀太郎が交信している位置情報データは、「UFOふれあう館」の中を示しているらしい。
「ここ……入るの?」
「宇宙人お出迎えしていまし。いざ参らん、突撃ゴーゴーでし」
巨大な緑色が入り口のわきからこちらをのぞいている。
あれはビニール製なのかな。風に吹かれているのか、どことなくゆらゆら動いているのがキモチワルイ。
「あれも宇宙人なの? カビが生えた雪男にしか見えないけれど、あんなの本当にいるの?」
「想像すれば、なんでもいるのでし」
あ、いないんだ。
「葵ちゃん、中は怖くないから大丈夫だよ。遊園地のお化け屋敷みたいな感じで、面白いよ?」
お化け屋敷、怖いでしょっ。
常連客のパパに連れられて、恐る恐る中に入った。
一階の展示室には、たくさんのUFOと宇宙人模型が置かれている。もちろん本物なんてひとつもないから、目撃情報の再現だとか都市伝説だとか、銀太郎の言うとおり想像すれば何でもアリみたいな感じだ。
これ見たら、宇宙人がいるなんて逆に信じられなくなる気がするけれど。
銀太郎はフムフムと感心しながらひとつずつじっくり見ている。
となりに立って一緒に見てみるけれど、うーん、どの辺がフムフムなのかわからない。
パパは銀太郎に展示の説明を始めた。
「これ、『甲府事件』の宇宙人模型だね。小学生が宇宙人に声をかけられたそうなんだけれど、もうすぐ五十周年らしいよ。こっちは『介良事件』の小型UFOだ。中学生がUFOをつかまえたんだって。実は灰皿だったっていう説もあるけれどね。日本でUFOの事件がさわがれるようになったのは、五十年くらい前からみたいだね。昔は新聞でも大きく報じられたんだよ」
話の内容がさっぱりわからない。銀太郎が真剣な表情になるポイントもわからない。
二人は藤井君のことなんかすっかり忘れて、ただの観光客になっていた。
キョロキョロと周囲を見回すけれど、一人で来ていそうな中学生くらいの男の子はいない。
探しながら、知らない人と次々目が合った。となりに銀太郎がいるせいで、私まで見られているみたいだ。
自分の方に向いている視線をはね返して人を探すのって、圧迫感があって難しいな。
蓮君みたいな超人気アイドルは、いつもどこを見て歩いているのだろう。ここにいるイケメンの銀太郎は目が合った人にいちいち笑顔を返しているけれど、疲れないのかな。
「藤井君いないねえ」
「すぐそこいまし」
「ええっ、どこどこ? 私見えないよ?」
「ああ、建物の中でし」
銀太郎が交信している位置情報データは、「UFOふれあう館」の中を示しているらしい。
「ここ……入るの?」
「宇宙人お出迎えしていまし。いざ参らん、突撃ゴーゴーでし」
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あれはビニール製なのかな。風に吹かれているのか、どことなくゆらゆら動いているのがキモチワルイ。
「あれも宇宙人なの? カビが生えた雪男にしか見えないけれど、あんなの本当にいるの?」
「想像すれば、なんでもいるのでし」
あ、いないんだ。
「葵ちゃん、中は怖くないから大丈夫だよ。遊園地のお化け屋敷みたいな感じで、面白いよ?」
お化け屋敷、怖いでしょっ。
常連客のパパに連れられて、恐る恐る中に入った。
一階の展示室には、たくさんのUFOと宇宙人模型が置かれている。もちろん本物なんてひとつもないから、目撃情報の再現だとか都市伝説だとか、銀太郎の言うとおり想像すれば何でもアリみたいな感じだ。
これ見たら、宇宙人がいるなんて逆に信じられなくなる気がするけれど。
銀太郎はフムフムと感心しながらひとつずつじっくり見ている。
となりに立って一緒に見てみるけれど、うーん、どの辺がフムフムなのかわからない。
パパは銀太郎に展示の説明を始めた。
「これ、『甲府事件』の宇宙人模型だね。小学生が宇宙人に声をかけられたそうなんだけれど、もうすぐ五十周年らしいよ。こっちは『介良事件』の小型UFOだ。中学生がUFOをつかまえたんだって。実は灰皿だったっていう説もあるけれどね。日本でUFOの事件がさわがれるようになったのは、五十年くらい前からみたいだね。昔は新聞でも大きく報じられたんだよ」
話の内容がさっぱりわからない。銀太郎が真剣な表情になるポイントもわからない。
二人は藤井君のことなんかすっかり忘れて、ただの観光客になっていた。
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