理不尽に追放された神の加護を持つ娘、隣国で幸せになる

四季

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4話

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 ◆


 私は誘ってくれた彼と共に隣国へ向かった。

 国を守る娘と呼ばれるのは最初は嫌だったけれど、過去の記憶は徐々に薄れて、次第に平気になっていった。

 彼と共に暮らす中で、私は、かつていたあの国が不運に見舞われていることを知った。

 最初は小さな揉め事が繰り返し発生するようになって。それから、段々、小さな揉め事が大事へと発展していく。そして、それと並行するように、自然災害に見舞われることも増えたようだ。地震やら大雨やら、聞くだけでも恐ろしいような災害が、頻繁に発生するようになったとか。

 国の民はあちらこちらを行き来すること以外何もできず。
 実りは減り、食糧難が起き、民の間でも小競り合いが多発するようになって。

 あの国は今これまでに経験のないような悲劇に見舞われているそうだ。

 ただ、災難というのは不思議なもので、あちらはそんなことになっているのに隣国であるこの国では何も起きていない。物理的な距離は近いのに。

 まるで、二つの国の境に、運命という高い壁がそびえ立っているかのようだ。

 また、後に聞いた話によると、私を拒んだあの王子は豪雨災害によって命を落としたそうだ。

 婚約破棄後は愛する女性とよく出掛けていたようだが、川べりで二人寛いでいる時に突然大雨が降り出し、彼だけが足を滑らせて川に転落。彼は、女性の目の前で、大量の水によって流されていってしまったらしい。

 私は隣国へ移り住んでいたから助かった。
 そういう意味では幸運だったと言えるかもしれない。

 その数年後、私は、この国へ移り住む誘いを持ちかけてくれた彼と結ばれた。少しずつ絆を育んで、そういう結末へたどり着いたのだった。けれども、これですべてが終わるわけではない。私の人生は続いてゆく。これからは彼と共に歩むのだ、明るい未来へ行くために。


◆終わり◆
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