101 / 106
7章(終章) 美しいホシ
101.ホシ(4/9)
しおりを挟む
銀太郎は静かにうなずいた。全部わかっているよって言ってくれているみたいな感じで、なんだかくやしかった。
私がさわいでも駄々をこねても、通用しないのだろうな。
「あのね、銀太郎。サヨナラをやめようっていうのは本当なの。『サヨナラ』じゃなくて、『またね』じゃダメかな?」
「マタネ?」
「私たち、ずっと一緒にいられなくても、ずっと仲良しでいることはできないかな。せっかく出会えたのだもの。どんなに遠く離れていても会えなくてもどんな形でも、私はずっと銀太郎と仲良しでいたい。うちのパパとお母さんだって、ほとんど会わないのに仲良しだよ? あ、それはちょっとちがうのかな。とにかく、私はいつかまた銀太郎に会えたらうれしいな。もちろん約束はいらない。ただずっと仲良し。だから『サヨナラ』じゃなくて『またね』。……ダメかな?」
サヨナラは言いたくない。
「サヨナラ」と「またね」は全然ちがうもの。
またいつか。
次に会えるのかわからないけれどお別れでもない、あいまいなあいさつ。
たとえそのいつかが人生の終わりにただ一度だったとしても、私は笑ってその日を迎えられる。たとえ会えないまま人生が終わっても、再会を楽しみにした時間を決して後悔したりしないよ。
銀太郎だから。相手が銀太郎だから、こんな気持ちになるんだよ……。
「アオイ様、お言葉でしが。どんな形でもと言いましが、思い出してごらんなのでし。ワタシ銀色ツルツル。心理的距離は宇宙の果てより遠かったはずでしよ?」
「それなら大丈夫! 『UFOふれあう館』に行ってわかったの。銀太郎は、ゆるキャラ並みにかわいかったんだって。だからもう大丈夫!」
「ショック療法でしかね。では、この先ずーと会わなくても、アオイ様ワタシのこと覚えていましか。アオイ様、これからピチピチ青春時代。みんなアオイ様好きになりましからモテモテでしよ? ワタシ、きれいさっぱり忘れ去られてしまいまし」
えー……。私、全然信用ないんだ。
「もうっ、いつもの超ポジティブシンキングはどこに行ったのよ? それ、宇宙人のモテ基準で言っているでしょう? アイスあげるとか心の声が大音量とか?」
「どちらもポイント高しでしよ」
それ銀太郎だけだからっ。
「銀太郎のことをもし忘れちゃったら、その時はごめん。でも、忘れていてもまた会えたら、また必ず仲良しになれると思うの。私、銀太郎がどんな姿で現れても、銀太郎のことがわかる気がするんだよね。なんでかなあ。運命とか? あははっ」
銀太郎は少しあきれたように、でもうれしそうに笑ってくれた。
「ケイちゃんとオカーサン様、確かにずっと仲良しでしね。ずっと一緒にいなくても、ずっと仲良しでし。でも、ワレワレと地球人、生きる時間も見える世界も全くちがいまし。地球人と宇宙人、一緒に生きることはないと思っていますた。それでも、仲良しできましか?」
「うん。だって、私と銀太郎だよ?」
大大大好きなアイドル滝川蓮君の姿をした宇宙人。見ているだけでドキドキするけれど、きっともうそれは蓮君だからじゃないんだよね?
「アオイ様。アオイ様はワタシにとって地球そのものでしよ。とてもウツクシイ星。ワタシが守り続けたい大切な存在なのでし」
「アサガオじゃ……なかったの?」
「ずっと仲良しの……特別仲良しのアサガオ……」
銀太郎は少し照れたように目をそらした。
ひゃーーーーっ⁉︎
どうしよう、キュンてなった!
その顔絶対反則だってばっ!
しかも今の言葉って、特別なアサガオじゃない特別っていうことだよね⁉︎ あ、自分で考えながら特別、特別ってややこしくなっちゃった。
どうしよう。うれしくて心臓が痛い。
「だからアオイ様に忠誠をチカウのでし」
「へっ?」
「ワタシは生涯をかけて地球を守るのでし。ほら、チュッ、なのでし」
「それ、私への忠誠? ちゅ? ……チュッ⁉︎ チュうううっ!!?」
誓いのチュうううう!!!?
私がさわいでも駄々をこねても、通用しないのだろうな。
「あのね、銀太郎。サヨナラをやめようっていうのは本当なの。『サヨナラ』じゃなくて、『またね』じゃダメかな?」
「マタネ?」
「私たち、ずっと一緒にいられなくても、ずっと仲良しでいることはできないかな。せっかく出会えたのだもの。どんなに遠く離れていても会えなくてもどんな形でも、私はずっと銀太郎と仲良しでいたい。うちのパパとお母さんだって、ほとんど会わないのに仲良しだよ? あ、それはちょっとちがうのかな。とにかく、私はいつかまた銀太郎に会えたらうれしいな。もちろん約束はいらない。ただずっと仲良し。だから『サヨナラ』じゃなくて『またね』。……ダメかな?」
サヨナラは言いたくない。
「サヨナラ」と「またね」は全然ちがうもの。
またいつか。
次に会えるのかわからないけれどお別れでもない、あいまいなあいさつ。
たとえそのいつかが人生の終わりにただ一度だったとしても、私は笑ってその日を迎えられる。たとえ会えないまま人生が終わっても、再会を楽しみにした時間を決して後悔したりしないよ。
銀太郎だから。相手が銀太郎だから、こんな気持ちになるんだよ……。
「アオイ様、お言葉でしが。どんな形でもと言いましが、思い出してごらんなのでし。ワタシ銀色ツルツル。心理的距離は宇宙の果てより遠かったはずでしよ?」
「それなら大丈夫! 『UFOふれあう館』に行ってわかったの。銀太郎は、ゆるキャラ並みにかわいかったんだって。だからもう大丈夫!」
「ショック療法でしかね。では、この先ずーと会わなくても、アオイ様ワタシのこと覚えていましか。アオイ様、これからピチピチ青春時代。みんなアオイ様好きになりましからモテモテでしよ? ワタシ、きれいさっぱり忘れ去られてしまいまし」
えー……。私、全然信用ないんだ。
「もうっ、いつもの超ポジティブシンキングはどこに行ったのよ? それ、宇宙人のモテ基準で言っているでしょう? アイスあげるとか心の声が大音量とか?」
「どちらもポイント高しでしよ」
それ銀太郎だけだからっ。
「銀太郎のことをもし忘れちゃったら、その時はごめん。でも、忘れていてもまた会えたら、また必ず仲良しになれると思うの。私、銀太郎がどんな姿で現れても、銀太郎のことがわかる気がするんだよね。なんでかなあ。運命とか? あははっ」
銀太郎は少しあきれたように、でもうれしそうに笑ってくれた。
「ケイちゃんとオカーサン様、確かにずっと仲良しでしね。ずっと一緒にいなくても、ずっと仲良しでし。でも、ワレワレと地球人、生きる時間も見える世界も全くちがいまし。地球人と宇宙人、一緒に生きることはないと思っていますた。それでも、仲良しできましか?」
「うん。だって、私と銀太郎だよ?」
大大大好きなアイドル滝川蓮君の姿をした宇宙人。見ているだけでドキドキするけれど、きっともうそれは蓮君だからじゃないんだよね?
「アオイ様。アオイ様はワタシにとって地球そのものでしよ。とてもウツクシイ星。ワタシが守り続けたい大切な存在なのでし」
「アサガオじゃ……なかったの?」
「ずっと仲良しの……特別仲良しのアサガオ……」
銀太郎は少し照れたように目をそらした。
ひゃーーーーっ⁉︎
どうしよう、キュンてなった!
その顔絶対反則だってばっ!
しかも今の言葉って、特別なアサガオじゃない特別っていうことだよね⁉︎ あ、自分で考えながら特別、特別ってややこしくなっちゃった。
どうしよう。うれしくて心臓が痛い。
「だからアオイ様に忠誠をチカウのでし」
「へっ?」
「ワタシは生涯をかけて地球を守るのでし。ほら、チュッ、なのでし」
「それ、私への忠誠? ちゅ? ……チュッ⁉︎ チュうううっ!!?」
誓いのチュうううう!!!?
1
あなたにおすすめの小説
四尾がつむぐえにし、そこかしこ
月芝
児童書・童話
その日、小学校に激震が走った。
憧れのキラキラ王子さまが転校する。
女子たちの嘆きはひとしお。
彼に淡い想いを抱いていたユイもまた動揺を隠せない。
だからとてどうこうする勇気もない。
うつむき複雑な気持ちを抱えたままの帰り道。
家の近所に見覚えのない小路を見つけたユイは、少し寄り道してみることにする。
まさかそんな小さな冒険が、あんなに大ごとになるなんて……。
ひょんなことから石の祠に祀られた三尾の稲荷にコンコン見込まれて、
三つのお仕事を手伝うことになったユイ。
達成すれば、なんと一つだけ何でも願い事を叶えてくれるという。
もしかしたら、もしかしちゃうかも?
そこかしこにて泡沫のごとくあらわれては消えてゆく、えにしたち。
結んで、切って、ほどいて、繋いで、笑って、泣いて。
いろんな不思議を知り、数多のえにしを目にし、触れた先にて、
はたしてユイは何を求め願うのか。
少女のちょっと不思議な冒険譚。
ここに開幕。
パンダを演じたツキノワグマ:愛されたのは僕ではなく、塗りたくった小麦粉だった
tom_eny
児童書・童話
「なぜ、あいつばかりが愛される?」
山奥の孤独なツキノワグマ・ゴローは、人々に熱狂的に愛される「パンダ」に嫉妬した。
里で見つけた小麦粉を被り、彼は偽りのアイドルへと変貌を遂げる。
人々を熱狂させた「純白の毛並み」。
しかし、真夏の灼熱がその嘘を暴き出す。
脂汗と混じり合い、ドロドロの汚泥となって溶け落ちる自己肯定感。
承認欲求の果てに、孤独な獣が最後に見つけた「本当の自分」の姿とは。
SNS時代の生きづらさを一頭の獣に託して描く、切なくも鋭い現代の寓話。
#AI補助利用
未来スコープ ―キスした相手がわからないって、どういうこと!?―
米田悠由
児童書・童話
「あのね、すごいもの見つけちゃったの!」
平凡な女子高生・月島彩奈が偶然手にした謎の道具「未来スコープ」。
それは、未来を“見る”だけでなく、“課題を通して導く”装置だった。
恋の予感、見知らぬ男子とのキス、そして次々に提示される不可解な課題──
彩奈は、未来スコープを通して、自分の運命に深く関わる人物と出会っていく。
未来スコープが映し出すのは、甘いだけではない未来。
誰かを想う気持ち、誰かに選ばれない痛み、そしてそれでも誰かを支えたいという願い。
夢と現実が交錯する中で、彩奈は「自分の気持ちを信じること」の意味を知っていく。
この物語は、恋と選択、そしてすれ違う想いの中で、自分の軸を見つけていく少女たちの記録です。
感情の揺らぎと、未来への確信が交錯するSFラブストーリー、シリーズ第2作。
読後、きっと「誰かを想うとはどういうことか」を考えたくなる一冊です。
未来スコープ ―この学園、裏ありすぎなんですけど!? ―
米田悠由
児童書・童話
「やばっ!これ、やっぱ未来見れるんだ!」
平凡な女子高生・白石藍が偶然手にした謎の道具「未来スコープ」。
それは、未来を“見る”だけでなく、“触れたものの行く末を映す”装置だった。
好奇心旺盛な藍は、未来スコープを通して、学園に潜む都市伝説や不可解な出来事の真相に迫っていく。
旧校舎の謎、転校生・蓮の正体、そして学園の奥深くに潜む秘密。
見えた未来が、藍たちの運命を大きく揺るがしていく。
未来スコープが映し出すのは、甘く切ないだけではない未来。
誰かを信じる気持ち、誰かを疑う勇気、そして真実を暴く覚悟。
藍は「信じるとはどういうことか」を問われていく。
この物語は、好奇心と正義感、友情と疑念の狭間で揺れながら、自分の軸を見つけていく少女の記録です。
感情の揺らぎと、未来への探究心が交錯するSFラブストーリー、シリーズ第3作。
読後、きっと「誰かを信じるとはどういうことか」を考えたくなる一冊です。
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
少年騎士
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞参加作」ポーウィス王国という辺境の小国には、12歳になるとダンジョンか魔境で一定の強さになるまで自分を鍛えなければいけないと言う全国民に対する法律があった。周囲の小国群の中で生き残るため、小国を狙う大国から自国を守るために作られた法律、義務だった。領地持ち騎士家の嫡男ハリー・グリフィスも、その義務に従い1人王都にあるダンジョンに向かって村をでた。だが、両親祖父母の計らいで平民の幼馴染2人も一緒に12歳の義務に同行する事になった。将来救国の英雄となるハリーの物語が始まった。
【運命】と言われて困っています
桜 花音
児童書・童話
小6のはじまり。
遠山彩花のクラスである6年1組に転校生がやってきた。
男の子なのに、透き通るようにきれいな肌と、お人形さんみたいに、パッチリした茶色い瞳。
あまりにキレイすぎて、思わず教室のみんな、彼に視線が釘付けになった。
そんな彼が彩花にささやいた。
「やっと会えたね」
初めましてだと思うんだけど?
戸惑う彩花に彼はさらに秘密を教えてくれる。
彼は自らの中に“守護石”というものを宿していて、それがあると精霊と関われるようになるんだとか。
しかも、その彼の守護石の欠片を、なぜか彩花が持っているという。
どういうこと⁉
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる