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前編
しおりを挟む結婚式用に仕立ててもらったドレスが裂かれていた。
ある朝のことだ。
倉庫内にあったそれはびりびりに切り裂かれ原形を留めない状態となっていた。
そして。
「ウィルクス様はわたくしがいただきますわ!」
妹ニナが、私の婚約者であるウィルクスを連れて現れた。
「ニナ……? どうして……」
「姉さまの結婚式は中止! それはつまり、ドレスも要らないってことですわ。だから裂いておいてあげましたの!」
「そんな、なぜそこまで」
「だってもう使わないでしょう?」
「いや、それはそうだとしても、よ! どうしてわざわざ裂いたの!」
「姉さまたら馬鹿ですわね。裂いた理由はただ一つ、姉さまが着る予定だたドレスなんて見たくないからですわ」
そんな、それだけの理由で……。
どうしてそんな平然としていられるの。
他人のものを壊しておいて。
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