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転生令嬢、ヤンデレに捕まる 2
しおりを挟む胸を揉まれながら先端の突起を弄られると、ゾクゾクとした感覚が背筋を走る。
体を震わせた私に目敏く気付いたルシフェル様は、固くしこった突起をコリコリと指で擦り合わせた。
「んっ……ん、っふ……」
拘束がなくなったことで自由になった手を、自分の口を押えることに使う。
嫌だと言っておきながら、ルシフェル様に触れられて甘い声が出てきてしまいそうだった。
「フィーネ、声を抑えないでください。もっと貴方の声が聞きたいんです」
咎めるようにそう言われても、無理なものは無理だ。
私が首を横に振ると、ルシフェル様は出来ない子供を見るような顔をした。
「……一切の抵抗が出来ないよう、魔法で体を拘束してしまっても私はいいのですが……それとも、貴方が考えていることが全て私に伝わるようにしましょうか?」
私はすぐに口から手を離す。
ルシフェル様の脅しには屈してしまったけれど、流されて関係を持つ前にこれだけは言っておかなければと口を開いた。
「ね、ねえ……私たちが結婚する? としても、まだ先の話だし、こういうことは順序を守ってした方がいいんじゃないかしら」
「それでは駄目です。貴方はまだ、私と夫婦になることを自覚していないでしょう。変な誤解をして、他の男を探そうなどと考えられては困ります」
「それは……」
「貴方は私に愛されて、私だけを愛せばいい。そのことを、きちんと貴方に教え込まないと」
ルシフェル様の瞳からは、絶対に引かないという強い意志が見て取れた。
躊躇う私に気付いたのか、彼は懇願するように私を見つめて言う。
「正直、まだ不安なんです。ずっと求めていた貴方をようやく手に入れたのに、この幸せが全て無かったことにされるのが怖い。……フィーネ、どうかこのまま流されてください」
「……」
こんな時に弱みを見せるのはずるい。
迷った末に、私は言葉を選びながら『お願い』を口にした。
「……それなら、せめて部屋を暗くして」
言った瞬間、恥ずかしさが込み上げてきて顔が赤くなる。
自分から抱かれることを認める発言をするのは物凄く恥ずかしかった。
葛藤の末の妥協案は、ルシフェル様によってアッサリと切り捨てられた。
「駄目です。貴方の顔が見られません」
「……こんなに頑張ったのに嘘でしょう……」
「それに、お互い初めてですので、誤ってフィーネを傷付けてしまってはいけませんし」
「…………ん?」
聞き捨てならない単語が聞こえた気がして、動きが止まる。
――お互い、初めて……?
「ルシフェル……貴方、初めてなの……?」
怪訝に思いながら彼を見る。
この見た目なら夜のお相手は引く手数多だろう。
勝手に慣れているものと思っていたけれど、違ったのだろうか。
「当たり前でしょう。どうして義姉さん以外の女性に、好き好んで触れなければならないんですか」
当然のように言う彼を見て、私は内心疑問に思う。
(貴族の子息が閨の手ほどきを受けるのは、この世界では普通のことだと思うんだけど……)
私が不安になっていると思ったのだろう。
ルシフェル様はフッと笑って言った。
「大丈夫です。貴方に痛みなど与えないよう、たくさん触れてフィーネの気持ち良いところを覚えていきますから」
笑みに合わせて白金の髪が揺れる。
ルシフェル様の色気漂う妖艶な笑みを見て、私は色々な意味で不安になった。
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