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後編
しおりを挟む散々虐めておいて守れとは、なかなか画期的な発想である。
でもまぁ外出できるのなら悪くはないかもしれない。もうずっと屋敷の敷地内から出られていないから、外への憧れは確かにあるのだ。外へ行けるというのなら、どんな状況であれ、ある意味嬉しいことと言えるだろう。
こうして私はエリサについて城へ行くことにした。
◆
そうして向かった城にて、私は王子に見初められてしまった。
「君は素晴らしい! 世話役なんて惜しいよ、そんなの。ぜひ僕と共に生きてほしい!」
エリサが王子に見初められるための会だったというのに、彼女ではなく私が見初められてしまった。ということで、もちろんエリサには激怒されてしまった。でも、王子が「大丈夫、あの乳まる出しの妹さんからは僕が守るよ」と言ってくれたので、私は彼のもとへ行って生きることにした。
「事情もあっただろうに……勝手言ってごめんね」
「いえ」
「でも、とても嬉しいよ。どんな形であれ、君と出会えて良かった」
「こちらこそ嬉しいです。あの家にいても虐げられるだけだったので。救われました」
私は王子と結ばれた。
こうして私は幸せになれた。
もちろん、幸せの形は人それぞれだろうけれど、少なくとも私にとってはこの道が幸福な道だった。
ちなみに、義母とエリサと父は、私と王子の婚礼の日に会場に乱入しようとしたことで警備隊に拘束され牢屋に入れられた。
父は特に何も所持していなかったうえ抵抗もしなかったため、数時間の説教と罰金のみで解放されたそう。
しかし義母とエリサは刃物や爆発物を所持していたうえ暴言を吐き散らしさらに拘束時にも激しく抵抗したため、死刑となったそうだ。
◆終わり◆
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