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前編
しおりを挟む私リッシェラと今目の前にいる彼アーダンは婚約者同士だ。
そして、我が家はかつて、経済的に傾いていた彼の実家にお金を出し支援した。
そんなこともあって私たち二人の関係は易々と壊せはしないものだと思っていたのだが……。
「リッシェラ、ごめん、婚約は破棄とするよ」
アーダンはある日突然そんなことを言ってきた。
「何を言っているの……?」
投げられた言葉をすぐには理解できず。
思わずそんな声をこぼしてしまう。
いや、そもそも、何も起きていないのに急に婚約破棄だなんておかしな話だろう。
昨日まで平穏そのものだった。
なのにそれが壊れてしまうだなんて。
しかも、避けられない事情などではなく、彼に壊されてしまうだなんて。
正直私にはどうやっても理解できない。
……それなりにまともに生きてきたはずなのに、こんなことが起こるものなのだろうか?
「婚約破棄」
彼はそれだけを発した。
「ちょっと、本気? 本当に婚約破棄するつもりなの?」
「うん」
「けど、関係解消となったら、支援もとめることになってしまうわよ? それでもいいのかしら。大丈夫?」
婚約破棄、それは、二つの家の関係解消という側面も持つ。
「いいよ」
「親御さんにももう話したの?」
「僕が決めたんだ。僕の人生は僕が決めるんだよ。それって何も間違ったことじゃないよね? ね? だからさ、僕は僕で生きてゆくんだ」
こうして婚約は破棄となった。
そして我が家からの支援金も停止となった。
また、これまでに出した支援金も回収する方針で、親は日々ちまちまと動いていた。
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