ざまぁにはざまぁでお返し致します ~ラスボス王子はヒロインたちと悪役令嬢にざまぁしたいと思います~

陸奥 霧風

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第66話 総ツッコミを喰らう

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性格が歪んでいるとルブランに鋭いツッコミを喰らい、動揺し動けなくなった僕をサンペータ達はズルズルと引きづりながら教室へと戻った。


授業中にもかかわらず、僕はどこでこんなに性格が歪んでしまったのか悩んでいると、教壇に立っていた教師が僕の所までやって来た。

「アレク君。元気が無さそうだね? 悩みがあるなら先生が特別に相談にのるよ。条件付きで(笑)」

さっき僕から人気キャラクターのプレミアムチケットの約束を取り付けたクズ教師…… 失礼、子供思いの教師が耳元で満面の笑みを浮かべながら囁いた。

「いえ、大丈夫です」

と答えると、子供思いの教師は、

「そうか、それは残念だ。何かあったらいつでも良いから先生に相談しなさい」

とまで言ってくれ、何だかんだ言っても先生は優しいなぁと感心していると、最後に

「相談料は1時間55,000ギルから受け付けてるからな」

と、言いやがった! 1ギルが日本円で1円になるから、1時間で55,000円! なんて教師だ。弁護士の相談料より随分と高いじゃねぇーか!! ボッタクリか? ホントにお前は教師なのか?

「冗談だ(笑)条件付きは本当だけどな」

「……………………」

その教師は顔をニコニコさせながら教壇へと戻った。

そして授業も終わり、次の授業でも教師はニコニコしながら上機嫌で僕に絡んでくる。

そんなに僕からの贈り物が嬉しかったのだろう。僕は自分と先生達の間で、より良い信頼関係を築けたことが良かったと思う。



そうこうしているうちに放課後となった。

ルナール達にフォローとシン・ジャージを手渡す為に奴らのいる教室へと足を運んだ。


教室に着くと昨日のファンメンバーが揃っていた。昨日のこともあり、恐る恐る教室に入り、

「あ、あ、あのさぁ、シン・ジャージ出来上がったから持って来たよ」

と声を掛けたが、ファンメンバーは僕を見つけた瞬間。汚物を見るような蔑んだ目で僕を見ていた。

開口一番に口を開いたのは、ファンクラブ特別攻撃隊。通称『特攻隊』隊長のマリアだった。

「どうしたんですか? 草食動物代表のヘタレ・アレク様」

さすがは特攻隊隊長マリア。毒舌こうげきに些かの躊躇も見られない切れ味鋭い毒舌こうげきだった。

「シン・ジャージが出来たから持って来たんだけど……」

「ありがとうございます。こちらで預かりますね」

ルナールは席を立ち、僕の所まで近付いてお礼の言葉を言っていたが、ルナールの目がマジで笑っていない…… ガチギレじゃねえーか!

「では、頼まれていた品はこちらになります。どうぞお納め下さい」

僕はビクビクしながら収納魔法から圧縮袋に入ったシン・ジャージを取り出した。かなりの量のジャージなので、かさばると思い圧縮袋に入れ真空状態にした物を渡した。

ルナールが収納魔法を使えるとのことで、持ち運びには苦労しないようだ。

「とりあえず、出来上がった物を見てもらいたいんだけど……」

「……………………」

ファンメンバーの冷酷無比な目の中で、勇気を振り絞り声を掛けたが返事は無かった。仕方がないので、僕はシン・ジャージを一着だけ取り出して、その場にいたファンメンバーに見せた。

「あっ!? ちゃんとデザイン通りに作ってある!? 余計なことしてないみたいだよ」

ミレーユは僕を何だと思っているのか、失礼極まりないことを言いやがった。

「当然よ。私達が考えたデザインだもの。もしシンプルだとか可愛くないとか言って、手を加えていたら制裁するところだったわ」

無表情で語るメアリーが鬼に見える…… しかし、コイツに僕が考えていたことをズバリ言われ、コイツはエスパーかと疑いたくなってしまった。

「デモンドキル・フューエルもアレクが何かしてると言ってる」

『ドキッ!?』

クリスの一言に動揺する。

「何か隠してるみたいね。怒らないからお姉様に話してみて?」

フローラはお姉様オーラを全開に出しながら僕に詰め寄ってきた。

「あの~ ちょっとしたオプションを考えてみたんだが……」

収納魔法から天使の羽根と小悪魔の羽根を出して見せた。

「機動性と可愛らしファンシーさを出してみたんだ」

あの全開のお姉様オーラを出されては従うしかなかった。

「これのどこが機動性なのよ!」

メアリーは天使の羽根を指さして聞いてきた。

「一応、身体強化の魔法を掛けてあるから魔導具としても使えるよ」

「魔導具? どうして、そんな特殊能力を無駄なことに使うんですか?……」

ルナールはワナワナしながら聞いてきた。

このプリストの世界では魔導具は貴重な物なのだ。道具に魔法を付与し、魔導具が出来上がる。魔法制御が難しく、敢えて言うのならば生まれ持った魔法属性にも関係してくる。付与属性の魔法を持って生まれる者は超レア! つまりはチート持ちと言うことになるのだ。

「ピクニックって結構歩くだろ? その為に身体強化の魔導具にしたんだよ。通常の3倍は早く歩いても疲れないと思う。個人的な趣味もあると思うから、色は純白と黒のどちらも選べるようにしたよ。どうかな気に入ってくれた?」

「「「ジャージに羽根のぬいぐるみを付けるとか考えられねぇ!!」」」

僕の自信満々の言葉に即行でファンメンバーから総ツッコミを喰らってしまった……
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