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後編
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あの後アーダンの家は経済的にどうしようもない状態となった。
そしてある晩アーダンの父親が自死。
さらにそのショックで彼の母親も家から飛び出してしまい、翌朝崖の下で亡骸となって発見された。
そうして一人遺されたアーダンは、ある日、我が家に支援金を返すために親が借りていたお金の返済を迫る男に襲われたそうで。
その男たちともみ合いになった果てに百段階段の一番上の段から転落して死亡した。
噂によれば、その後アーダンは一部の内臓を抜かれたそうだ。
……もし本当なのだとしたらとても恐ろしい話。
でもそれが彼の運命だったのだろう。
私との関係を身勝手に解消したその時、彼の結末は決まったのだ。恐らく、だが。そして時が経ちその日を迎えたというだけのこと。
ま、自業自得だろう。
「アーダンくんたち、亡くなられたみたいね」
「母さん」
彼はもうこの世にはいない。
そう思うと少々不思議な感じがする。
でも――それは私がここでいくら考えてもどうしようもないことだし、実際の暮らしにはまったくもって関係のないことである。
「驚きよね」
「本当に。まさかこんなことになるなんて。……けどまぁそういうものかな、お金の支援がなくなるわけだし」
「順調に罰を与えられて良かったわ」
「母さんちょっと笑みが黒いわね」
「黒い? ええ、だってこれは罰なんだもの。娘を身勝手に捨てられて罰を与えないなんて、そんなことはあり得ないことだわ。ちなみにこれは夫とも話し合ったことよ」
私はその後父親の知り合いである大規模な服屋を営む青年と結婚、衣食住に満ちた状態で幸せに暮らすことができた。
今、私には、これ以上も求めたいものはない。
現状手に入れられている幸せ。
それさえあればそれだけでいい。
◆終わり◆
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