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第97話 この世で一番ヤベェ集団
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ケーリンネガー軍の意図が読めず、困惑している僕にカルイ副司令官は続けて、
「ピストン輸送などしているんでしょうか?」
「それなら偵察部隊から情報が入っていると思うんだが……」
情報を重視している僕にとって、偵察部隊から上がってくる報告にはしっかりと目を通している。そこにはピストン輸送をして物資が充実しているとかの情報は無かった。
「ま、まさか。損害を度外視でゴリ押ししているのか?」
僕はあれだけの犠牲を出しながらもゴリ押ししてくる神経がわからなかった。
「その線も考えられますぞ。ケーリンネガー軍もこちらの補給を考え、出来る限りのジリ貧にしてしまおう。なんて考えているかも知れませんね」
カルイ副司令官はゴリ押しの線も想定内に入れてるようだ。
「まあ、我が軍の物資は豊富にある。なんて言っても僕には希少なコピー魔法がある。砲弾も使いたい放題、武器の補充もいつでも余裕。もしギヤー将軍が僕のコピー魔法を知ったら愕然とするだろうね」
僕がコピー魔法の事を語ると、カルイ副司令官はしみじみと
「本当に恐ろしい魔法だと今更ながら気付かされます。物資が底を付かないということは敵軍にとっては脅威でしかありませんからなぁ。物資が尽きた軍隊ほど惨めな物はありませんからなぁ~」
「僕もそう思うよ」
太平洋戦争で日本が嫌というほど味わった補給不足。歴史にもしは存在しないが、もし日本に物資が行き渡っていたらと考えると、同じ負けるにしてもあそこまで悲惨な事にはなっていなかっただろう。戦死者より戦病死者のほうが多いってどういうことなんやぁー!
「司令官! 敵軍40000がこちらに向かっているとの情報が入って来ました」
「ハァ!? 40000だって!?」
偵察部隊から持たされた最新情報を参謀が僕とカルイ副司令官に伝える。
「カルイ副司令。今の聞いたか? 40000って、どっからそんな兵数を集めて来たんだ? フロンガスター全軍合わせても65000ほどだぞ」
「ケーリンネガー軍も我が軍と同様に全軍を投了してしてきたのでしょうか。あるいは無理な徴兵で兵士をかき集めたかも知れませんね」
カルイ副司令官は青い顔をして、僕の問いに答える。
「25000に対して40000の兵力と来たかぁ。ウダウダ言っててもしょうがない。ケーリンネガー軍を迎え撃つぞ」
「ハッ! 全軍に戦闘準備を伝えろ」
カルイ副司令官は参謀に命令を出し、僕と共に第1防衛ライン陣地へと向かった。
――島津家久の沖田畷の戦いや戸次川の戦い。島津義弘の木崎原の戦い、耳川の戦いじゃあるまいし、ましてや朝鮮出兵の時の泗川の戦いみたいに大軍に対して小勢で大勝利を収めるなんて無理な話だ。どうみたってムリゲーの類いじゃん。そんなことを出来る薩摩武士団は薩人マシンか何かなの? 頭が狂かれているとしか思えない。
◇
「昨日の戦闘とは違い、ヤツらはゴリ押しでこの第1防衛ライン陣地を取りに来るぞ! ここが正念場だ。頼んだぞ!」
「「「おおっーー!!」」」
兵士を激励し、敵軍が現れるのを待った。
「カルイ副司令。アームストロング砲全門に装填して置くよう伝達してくれ」
「ハッ! 了解いたしました」
カルイ副司令官は全砲兵に命令を出した。
「各部隊ごとに来てくれたら各個撃破出来るんだけど」
僕はマモォール鳥様に願うように呟いた。
「それはあまり期待をされない方がよろしいかと…… 魔法攻撃からの全軍突撃で、ゴリゴリ攻めて来るでしょうなあ」
「カルイ副司令。少しは僕にも希望を抱かせてくれ」
カルイ副司令官は軍人として適切な事を提言してくれたとは思うが、僕にとっては夢も希望も無い一言であった。
「司令官。敵軍が現れました」
ケーリンネガー軍は中央に騎兵、左右には軽装備歩兵、騎兵と軽装備歩兵の後ろには、重装備歩兵が陣取る。さらに、その後ろには魔法兵が待機していた。
僕と魔法兵は防御魔法を展開させ、敵の魔法攻撃を待つ。
『『『グオォォー! グオォォーー!』』』
無数の巨大な火の玉が我が軍に向かって、飛んで来た。
こちらは完璧なまでの防御魔法で対抗する。
時間が進むにつれ、両軍の魔法兵は魔力切れを起こし、徐々に魔法攻撃は減っていった。
そして、ケーリンネガー軍が動き始めた。その陣形は尖った矢印のような陣形で我が軍に突っ込んで来た。超攻撃型の陣形だった。
全てのアームストロング砲が炸裂したが、爆風と黒煙の中を、第1防衛ライン陣地へと一直線に進む。まさに狂気の世界の住人とでも言えば良いのかわからないが、この世の中で一番ヤベェ集団『バーサーカー集団』なのだろう……
「ピストン輸送などしているんでしょうか?」
「それなら偵察部隊から情報が入っていると思うんだが……」
情報を重視している僕にとって、偵察部隊から上がってくる報告にはしっかりと目を通している。そこにはピストン輸送をして物資が充実しているとかの情報は無かった。
「ま、まさか。損害を度外視でゴリ押ししているのか?」
僕はあれだけの犠牲を出しながらもゴリ押ししてくる神経がわからなかった。
「その線も考えられますぞ。ケーリンネガー軍もこちらの補給を考え、出来る限りのジリ貧にしてしまおう。なんて考えているかも知れませんね」
カルイ副司令官はゴリ押しの線も想定内に入れてるようだ。
「まあ、我が軍の物資は豊富にある。なんて言っても僕には希少なコピー魔法がある。砲弾も使いたい放題、武器の補充もいつでも余裕。もしギヤー将軍が僕のコピー魔法を知ったら愕然とするだろうね」
僕がコピー魔法の事を語ると、カルイ副司令官はしみじみと
「本当に恐ろしい魔法だと今更ながら気付かされます。物資が底を付かないということは敵軍にとっては脅威でしかありませんからなぁ。物資が尽きた軍隊ほど惨めな物はありませんからなぁ~」
「僕もそう思うよ」
太平洋戦争で日本が嫌というほど味わった補給不足。歴史にもしは存在しないが、もし日本に物資が行き渡っていたらと考えると、同じ負けるにしてもあそこまで悲惨な事にはなっていなかっただろう。戦死者より戦病死者のほうが多いってどういうことなんやぁー!
「司令官! 敵軍40000がこちらに向かっているとの情報が入って来ました」
「ハァ!? 40000だって!?」
偵察部隊から持たされた最新情報を参謀が僕とカルイ副司令官に伝える。
「カルイ副司令。今の聞いたか? 40000って、どっからそんな兵数を集めて来たんだ? フロンガスター全軍合わせても65000ほどだぞ」
「ケーリンネガー軍も我が軍と同様に全軍を投了してしてきたのでしょうか。あるいは無理な徴兵で兵士をかき集めたかも知れませんね」
カルイ副司令官は青い顔をして、僕の問いに答える。
「25000に対して40000の兵力と来たかぁ。ウダウダ言っててもしょうがない。ケーリンネガー軍を迎え撃つぞ」
「ハッ! 全軍に戦闘準備を伝えろ」
カルイ副司令官は参謀に命令を出し、僕と共に第1防衛ライン陣地へと向かった。
――島津家久の沖田畷の戦いや戸次川の戦い。島津義弘の木崎原の戦い、耳川の戦いじゃあるまいし、ましてや朝鮮出兵の時の泗川の戦いみたいに大軍に対して小勢で大勝利を収めるなんて無理な話だ。どうみたってムリゲーの類いじゃん。そんなことを出来る薩摩武士団は薩人マシンか何かなの? 頭が狂かれているとしか思えない。
◇
「昨日の戦闘とは違い、ヤツらはゴリ押しでこの第1防衛ライン陣地を取りに来るぞ! ここが正念場だ。頼んだぞ!」
「「「おおっーー!!」」」
兵士を激励し、敵軍が現れるのを待った。
「カルイ副司令。アームストロング砲全門に装填して置くよう伝達してくれ」
「ハッ! 了解いたしました」
カルイ副司令官は全砲兵に命令を出した。
「各部隊ごとに来てくれたら各個撃破出来るんだけど」
僕はマモォール鳥様に願うように呟いた。
「それはあまり期待をされない方がよろしいかと…… 魔法攻撃からの全軍突撃で、ゴリゴリ攻めて来るでしょうなあ」
「カルイ副司令。少しは僕にも希望を抱かせてくれ」
カルイ副司令官は軍人として適切な事を提言してくれたとは思うが、僕にとっては夢も希望も無い一言であった。
「司令官。敵軍が現れました」
ケーリンネガー軍は中央に騎兵、左右には軽装備歩兵、騎兵と軽装備歩兵の後ろには、重装備歩兵が陣取る。さらに、その後ろには魔法兵が待機していた。
僕と魔法兵は防御魔法を展開させ、敵の魔法攻撃を待つ。
『『『グオォォー! グオォォーー!』』』
無数の巨大な火の玉が我が軍に向かって、飛んで来た。
こちらは完璧なまでの防御魔法で対抗する。
時間が進むにつれ、両軍の魔法兵は魔力切れを起こし、徐々に魔法攻撃は減っていった。
そして、ケーリンネガー軍が動き始めた。その陣形は尖った矢印のような陣形で我が軍に突っ込んで来た。超攻撃型の陣形だった。
全てのアームストロング砲が炸裂したが、爆風と黒煙の中を、第1防衛ライン陣地へと一直線に進む。まさに狂気の世界の住人とでも言えば良いのかわからないが、この世の中で一番ヤベェ集団『バーサーカー集団』なのだろう……
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