婚約者である王子の近くには何やら不自然なほどに親しい元侍女の女性がいるのですが……? ~幸せになれるなんて思わないことです~

四季

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後編

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 そうして私が城を去ってから、王城では災難やら事件事故やらが多発するようになったようで。皆「聖女を捨てたからだ」と噂していたらしい。しかし当のグスタフだけはそれを頑なに否定しており、また、侍女が聖女という単語を発していることに気づいた瞬間殴りかかるなどの問題行動まで始めてしまっていた。やがて王子グスタフへの皆からの視線は冷ややかなものへと変わってゆく。

 そして、ある時、アイリーンに批判的な話をしていた侍女をボコボコにするという暴力事件を起こす。

 それによりグスタフは親から勘当を言いわたされ、王子の位も失うこととなってしまったそうだ。

 城から追い出された彼は仕事に就くも元王子ということで周囲からは心ない対応をされてしまい、それによってみるみるうちに弱っていってしまったそうで、やがて体調を崩して何もできない状態となったらしい。で、そんなことをしているうちにお金も尽き、人生は詰みに。食べる物さえ十分には手に入らないような生活では体調不良になっても治療を受けることもできず、彼はその冬一人ぼっちで亡くなった。

 また、アイリーンも、グスタフを暴走させた罪に問われたそうで。
 彼女は牢屋に入れられ見張りに弄ばれながら惨めな人生を歩み、数年後たまたま落下してきた窓枠で頭部を強打し死亡したそうだ。

 二人とも、どうやら幸せにはなれなかったようである。

 でもまぁそれも仕方のないことだろう。

 婚約者がいる男に平気で手を出す女。
 自分勝手な理由で他者に暴力を奮うような男。

 そんな二人が幸福を手に入れるなんてこと、できるはずがない。

 ちなみに私はというと、婚約破棄から数年後にはなってしまったが良き相手に巡り会うことができ、心から愛せるその人と結婚することができた。


◆終わり◆
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