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後編
しおりを挟むバランスは長い金の髪を一度軽く掻き上げて。
「そうですか、分かりました」
淡々とした調子でそう発した。
青い瞳の奥には鋭い光が宿っている。
「それでも構いません」
「助かる! ありがとう!」
「ただし、今まで支援してきた分も返却していただく形となります」
「いいさ! もう何も困っていない! 暮らしの立て直しには成功したからな!」
「では……さようなら、ロックさん」
別れしな、バランスの桃色の唇には薄い笑みが浮かんでいた。
――その後ロックとその両親には凄まじい額の返済が求められることとなった。
借金の肩代わりをした分や、苦しい生活を少しでもましにするために注ぎ込まれていた分、それらのお金を一気に返さなくてはならないこととなったロックたち。
地獄に堕とされるようなことだ、それは。
ロックの母親は「絶対に無理だ」と言い絶望して自ら命を絶った。
一方その夫であるロックの父親はというと、バランスの実家へ赴き「何とか返済額を減らしてほしい、そうでなくてはまた生活ができなくなってしまう」と頼みに行くも拒否されて――その後妻を追うように死を選んだ。
彼の最期の言葉は「息子が馬鹿で死ぬとは、な……」というものであった。
そうして一人遺されてしまったロック。
彼はそのまま愛する女と結婚しようとするも、途中で返済の件がばれてしまい、その結果逃げられてしまった。
女のためにバランスとの婚約を捨てた彼だが結局何も得られずじまいとなった。
ありとあらゆるものを失ったロックは物乞いで食いつないでゆくような路上生活をしばらく続けていたが、冬のある朝公園のベンチにて凍死したのだった。
ちなみにバランスはというと、後に石油王の子息と結婚した。
彼女は今、夫から大変愛されている。
朝から晩まで溺愛され続ける日々だ。
◆終わり◆
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