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2話
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「唐突に何ですの? お姉さま」
「婚約者の彼との話、聞いてほしいの。構わないかしら」
「惚気ですの?」
ルーネは不快そうな顔をする。
だがそれも無理はないだろう。というのも、彼女は先日恋人と別れたのだ。数年付き合ってきた恋人の青年が家の付き合いで他の女性と結婚することになった、という話であった。
「そうそう。そんな感じよ」
「……正直どうでもいいですわ」
「興味がなくてもいいの。聞いてくれるだけでいいの」
「まぁ、構いませんけれど……」
ルーネは面白くなさそうだ。
思えば彼女はいつもそうだった。私が泣いている時には笑っていて、私が笑っている時には口角を下げて不満そうな顔をしていた。
彼女にとっての幸せとは、私の不幸なのだろうか。
なぜこんな関係になってしまったのだろう。仲良しな姉妹になれる可能性だって、まったくないことはなかっただろうに。
けれども、一度出来上がってしまった関係というとは、今さら変えられるものではない。
また、私だけが動いても、それでどうにかなることでもない。
「実はね、彼と、こんな——」
私は話し続ける。
カインと仲良さげな話を。
◆
「ニーナ、少しいいか」
「はい」
惚気を聞かせた日から数日が経った、ある日の昼下がり。
父親に呼び出された。
「婚約者の彼との話、聞いてほしいの。構わないかしら」
「惚気ですの?」
ルーネは不快そうな顔をする。
だがそれも無理はないだろう。というのも、彼女は先日恋人と別れたのだ。数年付き合ってきた恋人の青年が家の付き合いで他の女性と結婚することになった、という話であった。
「そうそう。そんな感じよ」
「……正直どうでもいいですわ」
「興味がなくてもいいの。聞いてくれるだけでいいの」
「まぁ、構いませんけれど……」
ルーネは面白くなさそうだ。
思えば彼女はいつもそうだった。私が泣いている時には笑っていて、私が笑っている時には口角を下げて不満そうな顔をしていた。
彼女にとっての幸せとは、私の不幸なのだろうか。
なぜこんな関係になってしまったのだろう。仲良しな姉妹になれる可能性だって、まったくないことはなかっただろうに。
けれども、一度出来上がってしまった関係というとは、今さら変えられるものではない。
また、私だけが動いても、それでどうにかなることでもない。
「実はね、彼と、こんな——」
私は話し続ける。
カインと仲良さげな話を。
◆
「ニーナ、少しいいか」
「はい」
惚気を聞かせた日から数日が経った、ある日の昼下がり。
父親に呼び出された。
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