継母は実娘のため私の婚約を強制的に破棄させましたが……思わぬ方向へ進んでしまうこととなってしまったようです。

四季

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前編

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「ちょっといいかい? あんた」

 継母が喋りかけてきた。

 彼女は私を嫌っている。
 だから笑顔で話しかけられるというのはかなり珍しいことだ。

 いやはや不気味過ぎる……。

「オッドローグくんとの婚約だがね」
「はい、何でしょう」

 ここからさらに衝撃の展開が待っていた。

「破棄しておいたよ」

 継母は柔らかく微笑んでそんなことを言った。

「え!?」

 脳に電撃が駆けたみたいだった。

「いや、だから、そのままの意味。あんたとオッドローグくんの婚約を破棄しておいた、って言っているんだよ」
「何ですかそれ!?」
「あんたら似合わないだろう? 彼はイケメン、あんたは並」
「だとしても……あまりにも勝手過ぎます! 婚約を本人の許可も取らず破棄するなんて!」

 訴えるも、継母はけらけらと笑うだけ。
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