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3話
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「婚約者のことで話があってな」
「えっと……何でしょう?」
あぁ、こうしていると思い出してしまう。
ルーネが親に泣きついて、私は理不尽に怒られて。悔しくて悔しくて、けれども何も言えない。抵抗することすらできなくて。ただ涙を堪えて叱られることしかできず、無力さを感じていた、昔のこと。
痛く、苦く、できれば思い出したくない記憶。
「ルーネが彼と仲良くなりたいと言っている」
……来た!
「カインといったか? 彼と会ってみたいと言っているのだ。もちろん一度だ、構わないな?」
「もちろん」
「よし。では今度、ルーネをカインに会わせにいく」
「分かりました」
ここまではすべてが順調。
予想通りの展開だ。
◆
その後、ルーネはカインのところへ行ったようだった。
姉の婚約者に平気で手を出せるとは、まったく、どんな神経をしているのだが。いや、彼女らしいといえば彼女のらしいのだけれど。ただ、私には、彼女の気持ちがまったく理解できない。
初めて会いにいった日、帰ってきたルーネはとてもご機嫌で、その話をやたらと聞かせてきた。
カインと二人で会ったこと。色々話せたこと。そして、丁寧に扱ってもらえて嬉しかったこと。彼女は何も隠すことなく私に話した。勝ち誇った顔をしていて、自慢のようだった。
だが、私はそれを聞いても平気だ。
だって、ルーネとカインが仲良くなることは、私にとって辛いことではないのだ。むしろそうなってくれた方が嬉しいくらいである。ルーネがカインを気に入ってくれれば、何もかもが思い通り。
それからというもの、ルーネはことあるごとにカインに会いにいくようになった。
その期間、ルーネはいつも幸せそうだった。いつになく明るい顔をしていたし、朝から晩までたくさんのことを話していた。幸福のただなかにいる、という感じであった。
「えっと……何でしょう?」
あぁ、こうしていると思い出してしまう。
ルーネが親に泣きついて、私は理不尽に怒られて。悔しくて悔しくて、けれども何も言えない。抵抗することすらできなくて。ただ涙を堪えて叱られることしかできず、無力さを感じていた、昔のこと。
痛く、苦く、できれば思い出したくない記憶。
「ルーネが彼と仲良くなりたいと言っている」
……来た!
「カインといったか? 彼と会ってみたいと言っているのだ。もちろん一度だ、構わないな?」
「もちろん」
「よし。では今度、ルーネをカインに会わせにいく」
「分かりました」
ここまではすべてが順調。
予想通りの展開だ。
◆
その後、ルーネはカインのところへ行ったようだった。
姉の婚約者に平気で手を出せるとは、まったく、どんな神経をしているのだが。いや、彼女らしいといえば彼女のらしいのだけれど。ただ、私には、彼女の気持ちがまったく理解できない。
初めて会いにいった日、帰ってきたルーネはとてもご機嫌で、その話をやたらと聞かせてきた。
カインと二人で会ったこと。色々話せたこと。そして、丁寧に扱ってもらえて嬉しかったこと。彼女は何も隠すことなく私に話した。勝ち誇った顔をしていて、自慢のようだった。
だが、私はそれを聞いても平気だ。
だって、ルーネとカインが仲良くなることは、私にとって辛いことではないのだ。むしろそうなってくれた方が嬉しいくらいである。ルーネがカインを気に入ってくれれば、何もかもが思い通り。
それからというもの、ルーネはことあるごとにカインに会いにいくようになった。
その期間、ルーネはいつも幸せそうだった。いつになく明るい顔をしていたし、朝から晩までたくさんのことを話していた。幸福のただなかにいる、という感じであった。
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