小助くんの小さなぼうけん

ケンタシノリ

文字の大きさ
125 / 347
秋も楽しさいっぱいの小助くん

おっぱいのんだら元気なおしっこで火けし

しおりを挟む
 森の中では、小助と子グマがお母さんグマの前でいつものおねだりをしています。

「かあちゃ、おっぱい! おっぱい!」
「ふふふ、しょうがないわね。みんな、こっちへおいで」

 小助たちは、クマのお母さんのおっぱいをいっせいにのみはじめました。人間とクマのかわいい男の子たちのすがたに、お母さんグマはやさしい目つきで見つめています。

「いっぱいのんでいるみたいだけど、おしっこは大じょうぶかしら」

 お母さんグマがしんぱいしているのは、子どもたちのおしっこです。なぜなら、小助たちはいつもおっぱいをたくさんのんでいるからです。

 この日もおっぱいをのみおわると、小助と子グマたちはじゃれ合うようにあそび出しました。そばを通りかかったオオカミたちも、小さな子どもたちがあそんでいるようすを立ち止まって見ています。

 お母さんオオカミは、ちびっこオオカミがつぎつぎとおっぱいをのんでいるようすを見まもっています。オオカミの子どもたちも、お母さんのやさしさにつつまれながらおっぱいをのみつづけています。

 そのすがたに気づいた小助は、オオカミのむれのほうにかけ足で近づきました。オオカミのお母さんは、小助がどうしてここへやってきたのかすぐに気づきました。

「ぼうや、どうしたのかな?」
「おっぱい! おっぱい!」

 小助は、お母さんオオカミにかわいい声でおねだりをしています。これを聞いたお母さんオオカミは、すぐにやさしいことばをかけました。

「あお向けになってしまうけど、大じょうぶかな?」
「おっぱい! おっぱい!」

 お母さんオオカミのおっぱいをのもうと、小助はじめんにねころがりながらあお向けになりました。小助はお母さんグマにつづいて、お母さんオオカミのおっぱいをいっぱいのんでいます。

「ぼうや、おいしそうにのんでいるみたいだね」

 オオカミのお母さんは、えがおを見せながらおっぱいをのんでいる小助をやさしくつつみこんでいます。しばらくして、小助がお母さんオオカミのおっぱいをのみおえたその時のことです。

「どうしたの?」
「お、おちっこ(おしっこ)……」

 小助は、おっぱいをいっぱいのみすぎておしっこがしたくなりました。

 そんな時、たくさんの木の間にある草むらからけむりが出ていることにお母さんグマが気づきました。草むらからは、ほのおがすこしずつもえ広がっています。

「早くここからにげて!」

 クマのお母さんは、2ひきの子グマをつれて草むらからはなれたところへにげようとします。しかし、おしっこをガマンしている小助はお母さんグマのさけび声が耳に入ってきません。

「おちっこ! おちっこ!」

 小助がはらがけの下をおさえながら向かっているのは、白いけむりが立ちのぼる草むらです。その間にも、小助はしだいにおしっこがガマンできなくなってきました。

 草むらを見つけると、小助はほのおがもえ広がるところへおしっこをしはじめました。

「ジョパジョパジョジョジョジョ~ッ、ジョジョジョジョジョジョ~ッ」

 小助は、元気いっぱいのおしっこをもえ広がる草むらの火元に向かって出しつづけています。いきおいの止まらない小助のおしっこのおかげで、草むらからもえ広がったほのおはすべてけすことができました。

 クマとオオカミの親子は、小助のいる草むらのまわりへやってきました。しんぱいそうに見つめるどうぶつたちをよそに、小助はてれながらもいつものえがおを見せています。

「てへへ、おちっこ出ちゃった」
「もしかして、おしっこで火をけしたの?」
「うん! おちっこでけちたよ(おしっこでけしたよ)!」

 小助がおしっこをいっぱい出して火をけすことができたのは、どうぶつのお母さんのおっぱいをたくさんのんだおかげです。

「いっしょにあそぼう」
「みんないっちょ! みんないっちょ!」

 子グマとちびっこオオカミは、火事から森をまもってくれた小助といっしょにじゃれ合っています。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート

谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。 “スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。 そして14歳で、まさかの《定年》。 6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。 だけど、定年まで残された時間はわずか8年……! ――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。 だが、そんな幸弘の前に現れたのは、 「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。 これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。 描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。

童話短編集

木野もくば
児童書・童話
一話完結の物語をまとめています。

きたいの悪女は処刑されました

トネリコ
児童書・童話
 悪女は処刑されました。  国は益々栄えました。  おめでとう。おめでとう。  おしまい。

左左左右右左左  ~いらないモノ、売ります~

菱沼あゆ
児童書・童話
 菜乃たちの通う中学校にはあるウワサがあった。 『しとしとと雨が降る十三日の金曜日。  旧校舎の地下にヒミツの購買部があらわれる』  大富豪で負けた菜乃は、ひとりで旧校舎の地下に下りるはめになるが――。

宇宙人は恋をする!

山碕田鶴
児童書・童話
【第2回きずな児童書大賞/奨励賞を受賞しました。ありがとうございました。】 私が呼んでいると勘違いして現れて、部屋でアイスを食べている宇宙人・銀太郎(仮名)。 全身銀色でツルツルなのがキモチワルイ。どうせなら、大大大好きなアイドルの滝川蓮君そっくりだったら良かったのに。……え? 変身できるの? 中学一年生・川上葵とナゾの宇宙人との、家族ぐるみのおつきあい。これは、国家機密です⁉ (表紙絵:山碕田鶴/人物色塗りして下さった「ごんざぶろ」様に感謝)

ぼくのだいじなヒーラー

もちっぱち
絵本
台所でお母さんと喧嘩した。 遊んでほしくて駄々をこねただけなのに 怖い顔で怒っていたお母さん。 そんな時、不思議な空間に包まれてふわりと気持ちが軽くなった。 癒される謎の生き物に会えたゆうくんは楽しくなった。 お子様向けの作品です ひらがな表記です。 ぜひ読んでみてください。 イラスト:ChatGPT(OpenAI)生成

【奨励賞】おとぎの店の白雪姫

ゆちば
児童書・童話
【第15回絵本・児童書大賞 奨励賞】 母親を亡くした小学生、白雪ましろは、おとぎ商店街でレストランを経営する叔父、白雪凛悟(りんごおじさん)に引き取られる。 ぎこちない二人の生活が始まるが、ひょんなことからりんごおじさんのお店――ファミリーレストラン《りんごの木》のお手伝いをすることになったましろ。パティシエ高校生、最速のパート主婦、そしてイケメンだけど料理脳のりんごおじさんと共に、一癖も二癖もあるお客さんをおもてなし! そしてめくるめく日常の中で、ましろはりんごおじさんとの『家族』の形を見出していく――。 小さな白雪姫が『家族』のために奔走する、おいしいほっこり物語。はじまりはじまり! 他のサイトにも掲載しています。 表紙イラストは今市阿寒様です。 絵本児童書大賞で奨励賞をいただきました。

生贄姫の末路 【完結】

松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。 それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。 水の豊かな国には双子のお姫様がいます。 ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。 もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。 王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。

処理中です...