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0.プロローグ
しおりを挟むフランブルク王国の貴族学校。
十六歳から三年間、貴族の子息子女が通うこの学校は、贅の限りを尽くした豪華絢爛な学校なのだという。
男爵令嬢エリザベス・ハートレイは初めて見る巨大な建物を前に、気合いを入れた。
――私はここで、結婚相手を見つける!
別にイケメンでなくていい!
生理的に受け付けないレベルでなければ我慢できる。
それなりにお金を持っていて、結婚後は毎月お小遣いをくれるような男であれば見た目は気にしない。
ただ、複数の女を侍らせるような男だけは嫌だ。
性格の悪い男もできれば避けたいけれど、多少難があったとしてもお小遣いさえくれれば目をつぶる。
……でも、貴族のお小遣いって、どれくらい貰えるものなのかしら?
あまり少なすぎても困るから、そういう意味ではお金はいくら持っていても困らない。
私が望むのは、イケメンでなくていいからお金を持っている男。
目指せ玉の輿!!
そんな決意を胸に学校に足を踏み入れたエリザベスに対し、入学三ヵ月にして早くも試練が立ちはだかった。
放課後、いつものように図書室で本を読んでいたエリザベスの前に現れた、一人の男子生徒。
「ここ、いいかな?」
本から顔を上げ、彼の顔を見たエリザベスはギョッとした。
サラサラとした黒髪に、聡明そうな黒い瞳。
皆と同じ学校指定の制服を着ているだけなのに、一目で分かる育ちの良さ。
エリザベスのような下位貴族でも分かるこの御方の名前は、アンソワ・フランブルク。
……まごうことなきこの国の王太子殿下だった。
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