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第84話 ユリアラ王女の疑惑
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クリスの大真理を突く一言に、
――ああ、僕の心の中で神はエムタイの神マモォール鳥様ただ一神なんだよな……
「君らが別の世界からやって来た事はわかった。しかも君らの世界で言うところのゲームの世界だと言うのもわかった。僕はキミらが転生者だからと言って、追放したり、人体実験とか、虐待とか、異端者として火あぶりの刑とかにはしないから安心してくれ。それと、今の話は他言無用で頼む。あとは今まで通りの生活をして欲しい」
僕はユリアラ王女の婚約破棄の件もあり、ヒロインどもをあまり刺激しないように配慮してあげた。
――僕は慈悲と慈愛に満ち溢れた優しいイケメン王子なのだ。
「「「はい、わかりました」」」
メンバーたちがそう答えると、僕は
「ユリアラ王女の事もあるから先に失礼するよ。キミたちも気を付けて帰るように」
心にない事を言い残し、立ち去ろうとした時。メアリーが僕の傍に寄り小声で
「アレク様も転生者ですよね?」
核心を突く言葉を吐きやがった。あれほど僕が転生者ではないという欺瞞行動をしてきたのに…… なぜ?
「ち、違うよ。僕は転生者じゃないよ」
僕は小声で返したが、
「みんなには内緒にしてあげるから……」
「……………………」
どうやら天才軍師メアリーには見破られていたようだ。バレないと思っていたのに……
僕は急ぎ王宮へと戻った。父上と母上に面会を求めたが、どうやら父上達も僕の帰りを待っていたようで、即座に応接室にマリックと共に呼び出された。
◇
応接室に着くと、そこには父上、母上、宰相、外務大臣、サンペータ、ルブラン、ドールが待ち構えていた。僕とマリックが応接室に入ると、父上から
「アレク! ユリアラ王女との婚約破棄をサンペータから聞いているが、今一度お前の口からありのままを聞きたい」
「残念ながら婚約破棄の件は事実です。ユリアラ王女はケーリンネガー王国へ帰ると言っておりましたが、王宮へは戻ってきましたでしょうか?」
「いや、王宮には戻って来ておらぬ。ルブラン、アレクに説明してやってくれ」
「ハッ 私とドールはアレク殿下の指示によりユリアラ王女のあとを追いました。ユリアラ王女は教室に戻ることなく、校門へと向かいました」
父上の命によりルフランはユリアラ王女の足取りを語り始めた。
「ユリアラ王女は教室にも戻らず、そのまま校門へ向かったのか? それでユリアラ王女はどうしたんだ?」
僕はユリアラ王女が教室にも、王宮にも戻ってきてない事に驚いた。
「校門にはすでにユリアラ王女の護衛の者と早馬が待機していた。ユリアラ王女は一部の護衛の者達と共に早馬で…… 僕らは残る護衛の者に阻まれ、ユリアラ王女のあとを追うことは出来なかった」
ルブランは悔しそうな表情を浮かべていた。
「しかし、おかしいじゃないか? ユリアラ王女が食堂から出て行って、ルブラン達が追いかけた時点で多少の時間があったとはいえ、すぐに護衛や早馬を準備出来るはずがない…… 一体どうなっているんだ」
「わからない…… いくら考えても、そんな真似が出来るのか、わからないのだ」
ドールは不思議そうな顔で僕の方を見ていた。
「それにしてもユリアラ王女に対しての対応が早すぎる。かなり前から準備してたのでないだろうか……」
「それは私達も考えた」
ルブランはドヤ顔で答えた。なぜ、ユリアラ王女に逃げられていながら、そんなドヤ顔が出来る?
「ユリアラ王女の動向といい、ケーリンネガー王国の目的がわからん」
父上は僕を責める事なく、ケーリンネガー国王が何を考えているのかわからないと困惑していた。
「父上。憶測ですがケーリンネガー王国は我がフロンガスター王国に宣戦布告をするつもりではないでしょうか」
「アレクよ。ケーリンネガー王国が宣戦布告とな…… なぜそう思う?」
父上は友好国でもあるケーリンネガー王国が宣戦布告とは想定していないようだった。
「あくまでも憶測の範囲ではありますが、これまでの事といい、今回のユリアラ王女の言動を考えれば、何かしらの目的があっての行動だと推測されます」
「確かにアレクの言うことももっともだ……」
――ユリアラ王女は一体何を考えて婚約破棄をしたのだろう。
――ああ、僕の心の中で神はエムタイの神マモォール鳥様ただ一神なんだよな……
「君らが別の世界からやって来た事はわかった。しかも君らの世界で言うところのゲームの世界だと言うのもわかった。僕はキミらが転生者だからと言って、追放したり、人体実験とか、虐待とか、異端者として火あぶりの刑とかにはしないから安心してくれ。それと、今の話は他言無用で頼む。あとは今まで通りの生活をして欲しい」
僕はユリアラ王女の婚約破棄の件もあり、ヒロインどもをあまり刺激しないように配慮してあげた。
――僕は慈悲と慈愛に満ち溢れた優しいイケメン王子なのだ。
「「「はい、わかりました」」」
メンバーたちがそう答えると、僕は
「ユリアラ王女の事もあるから先に失礼するよ。キミたちも気を付けて帰るように」
心にない事を言い残し、立ち去ろうとした時。メアリーが僕の傍に寄り小声で
「アレク様も転生者ですよね?」
核心を突く言葉を吐きやがった。あれほど僕が転生者ではないという欺瞞行動をしてきたのに…… なぜ?
「ち、違うよ。僕は転生者じゃないよ」
僕は小声で返したが、
「みんなには内緒にしてあげるから……」
「……………………」
どうやら天才軍師メアリーには見破られていたようだ。バレないと思っていたのに……
僕は急ぎ王宮へと戻った。父上と母上に面会を求めたが、どうやら父上達も僕の帰りを待っていたようで、即座に応接室にマリックと共に呼び出された。
◇
応接室に着くと、そこには父上、母上、宰相、外務大臣、サンペータ、ルブラン、ドールが待ち構えていた。僕とマリックが応接室に入ると、父上から
「アレク! ユリアラ王女との婚約破棄をサンペータから聞いているが、今一度お前の口からありのままを聞きたい」
「残念ながら婚約破棄の件は事実です。ユリアラ王女はケーリンネガー王国へ帰ると言っておりましたが、王宮へは戻ってきましたでしょうか?」
「いや、王宮には戻って来ておらぬ。ルブラン、アレクに説明してやってくれ」
「ハッ 私とドールはアレク殿下の指示によりユリアラ王女のあとを追いました。ユリアラ王女は教室に戻ることなく、校門へと向かいました」
父上の命によりルフランはユリアラ王女の足取りを語り始めた。
「ユリアラ王女は教室にも戻らず、そのまま校門へ向かったのか? それでユリアラ王女はどうしたんだ?」
僕はユリアラ王女が教室にも、王宮にも戻ってきてない事に驚いた。
「校門にはすでにユリアラ王女の護衛の者と早馬が待機していた。ユリアラ王女は一部の護衛の者達と共に早馬で…… 僕らは残る護衛の者に阻まれ、ユリアラ王女のあとを追うことは出来なかった」
ルブランは悔しそうな表情を浮かべていた。
「しかし、おかしいじゃないか? ユリアラ王女が食堂から出て行って、ルブラン達が追いかけた時点で多少の時間があったとはいえ、すぐに護衛や早馬を準備出来るはずがない…… 一体どうなっているんだ」
「わからない…… いくら考えても、そんな真似が出来るのか、わからないのだ」
ドールは不思議そうな顔で僕の方を見ていた。
「それにしてもユリアラ王女に対しての対応が早すぎる。かなり前から準備してたのでないだろうか……」
「それは私達も考えた」
ルブランはドヤ顔で答えた。なぜ、ユリアラ王女に逃げられていながら、そんなドヤ顔が出来る?
「ユリアラ王女の動向といい、ケーリンネガー王国の目的がわからん」
父上は僕を責める事なく、ケーリンネガー国王が何を考えているのかわからないと困惑していた。
「父上。憶測ですがケーリンネガー王国は我がフロンガスター王国に宣戦布告をするつもりではないでしょうか」
「アレクよ。ケーリンネガー王国が宣戦布告とな…… なぜそう思う?」
父上は友好国でもあるケーリンネガー王国が宣戦布告とは想定していないようだった。
「あくまでも憶測の範囲ではありますが、これまでの事といい、今回のユリアラ王女の言動を考えれば、何かしらの目的があっての行動だと推測されます」
「確かにアレクの言うことももっともだ……」
――ユリアラ王女は一体何を考えて婚約破棄をしたのだろう。
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