小助くんの小さなぼうけん

ケンタシノリ

文字の大きさ
69 / 347
小助くんと秋の大自ぜん

小助くんと秋の生きものたち

しおりを挟む
 小助は、今日もお母さんと2人でイモほりをしています。大きなイモをほり出すと、小助はいつものようにかわいい声を上げています。

「かあちゃ! かあちゃ! おイモ! おイモ!」
「ふふふ、大すきなおイモをはり出したんだね」
「うん! うん!」

 小助は、ほり出したばかりの大きなイモをもちながらピョンピョンとびはねています。そんな時、小助らしい元気でかわいい音が鳴りひびきました。

「プウッ! プウッ! プウウウウウ~ッ!」
「あっ! 小助くん、でっかいおならが出ちゃったね」
「てへへ、出ちゃった」

 思わず出てしまったおならに、小助は顔を赤らめながらもキャッキャッとえがおを見せています。そんな中にあっても、小助はやきイモを食べたいという気もちにかわりありません。

「やきイモ! やきイモ!」
「小助くんは、あいかわらずやきイモを食べるのがが大すきなんだね」

 お母さんは、小助のために家へもどってやきイモを作ることにしました。小助も、お母さんの後についていきながらイモを食べるのを今から楽しみです。

 そんな時、小助の目の前を何かが通ったことに気づきました。何びきかの赤とんぼのすがたを見ようと、小助はかけっこをしながらおいかけています。

「あっ! ちょっとまって!」

 小助がかけ足でやってきたのは、田んぼのそばにあるすこし大きな池です。池のほうを見ると、ハスのはっぱの上でカエルたちがケロケロと鳴きながら歌っています。

「わあ~っ! カエルちゃんだ!」

 小助くんは、カエルたちのすがたを近くで見ようと池の中へ足を入れました。カエルたちも、小助のかわいいすがたをよろこびながら鳴き声を上げています。

「ケロケロケロッ、ケロケロッ、ケロケロッ」
「ケロッ、ケロケロッ、ケロケロケロッ」

 カエルたちの鳴き声に合わせて、小助のほうもいっしょに鳴き声を出しています。小助がかわいい声で鳴きまねをしていると、そのそばを赤とんぼが通っていきました。

「わあ~っ! まって!」

 小助は、とんぼをおいかけようと池から上がったり入ったりしながら走っています。しかし、手でつかまえようとしてもなかなかつかまえることができません。

 そんな小助が池のほうをふり向くと、池の中でおよいでいるこん虫らしきものを目にしました。小助は、そのこん虫を見ようとふたたび池の中へ入りました。

 ゆうゆうとおよぐこん虫のすがたを見ていると、小助の耳にお母さんの声が聞こえてきました。

「小助くん、やきイモができたよ!」
「かあちゃ! こっちへきて! こっちこっち!」

 お母さんは、小助のいる池のそばへやってきました。小助は、お母さんに池でおよぐこん虫を早く見せようと元気な声でよんでいます。

「これなあに? これなあに?」
「ふふふ、これはげんごろうというこん虫だよ。こん虫だけど、いつも池とか田んぼの中でおよいでいるわ」

 お母さんは、小助がはじめて見るこん虫のことを教えています。小助は、どうぶつを見るのもこん虫を見るのもうれしくてたまりません。

 ずっと池にいるげんごろうを見ている小助ですが、しだいにくるしそうな顔つきになってきました。

「で、出る……」
「小助くん、どうしたの?」
「う、うんこ……」

 小助がおしりをおさえてガマンしながら池から上がろうとしたその時のことです。

「わっ、わわっ!」
「小助くん、どうしたの?」

 池から出たとたん、小助は足をすべらせてしりもちをついてしまいました。じめんのほうを見ると、そこにはげんきいっぱいのうんこがたくさんあります。

「かあちゃ、出ちゃった」
「あらあら、うんこがいっぱい出ちゃったね」

 小助のでっかいうんこは、はたけのこやしにぴったりです。お母さんは、すぐに木ぐわですくい上げたそのうんこを畑の上でたがやしています。

「さあ、おいしいやきイモをいっしょに食べようね」
「わあ~っ! やきイモ! やきイモ!」

 おいしいやきイモを食べるのを楽しみにしながら、小助はお母さんと2人で家へもどっていきました。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート

谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。 “スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。 そして14歳で、まさかの《定年》。 6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。 だけど、定年まで残された時間はわずか8年……! ――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。 だが、そんな幸弘の前に現れたのは、 「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。 これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。 描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。

童話短編集

木野もくば
児童書・童話
一話完結の物語をまとめています。

きたいの悪女は処刑されました

トネリコ
児童書・童話
 悪女は処刑されました。  国は益々栄えました。  おめでとう。おめでとう。  おしまい。

左左左右右左左  ~いらないモノ、売ります~

菱沼あゆ
児童書・童話
 菜乃たちの通う中学校にはあるウワサがあった。 『しとしとと雨が降る十三日の金曜日。  旧校舎の地下にヒミツの購買部があらわれる』  大富豪で負けた菜乃は、ひとりで旧校舎の地下に下りるはめになるが――。

ぼくのだいじなヒーラー

もちっぱち
絵本
台所でお母さんと喧嘩した。 遊んでほしくて駄々をこねただけなのに 怖い顔で怒っていたお母さん。 そんな時、不思議な空間に包まれてふわりと気持ちが軽くなった。 癒される謎の生き物に会えたゆうくんは楽しくなった。 お子様向けの作品です ひらがな表記です。 ぜひ読んでみてください。 イラスト:ChatGPT(OpenAI)生成

宇宙人は恋をする!

山碕田鶴
児童書・童話
【第2回きずな児童書大賞/奨励賞を受賞しました。ありがとうございました。】 私が呼んでいると勘違いして現れて、部屋でアイスを食べている宇宙人・銀太郎(仮名)。 全身銀色でツルツルなのがキモチワルイ。どうせなら、大大大好きなアイドルの滝川蓮君そっくりだったら良かったのに。……え? 変身できるの? 中学一年生・川上葵とナゾの宇宙人との、家族ぐるみのおつきあい。これは、国家機密です⁉ (表紙絵:山碕田鶴/人物色塗りして下さった「ごんざぶろ」様に感謝)

【奨励賞】おとぎの店の白雪姫

ゆちば
児童書・童話
【第15回絵本・児童書大賞 奨励賞】 母親を亡くした小学生、白雪ましろは、おとぎ商店街でレストランを経営する叔父、白雪凛悟(りんごおじさん)に引き取られる。 ぎこちない二人の生活が始まるが、ひょんなことからりんごおじさんのお店――ファミリーレストラン《りんごの木》のお手伝いをすることになったましろ。パティシエ高校生、最速のパート主婦、そしてイケメンだけど料理脳のりんごおじさんと共に、一癖も二癖もあるお客さんをおもてなし! そしてめくるめく日常の中で、ましろはりんごおじさんとの『家族』の形を見出していく――。 小さな白雪姫が『家族』のために奔走する、おいしいほっこり物語。はじまりはじまり! 他のサイトにも掲載しています。 表紙イラストは今市阿寒様です。 絵本児童書大賞で奨励賞をいただきました。

生贄姫の末路 【完結】

松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。 それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。 水の豊かな国には双子のお姫様がいます。 ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。 もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。 王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。

処理中です...