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6章 幼年期のオワリ
96.オワリ(42/43)
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深夜、帰宅した藤井君をお父さん、お母さん、そして荒井さんがとまどいながら玄関先で出迎えた。
友だちと出かけたことになっているし、藤井君本人が家に電話連絡もしているし、遅くなることもわかっていたから、「おかえり」としか言いようがない。
パパは藤井君のご両親にずいぶんとていねいなあいさつをしているみたいだ。二人ともちょっと冷たい雰囲気なのに、パパはいつものニコニコ顔を通している。
パパが名刺をわたしておじぎをしたとたん、藤井君のお父さんもお母さんも、手元を見たまま動かなくなった。
横から名刺をのぞいた荒井さんの目がまんまるになった。うちで銀太郎を見た時と同じくらい驚いている。
「ケイちゃんは、アオイノゴモン持っていまし。イザという時あのペラペラの紙出しましね。テレビで見た印籠と同じ、みんなハハーなりましよ」
……パパ、何者?
「葵さん、荒井です。この前も、今日もありがとう。君がいてくれて本当に助かりました」
荒井さんはほっとした顔で私の前に来た。横にいる銀太郎を見て、何も言わずに深々と頭を下げる。
銀太郎は、やっぱり無表情で怖い感じになっている。この方がありがたみが増すのだっけ?
荒井さんが長いおじぎからようやく顔を上げると、銀太郎の手がゆっくりと荒井さんの前に伸びた。
荒井さんの胸元についている宇宙人バッジに静かにふれる。
あ、バッジが光った。
恐る恐る銀太郎を見た荒井さんは、ハッとして口を開いたまま、一生分の幸せがつまったような表情で立ちつくした。
銀太郎が少しだけほほえんでいる。
うわーっ、これ絶対わざとだ。
いつも怖い顔のイケメンがちょっとニコッてしたら、キュンキュンして心臓止まっちゃうでしょう!
ツンデレの人たらし宇宙人⁉︎
「あ、そうだ。これ、今日の記念にどうぞ」
お母さんが持たせてくれたプレッツェル型グミを藤井君にわたす。
UFOが見られたから、その思い出に。
すぐにわたせるよう、お母さんはかわいいビニール袋に入れてリボンまでつけてくれていた。さすが!
「ありがとう。あ、UFOだ」
袋につまったカラフルなグミを見て、すぐにUFOを連想する藤井君が面白かった。
特別な一日が終わった。
みんなの特別が一度に起こった、キセキの日。
「みんなが見たいと願ったから、今日はキセキのUFO記念日。なんてね」
「葵ちゃんごきげんだね。疲れたでしょう。疲れ過ぎてハイテンションなのかな?」
「帰りに車でずっと寝ていたから元気だよ。パパ、今日はありがとう」
「どういたしまして。でも、家に帰るまでが遠足なんでしょう? まだもうちょっとあるよ?」
アレ、聞かれていたのか。
藤井君を送り届けてから家に帰る車中で、深夜なのに三人とも元気だった。
友だちと出かけたことになっているし、藤井君本人が家に電話連絡もしているし、遅くなることもわかっていたから、「おかえり」としか言いようがない。
パパは藤井君のご両親にずいぶんとていねいなあいさつをしているみたいだ。二人ともちょっと冷たい雰囲気なのに、パパはいつものニコニコ顔を通している。
パパが名刺をわたしておじぎをしたとたん、藤井君のお父さんもお母さんも、手元を見たまま動かなくなった。
横から名刺をのぞいた荒井さんの目がまんまるになった。うちで銀太郎を見た時と同じくらい驚いている。
「ケイちゃんは、アオイノゴモン持っていまし。イザという時あのペラペラの紙出しましね。テレビで見た印籠と同じ、みんなハハーなりましよ」
……パパ、何者?
「葵さん、荒井です。この前も、今日もありがとう。君がいてくれて本当に助かりました」
荒井さんはほっとした顔で私の前に来た。横にいる銀太郎を見て、何も言わずに深々と頭を下げる。
銀太郎は、やっぱり無表情で怖い感じになっている。この方がありがたみが増すのだっけ?
荒井さんが長いおじぎからようやく顔を上げると、銀太郎の手がゆっくりと荒井さんの前に伸びた。
荒井さんの胸元についている宇宙人バッジに静かにふれる。
あ、バッジが光った。
恐る恐る銀太郎を見た荒井さんは、ハッとして口を開いたまま、一生分の幸せがつまったような表情で立ちつくした。
銀太郎が少しだけほほえんでいる。
うわーっ、これ絶対わざとだ。
いつも怖い顔のイケメンがちょっとニコッてしたら、キュンキュンして心臓止まっちゃうでしょう!
ツンデレの人たらし宇宙人⁉︎
「あ、そうだ。これ、今日の記念にどうぞ」
お母さんが持たせてくれたプレッツェル型グミを藤井君にわたす。
UFOが見られたから、その思い出に。
すぐにわたせるよう、お母さんはかわいいビニール袋に入れてリボンまでつけてくれていた。さすが!
「ありがとう。あ、UFOだ」
袋につまったカラフルなグミを見て、すぐにUFOを連想する藤井君が面白かった。
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「帰りに車でずっと寝ていたから元気だよ。パパ、今日はありがとう」
「どういたしまして。でも、家に帰るまでが遠足なんでしょう? まだもうちょっとあるよ?」
アレ、聞かれていたのか。
藤井君を送り届けてから家に帰る車中で、深夜なのに三人とも元気だった。
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