宇宙人は恋をする!

山碕田鶴

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7章(終章) 美しいホシ

101.ホシ(4/9)

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 銀太郎は静かにうなずいた。全部わかっているよって言ってくれているみたいな感じで、なんだかくやしかった。
 私がさわいでも駄々だだをこねても、通用しないのだろうな。

「あのね、銀太郎。サヨナラをやめようっていうのは本当なの。『サヨナラ』じゃなくて、『またね』じゃダメかな?」
「マタネ?」
「私たち、ずっと一緒にいられなくても、ずっと仲良しでいることはできないかな。せっかく出会えたのだもの。どんなに遠く離れていても会えなくてもどんな形でも、私はずっと銀太郎と仲良しでいたい。うちのパパとお母さんだって、ほとんど会わないのに仲良しだよ? あ、それはちょっとちがうのかな。とにかく、私はいつかまた銀太郎に会えたらうれしいな。もちろん約束はいらない。ただずっと仲良し。だから『サヨナラ』じゃなくて『またね』。……ダメかな?」

 サヨナラは言いたくない。
 「サヨナラ」と「またね」は全然ちがうもの。
 またいつか。
 次に会えるのかわからないけれどお別れでもない、あいまいなあいさつ。
 たとえそのいつかが人生の終わりにただ一度だったとしても、私は笑ってその日を迎えられる。たとえ会えないまま人生が終わっても、再会を楽しみにした時間を決して後悔したりしないよ。
 銀太郎だから。相手が銀太郎だから、こんな気持ちになるんだよ……。

「アオイ様、お言葉でしが。どんな形でもと言いましが、思い出してごらんなのでし。ワタシ銀色ツルツル。心理的距離は宇宙の果てより遠かったはずでしよ?」
「それなら大丈夫! 『UFOふれあう館』に行ってわかったの。銀太郎は、ゆるキャラ並みにかわいかったんだって。だからもう大丈夫!」
「ショック療法でしかね。では、この先ずーと会わなくても、アオイ様ワタシのこと覚えていましか。アオイ様、これからピチピチ青春時代。みんなアオイ様好きになりましからモテモテでしよ? ワタシ、きれいさっぱり忘れ去られてしまいまし」

 えー……。私、全然信用ないんだ。

「もうっ、いつもの超ポジティブシンキングはどこに行ったのよ? それ、宇宙人のモテ基準で言っているでしょう? アイスあげるとか心の声が大音量とか?」
「どちらもポイント高しでしよ」

 それ銀太郎だけだからっ。

「銀太郎のことをもし忘れちゃったら、その時はごめん。でも、忘れていてもまた会えたら、また必ず仲良しになれると思うの。私、銀太郎がどんな姿で現れても、銀太郎のことがわかる気がするんだよね。なんでかなあ。運命とか? あははっ」

 銀太郎は少しあきれたように、でもうれしそうに笑ってくれた。

「ケイちゃんとオカーサン様、確かにずっと仲良しでしね。ずっと一緒にいなくても、ずっと仲良しでし。でも、ワレワレと地球人、生きる時間も見える世界も全くちがいまし。地球人と宇宙人、一緒に生きることはないと思っていますた。それでも、仲良しできましか?」
「うん。だって、私と銀太郎だよ?」

 大大大好きなアイドル滝川蓮君の姿をした宇宙人。見ているだけでドキドキするけれど、きっともうそれは蓮君だからじゃないんだよね?

「アオイ様。アオイ様はワタシにとって地球そのものでしよ。とてもウツクシイ星。ワタシが守り続けたい大切な存在なのでし」
「アサガオじゃ……なかったの?」
「ずっと仲良しの……特別仲良しのアサガオ……」

 銀太郎は少し照れたように目をそらした。
 ひゃーーーーっ⁉︎
 どうしよう、キュンてなった!
 その顔絶対反則だってばっ!
 しかも今の言葉って、特別なアサガオじゃない特別っていうことだよね⁉︎ あ、自分で考えながら特別、特別ってややこしくなっちゃった。
 どうしよう。うれしくて心臓が痛い。

「だからアオイ様に忠誠をチカウのでし」
「へっ?」
「ワタシは生涯をかけて地球を守るのでし。ほら、チュッ、なのでし」
「それ、私への忠誠? ちゅ? ……チュッ⁉︎ チュうううっ!!?」

 ちかいのチュうううう!!!?
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